日常

衣類と静電気〜静電気はなぜ起こる?静電気の取り方と防止策〜

寒くなってくるこの時期、空気が乾燥することで、あの静電気の「パチパチ」も一緒にやってきます。

セーターなどの衣類を着脱する時、「パチパチ」と静電気が気になりませんか?

「あ…静電気が起きそう…」と身構えてそっと脱ぐこともしばしば。

「パチパチ」という音だけならまだ…静電気によって体に刺激を感じることもあり不快に思う方が多いと思います。

今回はどんな時に静電気が起こるのか、静電気が発生しやすい衣類の組み合わせや対策について紹介します。

静電気ってなに?

静電気…子供の頃、プラスチックの下敷きで髪の毛をこすって貼りつかせるという遊び、経験された方が多いと思います。

静電気は摩擦によって発生します。

私たちの暮らしの至るところで起き、車のドアに手をかけた時、エレベーターのボタンを押そうとした時、何かを手渡しする時など…そして今回の記事、衣類の着脱時にも。

私たちの身の回りにある「もの」はすべてプラスとマイナスの2種類の電気をもっています。

この「もの」のなかには私たち人間も含まれます。

その「もの」は通常プラスとマイナスの電気を同じ数だけもっていて、釣り合いがとれている状態=バランスが良い状態です。

専門的には「電気的に中性な状態」とも言うそうです。

これはプラスでもマイナスでもない「電気を帯びていない状態」のため、電気的に中性な状態のものに触ってもパチッとすることはありません。

しかし、このバランスが異なる2つの「もの」がぶつかることで簡単に崩れてしまいます。ぶつかると、マイナスの電気を奪う力が強い方へ電気(マイナス)が移動します。

すると、マイナスの電気を奪われた方はプラスの電気が多くなります。

一方、マイナスの電気を奪った方はマイナスの電気が多くなるという現象が起き、バランスが崩れてしまいます。

このバランスの崩れた状態が「静電気」です。

専門的には「帯電している」と言うそうです。

静電気にはプラスの静電気とマイナスの静電気の2つが存在します。

静電気で起こるパチっという刺激の正体

上述より、静電気にはプラスの電気とマイナスの電気が存在します。

それぞれに帯電したこの2つが近づいた時、バランスの良い状態に戻ろうとする性質が働き、マイナスに帯電した方はプラスに、プラスに帯電した方はマイナスに戻ろうとします。

そして触れた時にマイナスの電気はプラスに帯電した方に戻ります。

これが「放電」です。

このとき、「もの」と「もの」の間に電気が流れることでパチッという刺激が起きます。

乾燥は静電気に大敵

一年を通して静電気は常に身の回りで起こっていますが、夏のように湿度が高い時はものに吸着する水分量も高くなるため、この水分を通って緩やかに放電され、体感では分かりにくい感じで起こります。

冬になると湿度が低くなり乾燥してくることから、放電されずに物質に静電気が溜まりやすくなります。

冬に静電気を感じやすいのはこのためですね。

静電気が起きやすい人と起きにくい人の違いも、肌が乾燥している人と潤っている人では、潤っていいる人のほうが静電気が起きにくいそうです。

そして、汗っかきの人も肌が水分で覆われているので静電気が発生しにくいそう。

冬はとにかく乾燥が大敵!肌も静電気も保湿が大事ですね!

衣類の静電気はどうして起こるの?
素材も関係している?

衣類は様々な種類の素材からできています。

素材によってプラスの電気を帯びやすいものと、マイナスの電気を帯びやすいものとがあり、プラス素材とマイナス素材がこすれあった時に静電気が発生しやすくなります。

逆にプラスとプラス、マイナスとマイナスのように、同じ性質の電気を帯電するものは静電気の発生率が低下します。

寒さ対策で厚着をする冬は、組み合わせによって静電気が起こりやすくなるので、厚着をする際は、素材の帯電を意識して組み合わせると静電気を解消できます。

天然素材といわれる綿・麻・絹などはもともと帯電しにくい素材です。

ポリエステルなど帯電しやすいものと自然素材の綿などを合わせることで静電気が起こりにくくなるので、インナーに取り入れてみるなどのひと工夫を!

綿は夏に汗を吸収してくれるイメージが強いですが、肌にも優しく、保温効果もあるため、寒い季節のインナーとして冬にも重宝する素材なんです。

静電気対策にも使えて万能素材ですね。

では、静電気を起こさないようにするためにも、まずはマイナスの帯電しやすい服とプラスの帯電しやすい服を確認しましょう。

衣類素材の帯電列

右に行くほどプラスに帯電しやすく、左に行くほどマイナスに帯電しやすくなります。

プラスとマイナスが離れている組み合わせほど(差が大きいほど)静電気を帯電しやすくなります。

例えば、ポリエステルのブラウスには、ナイロンのスカートのよりも綿のスカートを着用した方が静電気は発生しにくくなります。

組み合わせが大事!発生しやすい組み合わせとは?

素材の組み合わせを意識すると、静電気の発生を抑えられます。

マイナスに帯電しやすい素材、プラスに帯電しやすい素材といったように、電気が異なる服の組み合わせが関係していることをお伝えしましたが、特に厚着をする冬に起こりやすくなります。

静電気が発生しやすい組み合わせの一例を紹介します。

・スカート(ポリエステル)+タイツ(ナイロン)

・スカート(アクリル)+タイツ(ナイロン)

・シャツ(ポリエステル)+セーター(ウール)

・セーター(ウール)+マフラー(アクリル)

・コートなどアウター(ウール)+トップス(ポリエステル)

組み合わせの対策として、同系の素材や近い配列のものを意識的に組み合わせ、プラスかマイナスのどちらかに電系を寄せることで静電気を軽減させることができます。

・ナイロン+レーヨン

・ポリエステル+ポリウレタン 

・ウール+ナイロン

静電気でタイツにスカートがまとわりつく!
すぐにできる対処法

寒い時期の必須アイテムであるタイツですが、裾がまとわりつき歩きづらくなることも…
裾が静電気によってまとわりついた時は、次の方法ですぐに対処することができます。

・スカートの裾を一ヶ所に集めるように握る

・ハンドクリームを手で薄く伸ばしタイツの上から塗る

・スカートの内側からミストをかけたり、タイツに少しだけ水分を与える

※濡れた場所から放電され静電気が収まります

外出中など、静電気によって身体に服がまとわりついてしまった時は、ぜひ実践してみてください。

お出かけ前にできること

・静電気防止スプレーを掛ける

・スカートとタイツの組み合わせを意識する

まとわりつきにくい

マイナス帯電同士
スカート(ポリエステル)+タイツ(アクリル)

プラス帯電と帯電しにくい素材
スカート(ウール)+タイツ(綿混)

まとわりつきやすい

プラス帯電とマイナス帯電
スカート(ポリエステル)+タイツ(ナイロン)
スカート(ウール)+タイツ(アクリル)

※○✕を意識して組み合わせるのが面倒…そんな方には静電気防止加工付きタイツも販売されてるのでおすすめです。

合わせるスカートを選ばないのでとってもラク!

服の静電気対策

洋服の組み合わせによる静電気対策のほかにも、様々な対策があるので紹介します。

服は重ね着のまま脱ぐ
静電気は服が擦れると発生するので、重ね着した服を2枚一緒に脱ぐことで、パチッとした音や傷みを感じにくくなります。

服の洗濯時に柔軟剤を使う
柔軟剤の成分は、衣類の表面に電気を外へ逃がす層をつくるため、静電気がたまりにくくなります。

この他、柔軟剤を使うことで衣類の表面が滑らかになり、摩擦が起こりにくくなるため、静電気の発生を防ぐ効果があります。

新品の服は一度洗濯してから着る
新品の洋服で、素材が同じものを身につけると、静電気が発生するケースがあります。

例えば、ウールのマフラーとセーターの組み合わせなどです。

同じ素材の服を新品で使う場合は、一度洗濯すると静電気を抑えられます。

乾燥対策
乾燥を防ぐことで静電気を抑えることができるため、とにかく保湿する。

部屋の湿度を上げる
服の静電気は擦れだけでなく、空気の乾燥でも起こります。

空気中の水分が少なくなると静電気が溜まりやすくなるため、エアコンなど空気が乾燥しやすい空調に気をつけましょう。

乾燥が気になる時は、加湿器などを使って湿度を上げると効果的です。

服に静電気防止スプレーを掛ける
洗濯できない洋服や、お出かけ先でのケアには静電気防止スプレーを活用してください。

このスプレーに使われている界面活性剤には空気中の水分子を呼び込む性質があるので、衣類の表面に水の層をつくり静電気を防いでくれます。

お出かけ前の使用で、スカートのまとわりつきやホコリの吸着を抑えられます。

服の表面だけではなく、裏側にも吹きかけることがコツです。

クリーニング店で静電気防止加工
静電気予防加工は柔軟剤以上の効果が期待できます。

効果は永久には持続しませんが、特に静電気の起きやすい洋服など帯電を抑えることができます。

※こちらの加工を行っていないクリーニング店もあるため、事前に聞いてみましょう。

まとめ

静電気が発生しやすくなるこれからの時期、厚着をする時の組み合わせ、その他さまざまな対策を取り入れ、少しでも不快なパチパチが軽減できるよう参考にしてみてください。

乾燥には肌も静電気も”保湿”がキーワードですね! 

ページトップに戻る

十兵衛日記トップ

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: icon-152x152-1.png