「衣類乾燥除湿機…?除湿機とは違うの?」と疑問に思う方もいらっしゃると思います。
私自身もおすすめされ使い始めるまで衣類乾燥に特化した除湿機の存在は知らずにいました。
が…使ってみての感想は◎
縦型洗濯機の救世主で、部屋干し派の方々に重宝されており、近年需要が高まっている衣類乾燥除湿機!
今回の記事ではタイプ別の特徴などを解説していきます。
除湿機の需要と移り変わり
除湿機という家電は随分前から存在していて、日本国内で初めて家電向けの除湿機が発売されたのは1967年。
その当時の除湿機は家の中の湿気対策が目的だったそう。
風通しの良い日本家屋から、気密性の高い洋風家屋へ移り変わっていくなかで生じてきた部屋の湿気、結露、カビの発生を抑えるためにできた家電だったようです。
それから家屋の建築方法も変化していき、外気の入れ替えをしっかり行える設計が一般的になり、室内の湿気が気になる家屋も以前ほどはなくなってきました。
その頃から除湿機の需要も低下してきましたが、近年、部屋の湿度を下げるという目的から、部屋の中を乾燥させ、衣類を乾かすという「衣類乾燥除湿機」という役割に変わり除湿機の存在が見直されるようになりました。
そして、コロナ禍の3年で、洗濯物を部屋干しする家庭が増えたこともあり、ここ数年で特に衣類乾燥除湿機のニーズがさらに高まってきました。
部屋干しで洗濯物がなかなか乾かない原因
一年中部屋干し派という方は部屋干しのコツをご存知かもしれませんが、雨の日や冬場のみ部屋干しといった方はなかなか洗濯物が乾かなかったり、毎回部屋干し臭が気になったり…といったお悩みがあるのではないでしょうか。
これらにはいくつか原因があります。
・部屋の湿度
湿度とは空気が水蒸気を含む割合のこと。
これが高いと空気中の水分量が多くなり、洗濯物に含まれる水分が蒸発しにくくなるため、乾きにくくなります。
・部屋の気温
気温が高い夏に比べて、気温の低い冬は洗濯物がなかなか乾きにくくなります。
乾燥しているはずの冬に洗濯物が乾きにくいのはこのためです。
・空気の流れ
部屋干しの閉め切った空間では蒸発のスピードが遅いため、雑菌が増えて生乾きの原因に。洗濯物に風を当てることで水分の蒸発スピードが上がるため、空気を送ることが重要です。
〜そこで!部屋干しの救世主の登場です〜
除湿機と衣類乾燥除湿機
どちらも除湿するという基本の性能は同じですが、衣類乾燥除湿機には「衣類乾燥」というモードがあり、洗濯物を効率的に乾かすための送風機能が備わっています。
除湿機→除湿機能のみ
衣類乾燥除湿機→除湿機能に加え、衣類乾燥の機能、送風機能が搭載
衣類乾燥機能の動きをカンタンに説明すると…
衣類に風を当て、洗濯物の水分を飛ばしてから空気中の水分を取り除くため、部屋干し臭がする前に乾燥させることができるといったもの。
除湿機は部屋の湿度をコントロールしたり、湿度の高い場所の湿気取りに使用される家電で、特に梅雨時期などは需要が高まります。
湿気を取り除くニーズのみであれば除湿機を使用しますが、衣類乾燥にも使用したい場合は「衣類乾燥除湿機」がおすすめです!
除湿機を使わずに部屋干しした場合、部屋の湿度は10%〜20%ほど上がるそうです。
梅雨時など時期によっては洗濯物がなかなか乾かないことが想像できます。
カビや結露の原因、乾燥に時間がかかることで、あの不快な生乾き臭も…。
洗濯物の乾燥時間の短縮、部屋干し臭などのニオイ対策の他、部屋の除湿能力も高い衣類乾燥除湿機はとても重宝する家電です。
衣類乾燥除湿機3つのタイプ どれがおすすめ?
この衣類乾燥除湿機にはコンプレッサー式/デジカント式/ハイブリット式の3つのタイプがあります。
「〇〇式って一体…?」それぞれの長所・短所をまとめていきます。
コンプレッサー式
エアコンの除湿と同じ仕組みで、湿った空気を冷却器で冷やすことで、湿気を水に変えることができます。
水滴になった湿気は水タンクに溜まっていきます。
ヒーターを使用しないため、室温の上昇を抑えられ、夏でも部屋が暑くならないのが特徴です。
メリット
・ヒーターを使用しないため消費電力少なく、電気代も安い
・気温の高い夏場に強く、除湿能力が高い
デメリット
・コンプレッサー内臓のため運転音が大きく重い
・気温の低い冬場に弱く、除湿能力が落ちる
※一般的に冬場に弱いと言われているコンプレッサー式ですが、室温が低く内部に霜が発生した場合に自動で霜取りしてくれる機能があるものもありオールシーズン使用可能な機種もあります。
デシカント式
フィルターに吸着させた水分(乾燥剤が水分を吸収)をヒーターを使って暖め、熱交換器内で冷やし、水滴に変えて除湿します。
ヒーターで暖かい空気を作ることで寒い冬でも除湿することができます。
メリット
・ヒーターを使用するため、冬場でもしっかり除湿できることから冬場に強い
・コンプレッサーを内蔵していなく、シンプルな方式のため、軽量でコンパクトな製品が多い
デメリット
・ヒータを使用することから消費電力が大きく、電気代が高め
・部屋の温度が上がるので夏場は暑くなる
(使用状況にもよりますが3〜8℃程度アップ)
ハイブリット式
コンプレッサー式とデシカント式の両方を兼ね備えたタイプ。
夏はコンプレッサー方式、冬はデシカント方式で除湿するため、効率よく電気代を抑えて運転することができます。
しかし、サイズが大きく価格が高価な製品が多いのが特徴です。
メリット
・コンプレッサー式とデシカント式を使い分け、効率よく除湿できる
デメリット
・本体価格が高め
・サイズが大きく重い
各々にメリット・デメリットがありますが、梅雨時期や夏の使用であれば、コンプレッサー式、寒冷地にお住まいの方や、一年中部屋干しという方はデシカント式やハイブリット式がおすすめです。
衣類乾燥除湿機、効率の良い使い方
衣類乾燥を早く、効率よく行うためには、「風を洗濯物に当てる」「室温を上昇させる」「部屋の湿度を下げる」ことが大切です。
早く乾かすことで、ニオイの元になる雑菌の繁殖を抑えることができます。
目標は5時間以内!
部屋を閉め切り、適度に間隔をあけ、干した洗濯物に風が上向きに当たるように衣類乾燥除湿機を設置することでより効果的に乾かすことができます。
衣類除湿乾燥機の設置は洗濯物から50cmほど離れた場所に設置するのがおすすめですが、厚手の衣類の場合は真下に設置することで乾きやすくなります。
下に早く乾かすためのポイントと注意点を載せているので活用してください!
・除湿機を使用する際は、狭い部屋で扉を閉め切って使うほうが断然早く乾く
※浴室や脱衣場などを使用することでさらに乾燥の時短になるほか、浴室のカビ対策にもなるのでおすすめです
・乾きにくい厚手の衣類や洗濯物が少ない場合などは特に下の方に当てるとよい
※水分は衣類の下の方に溜まっていくため洗濯物の下から風が上向きに当たると○
同じ洗濯物、同じ洗濯量でも除湿機の置き方によって約30分ほど乾燥時間が変わることも。
・室内干しの量が多い場合は、サーキュレーターや扇風機などを使って風をまんべんなく当てて水分を飛ばす
衣類乾燥除湿機を床のぬれた浴室内で使用すると、故障や事故の原因になります。床は乾いた状態で使用しましょう。
実際の使用感
浴室や6畳の部屋でコンプレッサー式の衣類乾燥除湿機を使用していますが、狭い浴室のほうが早く乾きます。
洗濯物が多い場合や、寝具などの大物洗いの場合は部屋干しし、衣類乾燥除湿機+サーキュレーターや扇風機を使用しています。
衣類乾燥除湿機とあわせて風を送るこれらを一緒に使用することで、乾燥の時短になっていると実感しています。
衣類乾燥除湿機を使い始めるまでは浴室乾燥を使用することもありましたが、乾燥に時間がかかる印象と電気代も…ということから衣類乾燥除湿機派に!
今ではすっかり洗濯乾燥の必需品です!
衣類乾燥除湿機の乾燥時間は?気になる電気代は?
約2kgの洗濯物(大人1日1人分の洗濯物はおよそ1.5kg)を通常部屋干しした場合と、衣類乾燥除湿機を使用した場合とでは乾燥時間が約5分の1にまで短縮できるというデータがあります。
また、約4kgの洗濯物を扇風機のみを使用して部屋干しした場合は、10時間経過しても乾ききっていなかったものが、衣類乾燥除湿機を使用して、2時間経過した時点で半分以上、4時間後にはあともう少し、6時間後にはカラッと乾いていたいうデータも。
扇風機で乾かすよりも断然早く乾かすことができ、夜に干したのに翌朝になっても乾いていない…なんてことも解消できます。
次に気になる電気代ですが、コンプレッサー式は省エネな製品が多く、1時間あたり約5円前後の電気代で済みますが、冬場に除湿能力が下がるため、使用時間が長くなり一年中使用すると電気代が高くなることも。
デシカント式はヒーターを使用するため、1時間あたり約10円の電気代がかかります。
ハイブリット式の電気代は8円〜20円と使用するモードによって差があり、素早く乾かすほど高く、おまかせモードが一番安く使用できるようです。
1時間あたりの電気代はコンプレッサー式が安く、デシカント式の電気代が高くなることが分かります。
※使用環境や使用するモードにより電気代の変動があるため、参考までの金額となります。
様々な機能
メーカーによりさまざまな機能が搭載されています。
サーキュレーターや温風ヒーターを搭載したもの、幅広範囲に風を送ることができるパワフルなもの、ニオイや花粉の抑制効果があるもの、静音機能の付いたものなど。
※デシカント式の衣類乾燥除湿機にサーキュレーターが搭載されたものは部屋干しの乾燥時間を大幅に短縮し(自然乾燥と比較すると約5分の1に短縮)風が強いので大量の洗濯物や、シーツなどの大物洗いにも最適。
※温風ヒーターを搭載したものは速乾効果が高く冬場でも活躍する製品です。
まとめ
コスパ派のコンプレッサー式と、通年派のデシカント式、ハイブリット式。
値段は上がりますが、ハイブリット式はデシカント式とコンプレッサー式のいいとこ取りができますね。
使用環境に合った衣類乾燥除湿機で、毎日の洗濯物を効率よく乾かしていきましょう。
最後に‼
補足となりますが、結構重量があるので、スムーズに移動させる事ができるキャスター付きがおすすめです!