冠婚葬祭などの大事な場面で着る礼服ですが、着用後は毎回クリーニングに出していますか?
礼服を着るたびにクリーニングに出さない方も多いかと思います。
普段から着るものではない分クリーニングに出すか迷う人のために礼服のクリーニングについてお話していきます。
クリーニングに出した方がいい理由
礼服は一年の中でも着る回数が少ない服です。
だからこそ着用後はクリーニングに出すべきなのです。
目に見えていなくても一度の着用でヒト由来の汚れ、外的な汚れが付着しています。
ヒト由来でいえば汗や皮脂、外的汚れは食べこぼしやホコリなどが当たります。
そのままにして収納することでカビや虫、変色の原因にもなってしまいます。
特に礼服は普段から着るものではない分、クローゼットの奥にしまいがちです。
クローゼットの奥は一番湿気や汚れがたまり衣類トラブルが起きやすい場所です。
数時間しか着てないしクリーニング代も高いからもったいないと思ってクリーニングに出さない人も多いと思います。
ですが、カビやシミが発生してからではクリーニング料金もさらに上がります。
時間がたちすぎて対処できなくて買いなおす可能性もあります。
リスクを考えたらクリーニングに出した方が安く済むのです。
また礼服は弔事でも着られる服です。
弔事で着た服をそのままにしておくのは縁起的にも良くないとされています。
「けがれを祓う」という意味でも弔事後は特にクリーニングに出すべきですね。
クリーニングに出す頻度
理想は着たら毎回クリーニングに出すことです。
頻繁に着る機会がない服だからこそ、着用後は毎回クリーニングに出して、きれいな状態で保管することが望ましいです。
一回着用して、また近いうちに着る予定がある場合はそのまま保管し、着る予定が無くなってからクリーニングに出すのもOKです。
その場合はお手入れをしっかりして保管しておきましょう。
一時保管のポイント…
礼服は脱いだらハンガーにかけましょう。
特に夏は湿気が多く汗もかきやすいので必ず行ってください。
スカートはピンチで挟み、パンツは正面と後ろをセンターで二つ折りにして半分に折りハンガーにかけます。
湿気が多い場所だとプレスの線が取れてしまうことがあるので、風通しの良いところに吊るしておきましょう。
料金と日数の目安
礼服をクリーニングに出す大事さはわかったけど気になるのはコスト面ですよね。
そこで次は料金と納期がどれくらいかかるのかお話ししていこうと思います。
料金
普通のスーツに比べると礼服のクリーニングは高いです。
料金が高い一因としてはデリケートな素材であることや丁寧な仕上げや処理が必要になることです。
男性であれば上下合わせて1,500~2,500円程度のお店が多いです。
女性もジャケットにスカートやパンツを合わせるタイプであれば男性の値段と大体同じくらいです。
ワンピースだと少し料金が高く上着と合わせて3,500円くらいになりがちです。
加えて礼服には汗抜きやはっ水など様々な特殊加工をつけれることができます。
気付かないうちに汗をかいたり汚れていることが多い礼服にはもってこいの加工ばかりです。
料金は加工一つにつき300~500円程度です。
※シミ抜きであればシミの範囲によって値段が変わります。
礼服をきれいな状態で保管するためにもつけることをお勧めします。
お店によってはデフォルトで何らかの加工が付けている所もあるので事前に確認するといいでしょう。
日数
礼服のクリーニングは丁寧な処理や加工が多い分時間もかかりがちです。
大体2~3日で仕上げてくれるお店が多いですが、即日仕上げのお店もあるようです。
早めに仕上げる事も不可能ではないですが、お店側としては正直1週間は欲しい所です…。
持って行って即日仕上げてもらえるとは限らないので、ある程度時間に余裕を持たせて依頼しましょう。
どうしても急ぎでほしい際は依頼する前にどのくらいの日数で仕上がるのか確認したり、即日で仕上げてくれるお店が付近にないか調べてみるといいでしょう。
宅配クリーニング
宅配クリーニングはパック制料金が主流です。
特徴は出す衣類の量が多いほど1枚当たりの単価が安くなることです。
たくさんクリーニングする衣類があるなら、単価が高くなりがちなダウンや礼服がお得に出せるサービスです。
ただ、配送する必要があるため1週間以上日数がかかってしまいます。
そのため急ぎでほしい場合にはおすすめできません。
また、宅配クリーニングには保管付きのサービスも多くあります。
綺麗にした後、温度・湿度が管理された場所で保管してくれるので保管中に起きがちなトラブルも心配ありません。
宅配クリーニングで礼服を出す場合は長期保管などの際がおすすめです。
※礼服はいつ必要になるかわからない等の理由で、受け付けていない宅配クリーニングもあります。
依頼しようと考えているところが礼服を入れても大丈夫なのかしっかり確認してから出してください。
家庭での保管
保管の際は「湿気がこもらない」、「清潔な場所」、「日光が当たらない」の3つが大事です。
その為にもクローゼット収納する場合は8割収納を心掛けましょう。
収納している期間でもこまめに掃除しホコリがたまらないようにしてください。
ホコリと湿気が結びつくことでカビや虫の餌になってしまいます。
また、日光だけでなく蛍光灯の紫外線にも注意して保管してください。
紫外線によるダメージに関しては下の記事で詳しく説明しています。
気になる方は併せてご覧ください。
換気をする
今までの記事でもお話しした通り保管は湿気のない所で行いましょう。
湿気が多いところでの保管はカビや変色の原因になります。
出来れば毎日換気してほしいですが、難しいという人は週2~3回換気を行ってください。
クローゼットやタンスを開いて1~2時間ほど空気を入れ替えてあげるだけでOKです。
また、衣類を詰めすぎても空気の通りが悪くなるので、ある程度距離を離して保管しましょう。
湿気を防ぐためには除湿剤を使うのもおすすめですよ!
クリーニングのビニールを外す
クリーニングから帰ってきてそのまま保管するのはNGです。
そのまましまうとビニール内に湿気がたまりカビが発生することがあるためです。
クリーニングから戻ったらカバーを外し1日ほど陰干ししてあげるといいですね。
ホコリ除けや湿気対策のために不織布のカバーを購入するのもおすすめですよ!
厚みのあるハンガーにかける
クリーニングから帰ってきたままのハンガーや針金のハンガーを長時間使うと型崩れを起こします。
また生地に隙間ができないため風通しも悪くなります。
保管の際は肩部分に厚みがあり肩幅に合ったハンガーを選んで形を整えて吊るすようにしてください。
適当なハンガーが無い場合は肩部分に肩の厚み程度のタオルを巻くのも一つの方法です。
女性用のアンサンブルは同じハンガーに干してもいいですが、ジャケットとスラックスの場合は折りシワを避けるために別々のハンガーにかけるようにしてください。
スラックスはズボン用ハンガーにかけてあげてくださいね。。
家庭で出来る応急処置
カビやシミに対して自宅でもできることがあります。
それがここでお話しする応急処置です。
ただ、どれも完全にきれいにできるわけでなく症状を遅らせるだけな点に注意が必要です。
また、素材によっては処置が行えなかったり悪化する可能性があるので行う際は目立たない部分でテストしてから行うことをお勧めします。
カビ取り
水とハッカ油を用意しましょう。
水90mlに対してハッカ油10滴を入れてしっかり混ぜてください。
歯ブラシに混ぜた液をつけカビの部分をポンポンと叩いてあげましょう。
カビが落ちたらしっかり乾かします。
この方法でカビはほとんど目立たなくすることができます。
ですがこれはあくまでも応急処置です。
この方法で取り除けるのはカビの表面だけで繊維の奥の原因は取り切ることができません。
なのでカビがあったときは早めにクリーニングへ持って行きましょう。
この方法を行っても放っておくとまたカビが発生してきます。
ハッカ油が無いときは液体の「酸素系漂白剤」でも代用できます。
ただし漂白作用が強いので目立たないところで色落ちしないかテストしてから使うようにしてくださいね。
テカリ
まずは洋服用ブラシで丁寧にブラッシングしてあげます。
こうすることで寝ている繊維を起こしテカリ予防になります。
それでもダメなときは当て布してスチームアイロンをかけることで回復することも…。
軽くしっとりするくらい長めにスチームを当ててあげるのがコツです。
そして再度、丹念にブラッシングを繰り返すことで繊維が回復しやすいです。
テカリとは
衣類を複数回着用すると身体の動きにより常に特定部分へ圧力、摩擦、張力、屈曲(折れ曲がる)などの負荷がかかります。
つまり、着用により生地がつぶれる避けられない現象によるものを言います。
テカリと同じく生地が光ってしまう現象にアタリがあります。
結果はテカリと同じく生地が光って見える現象ですが、テカリとは発生原因が違う。
化粧品や食べ物のシミ
気付かないうちにファンデーションや日焼け止めがついていたり、食べ物のシミが付いていることが多いです。
そういう時に使えるのがこの染み抜き応急処置法です。
まずはシミの裏側に当て布をしてください。
当て布はシミが落ちたとき他の部分に染み込こんでしまわないようにするために必要です。
衣料用中性洗剤を歯ブラシにつけ汚れの部分をトントンと叩いて洗剤を染み込ませましょう。
ある程度洗剤が染み込んだら水で濯いでください。
シミを無理に落とそうとすると却って生地を傷めてしまうので厳禁です。
シミになってから時間がたっている場合や応急処置では落とせないシミは早めにクリーニング店に持っていき対処してもらいましょう。
シミは時間が経てば経つほど落ちにくくなるので早めの行動が肝心です。
まとめ
礼服を長く着ていくためにできることをお話ししました。
実はシミやカビに対して家庭で出来る事もあるのです。
最悪カビを応急処置で対処して、着用後すみやかにクリーニングへ持って行くという手もありです。
礼服は10年は着れると言われています。
大事な衣類だからこそ正しいお手入れをしてこれからも長く付き合っていきましょう!