お家洗濯

洗濯表示を憶えて正しい洗濯を~記号の意味を詳しく解説~

皆さんは普段着ている服の洗濯表示を確認することはありますか?

実はこの表示ですが、数年前に一新されたのです。

以前は22種類だった表示が今では約2倍に!

でもそんなにあると覚えられない、そもそも洗濯表示を見るタイミングっていつ?という方のために、今回は洗濯表示に関する内容をお届けします。

この記事を読めばあなたも衣類についている洗濯表示をマスターできること間違いなしです!

洗濯表示って何?

そもそも洗濯表示って何?と、思う方もいらっしゃるかもしれません。

洗濯表示とは衣類の性質にあった正しい扱い方が示されています。

簡単に言えば「衣類の取扱説明書」のようなものですね。

衣類はその素材や製法によって、洗濯方法やお手入れ方法が異なります。

洗濯表示はそれらを一目見てわかるように作られているのです。

熱に弱い、シワになりやすいなどの特徴に合わせ、洗濯機を使用できるか、乾燥方法、アイロンのかけ方に至るまで洗濯表示から読み取ることが可能です。

洗濯表示を確認するタイミング

洗濯表示の意味を何となく理解したけど、実際いつ見ればいいのかという疑問をお持ちの方もいるかと思います。

洗濯表示を確認するのに決まった約束などはありませんが、「衣類を購入する際」と「初めて洗濯する際には」確認することをお勧めします。

どうしてこのタイミングがおすすめなのかそれぞれご説明します。

衣類を購入する時

衣類の購入時はデザインやサイズ、素材などを念入りに確認する人が多いでしょう。

もちろん、サイズや色も大切ですが洗濯表示の確認も大事です。

洗濯表示を確認することで、自宅で洗濯できるか、クリーニングに依頼する必要はあるかなどが判断できます。

買ってみたはいいもののお手入れ面倒だったり、家庭では洗えないなんてことも起きかねません。

そんな事態を防ぐためにも購入時は洗濯表示の確認は徹底しましょう。

初めて衣類を洗濯する時

初めて衣類を洗濯する前に確認することで、その衣類に適した方法でお手入れすることができます。

洗濯機・手洗い・クリーニングなど洗い方の種類だけでなく、洗濯機のコースや干し方・洗剤は何を使うべきかまで判断できます。

他にも乾燥機の使用や干し方、アイロン仕上げまで記載されているのでお手入れの際は要チェックですよ。

洗濯表示の種類

一新された洗濯表示では昔の表示と違い「強弱」など日本語表記は無くなりました。

代わりに、記号の組み合わせで表しています。

そこで、洗濯表示を細かく見ていく前に基本となる記号が何を表しているのかをご紹介します。

基本記号

基本記号

洗濯表示は「5つの基本記号+付加記号や数字」で構成されているという点がポイントです。

そして上の図のマーク5種類が基本記号になります。

付加記号

付加記号

また基本記号だけでは洗濯表示として成り立ちません。

枠内の様々な付加記号や温度を示す数字と組み合わせることで初めて洗濯表示になるのです。

それぞれの付加記号を見ていきましょう。

洗濯処理の強さ

まず、強さとは「洗濯処理をする際の強さ」の事です。

先ほどの桶や商業用クリーニングの基本記号と併用されます。

基本記号の下に線が描かれている場合は弱い力での処理が必要になります。

この下線は「本数が増えるほど弱い力」で処理を行う必要があります。

※干し方の表示にも1、2本の線が使われる事がありますが、ここでいう付加記号とは別物です。

処理温度

処理温度は付加記号の点「.」と数字で表す2種類があります。

まずは付加記号の点の方からご説明します。

乾燥処理やアイロンの温度を表す時はこちらの「.」を使います。

点の数が増えるほど処理温度は高くなります。

※ただし、乾燥処理記号とアイロン処理記号では表す温度が違うので注意が必要です。

また、アイロン処理の点は以前の表示であった「高・中・低」とはそれぞれ別の温度になっている点も要チェックです。

乾燥処理記号の場合…点が1つ上限60℃、点2つが上限80℃

アイロン仕上げ処理記号の場合…
点1つが上限110℃、点2つが上限150℃、点3つが上限200℃

数字で温度を表すのは家庭洗濯の桶のマークのみです。

桶の中にある数字は洗濯液の上限温度を意味しています。

下の表示の場合、左から30・40・50℃以下の水で洗濯できます。

処理・操作の禁止

5種類の基本記号共通で、マークの上に「×印」があるものは、その記号が表わす処理・操作ができないことを表します。

例えば桶のマークに「×印」がついていたら家庭洗い禁止を意味します。

マークの構図や付加記号の意味をおさえたところで、次は5つの基本記号の内容について詳しく見ていきましょう。

洗濯

基本記号1つ目は洗濯(水洗い)です。

以前は手洗いマークと家庭洗い禁止マークのみ桶の形で、他は洗濯機のマークでした。

しかし新しい洗濯表示ではどちらも桶のマークに統一されました。

桶マークがあれば家庭の洗濯機で洗うことが可能です。

表示されている温度を超えない水温で洗う点、強弱によって洗濯機のコースを使い分ける点を意識しましょう。

漂白

漂白は三角の記号であらわされます。

従来の表示では「塩素系」の漂白剤しか記されていませんでしたが、新しい洗濯表示では「酸素系」のものも追加されました。

付加記号によって漂白剤の使用可否や適している種類がわかります。

汚れをしっかり落としたい時に活躍する漂白剤ですが、衣類トラブルが起きやすい物でもあります。

表示をしっかりと確認してから使用して、大切な衣類を傷めないよう気を付けましょう。

特に色柄物を漂白する際は、必ず確認した方がいいでしょう。

乾燥

正方形の基本記号は乾燥に関するものになっています。

正方形の中に円形「〇」があるものはタンブル乾燥を、縦線・横線・斜め線が入っているものは自然乾燥を表しています。

タンブル乾燥

タンブル乾燥(タンブラー乾燥)とは、家庭用のドラム式乾燥機のように衣類を回転させながら温風を当てる乾燥方法です。

以前は無かった記号ですが、乾燥機を使えるかどうかがわかるように、新たに設定された洗濯表示になります。

付加記号のドット「.」の数によって排気温度の上限が変わります。

ドットの数が増えるほど高温で乾燥可能ですよ。

・ドットが一つ:低い温度でのタンブル乾燥が可能で、60℃が排気温度の上限

・ドットが二つ:タンブル乾燥が可能で、80℃が排気温度の上限

・「×」表示のあるもの:タンブル乾燥禁止

自然乾燥

タンブル乾燥禁止のものはこちらの自然乾燥なります。

以前は衣服のカタチの記号でしたが、タンブル乾燥に合わせこちらも正方形になりました。

縦線は吊干し、横線は平干し、斜め線は日陰干しを表しています。

また、縦線や横線が日本ある時は濡れたままの干し方を表しています。

例)縦線「|」と斜め線「/」は日陰での吊干し
  横線2本と「=」とだと濡れ平干し

誤った方法で乾燥機にかけたり、干したりすると縮みやヨレ・変色など様々な衣類トラブルが起きる原因になるので要チェックですよ!

アイロン

4つ目の記号はその形の通りアイロンのかけ方に関するものです。

付加記号である「点(.)」の数で使用時の適温を表現しています。

点の数が多くなるほど高温でアイロンがけ処理という意味です。

熱に弱い性質の生地もあるため、アイロンをかける際は確認しておきましょう。

また、変更以前の表示とはそれぞれ設定温度が違う点にも注意が必要です。

新しいアイロン表示
・アイロン内にドット1つ:底面温度の上限110℃(低温)でスチーム無しでアイロン仕上げ可能

・アイロン内にドット2つ:底面温度の上限150℃(中温)でアイロン仕上げ可能

・アイロン内にドット3つ:底面温度の上限200℃(高温)でアイロン仕上げ可能

以前のアイロン表示
アイロン内に「高」:高温(180~210℃で210℃が上限)

アイロン内に「中」:中温(140~160℃で160℃が上限)

アイロン内に「低」:低温(80~120℃で120℃が上限)

スチームやその他注意事項に関しては付記用語で確認できます。

付記用語とはタグに記載されている「スチームアイロンを浮かしながら整形してください」などの文言です。

アイロンがけは表示だけでなく、こういった文言にも注意してが必要です。

商業用クリーニング

これまでは自宅で衣類を手入れする時の指示を表していましたがコチラの記号は商業用でクリーニング店が確認するためのマークとなっています。

円形内のアルファベットや付加記号でクリーニング方法や溶剤を細かく指定していますね。


「P」や「F」はドライクリーニングで、「W」はウェットクリーニングの事を表しています。

ドライクリーニングは、一切水を使わず有機溶剤で衣類を洗うクリーニング方法です。

型崩れなどを防ぎ、衣類への影響を最小限にした優しい洗い方です。

化粧品や食べこぼしなどの油溶性の汚れが付いた衣類に適しています。

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また、ウエットクリーニングは、デリケートな衣類を特殊な技術を使って水洗いをし、専用の仕上げ設備やアイロンなどを使用して仕上げまで行う水洗い処理です。

家庭での水洗いが難しい物、汗(水溶性)汚れが付いたものに向いているクリーニング方法です。

洗濯禁止マークやドライマークがあったときに限らず、デリケートな素材・お手入れ方法に悩んでいる服はクリーニング店に任せちゃうのも1つの方法ですね。

洗濯表示が変更された理由

洗濯表示は2016年(平成28年)12月1日に一新されました。

以前は6分類22種だったのが、変更後は7分類41種になりました。

19種も増えたことで、衣類に対してよりきめ細かい内容に変わっています。

国際標準に合わせているので、今まであった「強弱」などの日本語表記が消えたのも特徴の一つです。

たくさんあるうえに記号だけなので難しいと感じがちですが、基本記号は5つなのでそれをおさえるだけでも覚えやすくなりますよ。

また、新しい洗濯表示になるにあたって昔のマークが消えた物もあります。

例えば絞り方のマークです。

タオルを絞ったカタチに「ヨワク」などの力加減をあらわす文字が入っていたり、×マークがついていました。

これらの新JISではなくなってしまった表示は、必要に応じて文言を付記用語で表記されることになります。

まとめ

今回は洗濯表示についてご紹介しました。

難しく思いがちですが意味を覚えれば、衣類の扱いにおいて強い味方です。

また、正しく表示を理解して扱うことで、大切な衣類を長持ちさせることができます。

洗濯表示を憶える第一歩として、今夜お風呂に入る際などにちょっと確認してみてはいかがでしょうか?

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