肌触りが良く見た目にも涼しげなレーヨンは夏服にピッタリな素材です。
身近な素材のですが、家庭で洗って失敗したという方も中にはいらっしゃいます。
でも、毎回クリーニングに出すのは面倒だし、コストもかかってしまいますよね…。
そこで今回はレーヨンの特徴から家で洗う時の方法までご紹介。
レーヨンとは

レーヨンは天然原料から作られる再生繊維の一種です。
木材パルプから採れる植物原料に薬品加工をして作られます。
一方、ポリエステルやナイロン、アクリルなどの石油から作られる繊維は、合成繊維と呼びます。
レーヨンは化学繊維ですが加工処理をするだけで自然に返すことが可能なため、環境に優しい素材と言えるでしょう。
レーヨンの歴史
化学繊維というと近代の物と考えがちですが、レーヨンの歴史は意外と長く19世紀後半まで遡ります。
当時から天然繊維の中で最も高価であった絹は上流階級の人々しか手に入れることができないものでした。
一般市民でも手に入れられるよう、また安定的に供給できるよう、人工的に絹を作ることを目的に開発がすすめられた結果、生まれたのがレーヨンです。
レーヨンの特徴
日本で最初に作られた化学繊維と言われているレーヨン。
人絹と呼ばれるくらいシルクによく似た素材なのに、価格も安価なため身近な素材と言えるでしょう。
衣類を中心に様々な場面で使われていますが、デリケートな一面もあります。
そんなレーヨンの特徴を確認していきましょう。
シルクのような滑らかな肌触り…
レーヨンはシルクに似せられたため、見た目だけではなく肌触りも滑らか。
細かいフィラメント糸で作られており、軽く柔らかいのが特徴です。
通気性・吸湿性に優れている…
レーヨンは通気性・吸湿性に優れているため、季節を問わず活躍する繊維と言えるでしょう。
清涼感があるので、春や夏は衣類・寝具に使用されることが多いです。
反対に秋冬衣料の場合はコートやジャケットの裏地によく使われています。
ドレープ性に優れている…
滑らかで柔らかいレーヨンは、ドレープ性にも優れています。
ドレープ性とは生地がどれだけ優美に自然にたるむかを示す特性のことです。
レーヨンは身に付けたときのドレープが美しく、光沢をより一層上品に見せてくれます。
レーヨンは家で洗える?

レーヨン素材の衣類を家で洗った時こんな経験はありませんか?
・シワが目立ってきた
・衣類全体が重い(湿気を含んでいる感じがする)
・光沢感が無くなった
これらの衣類トラブルは間違った洗濯方法が原因。
確かにレーヨン素材の衣類を家庭で洗濯することは可能です。
ただ間違った洗い方をしてしまうと再生不可能な状態になることが多いのも事実。
レーヨンは化学繊維ではありますが、原料が天然植物由来のため水や湿気に弱く、レーヨン衣料の多くは洗濯表示で「水洗い不可」や「手洗いマーク」が付いています。
そのため家庭でレーヨンを洗濯する時は、事前に洗濯表示を確認するようにしましょう。
レーヨンを家で洗う方法
レーヨンはとても水に弱い素材です。
そのため、短時間で洗い終えることがポイント。
洗いとすすぎは1~2分以内を目安に済ませましょう。
洗濯機で洗う場合
レーヨン素材の服を洗濯機を使って洗う場合は、以下の手順で行いましょう。
1.洗濯ネットに衣類を入れる
2.洗濯機のコースは「弱い」を選択
3.洗濯用洗剤はおしゃれ着用を使う
4.脱水は30秒~1分が目安
レーヨンは、コットン以上にデリケートな素材なので、衣類がダメージを受けにくい目の細かい洗濯ネットに入れるのがポイントです。
洗濯機によってコースは違いますが、弱水流の「ドライコース」や「おしゃれ着コース」で洗うことをおすすめします。
手洗いする場合
レーヨンを家で洗いたいけど、洗濯機を使うのは怖いという方は手洗いがおすすめ。
手洗いする時は次の手順で洗いましょう。
1.バケツに洗濯用洗剤とぬるま湯を入れる
2.洗濯ネットに衣類を入れて押し洗い(約2分)
3.バケツの水を取り替えて泡が無くなるまで濯ぐ
4.洗濯機で30秒~1分脱水する
手洗いする時も服は必ず洗濯ネットに入れるようにしましょう。
また薄手の衣類の時は無理に洗濯機で脱水せず、バスタオルで衣類を挟んで水気を取るだけでも十分です。
強い力が加わるとレーヨンの繊維がダメージを受けてしまい、型崩れの原因に繋がるので注意しましょう。
洗濯する時の注意点

ここまで見ていただいたらわかる通りレーヨンは非常にデリケートな素材。
洗うにも注意するべき点がたくさんあります。
水に弱い…
レーヨンは水に弱く、水洗いで縮む恐れがあります。
また、水分を吸うと強度が落ちるため、洗濯をするときは細心の注意を払いましょう。
熱に弱い…
熱にも弱いレーヨンは乾燥機やアイロンを使用する時も注意が必要です。
ポリエステルのように発火性はありませんが、乾燥機の使用は控えましょう。
アイロンを使う場合も変色や変形に注意してください。
シワになりやすい…
レーヨンはとてもシワになりやすい素材。
水洗い可能な物でも脱水は短時間にしましょう。
干し方に注意…
レーヨン素材の服は直射日光の当たらない場所で干すのがポイント。
吊るし干しか平干しかは、洗濯表示を見て判断してください。
間違った干し方をするとシワがついて直らないこともあるので注意が必要です。
保管方法にも注意が必要…
レーヨンは洗濯後そのまましまっておくと縮みや生地全体の重みを感じやすいです。
水に弱いため、保管中の湿気でも縮みや型崩れを起こすことがあります。
レーヨンの良さを保つためにも、除湿剤や防虫剤と一緒に保管するのがおすすめ。
長期保管の場合は、ジッパー付きの袋など湿気の影響を受けにくい環境でしまっておくのもいいでしょう。
まとめ

レーヨンは高い通気性と吸水性から夏に最適な素材の一つです。
軽くてサラサラとした肌触りはじめっとしがちな日本の夏にピッタリ。
その一方で、水や熱に弱くデリケートな一面もあります。
今回、家庭で洗う方法をお伝えしましたが、無理に洗おうとはせずクリーニング店に持ち込むのがおすすめです。
素材にあった付き合い方で、大切なお洋服を長持ちさせましょう。
