夏祭りや花火大会などで活躍する浴衣ですが、皆さんは浴衣を着たことはありますか?
夏の暑い時期に最適ということもあり、普段着として着られている方もいらっしゃるかもしれません。
今回は夏の風物詩ともいえる浴衣のクリーニングについてお話しします。
お店に頼むときの話から、家庭での洗い方まで紹介しているので、ぜひご覧ください。
クリーニング頻度
シーズン中に1~3回程度の少ない着用で、目立つしみや汚れが無い場合は、最後の着用が終わり来シーズンまで保管するというタイミングでクリーニングへ出すといいでしょう。
汚れやニオイがひどく家庭で対処できない場合は1回の着用でもクリーニングに出すのがおすすめです。
着用後に家庭で洗濯し、それから着ていない浴衣もシーズンが終わり保管する時はクリーニングに出すのがおすすめです。
保管前に汚れをきれいに落とすことで黄ばみやシミ汚れの浮きを防ぐことに繋がります。
浴衣クリーニングのタイミングは、一概に「今」というタイミングが無いので、着用回数や着用予定、汚れに応じて判断してください。
浴衣クリーニングにかかるコストや注意点
クリーニングに出すタイミングはわかったけど、料金や納期がわからない事には頼みづらい…。
そんな方のために浴衣クリーニングのコストの目安をご紹介します。
また、お店にクリーニングを頼む際に注意した方がいい点も載せているので併せてご覧ください。
コスト
料金は1,000~3,000円程度で納期は1~2週間が目安です。
和服クリーニング専門店だと少し値段が上がって3,000~6,000円程度になります。
納期の方は10日~1か月と大幅に伸びることが多いです。
注意点
基本的に浴衣はどこのクリーニングでも受けていますが、絞り浴衣や帯などは受けていないことがあるので事前に確認しておくといいでしょう。
また、最近では宅配クリーニングでも浴衣を預かるお店が出てきました。
その際は集荷中に衣類を入れた容器が濡れることもあるので、浴衣だけ別袋に入れるなどして、移動時の色移り対策を知ることが大事です。
浴衣の色落ちは国家資格の「染色補正技能士」の資格保有者が対応できます。
「染色補正技能士」が在籍しているお店であれば安心して、浴衣クリーニングを任せることができますね。
浴衣は家庭でも洗えるか
浴衣は家庭でも洗濯可能な綿やポリエステル、レーヨンなどの素材でできているものが多いです。
そのため基本的には自宅で洗濯することが可能です。
最近は「洗濯機でも洗える浴衣」が多数販売されており、家庭でも簡単に洗える物が増えてきました。
ただ、すべての浴衣が自宅でも洗濯可能なわけではないので、必ず洗濯表示を確認してから洗濯を行ってください。
頻繁にクリーニングに出すと料金がかさむので、普段は家庭で洗いシーズンオフの際だけクリーニングに出すというのもおすすめです。
家での洗い方
家庭で浴衣を洗う場合、洗濯機を使う方法と手洗いの2種類があります。
浴衣の素材で多い綿やポリエステルは洗濯機でも洗える素材なので、ここでは洗濯機を使う方法をご紹介します。
【用意するもの】
・おしゃれ着洗いができる中性洗剤
・染み抜きに必要なクレンジングオイルや中性洗剤
・洗濯ネット
・のりスプレー
・アイロン
【手順】
1.浴衣についている洗濯表示を確認
洗い方や素材だけでなく水温までしっかりと確認しましょう。
洗濯機のマークがついているものは基本的に家庭でお洗濯OKです。
綿やポリエステルは洗濯可、麻も洗えるが縮みやすいのでクリーニングがおすすめ。
表示がない浴衣に関しては購入したお店などに確認するようにしましょう。
2.色落ちしないか確認
色落ちの確認方法は中性洗剤を染み込ませた白い布を浴衣の目立たないところに擦り、白い布に色移りしていなければ自宅での洗濯が可能というものです。
染料によって色落ちのしやすさが変わってくるので確認は入念に行ってください。
特に色の濃い浴衣や柄物の浴衣は色落ちしやすい傾向にあるので要注意です。
下記に詳しい色落ち確認方法を載せているのでぜひ参考にしてください。
【実際に色落ちしやすいのか確認する方法】
1.白い布に中性洗剤を含ませる
(古くなったタオルなど汚れてもいいものでOKです)
2.白い布で丁寧に浴衣生地をたたき中性洗剤を馴染ませる
(浴衣の目立たないところで試すようにしましょう)
3.布に浴衣の色が移っていないかどうか確認して、色が移っていなければOK
移っていた場合は色落ちしやすい浴衣なのでクリーニングに出すのがおすすめ
3.シミの前処理
浴衣にシミがある場合は先にシミ抜きを行います。
どのシミ抜きでも事前に色落ちしないか確認してから行ってください。
ファンデーションの汚れはクレンジングオイルを塗って歯ブラシなどで優しく一定方向に擦りすすぎます。
食べこぼしや飲みこぼしの場合は中性洗剤を塗って歯ブラシで優しく擦りすすぎます。
泥や土汚れはドライヤーなどを当てて付着した泥土をしっかり乾燥させます。
乾燥したら歯ブラシなどで払い落として固形石鹸を付けて歯ブラシで優しく擦ってから水ですすぎます。
いずれの方法も歯ブラシで優しく一定方向に擦ることを心掛けてください。
強く擦ることでその部分の生地が傷んでしまったり、色落ち、変色の原因になります。
上で処理してもシミが残るときは自宅での洗濯は困難なので、クリーニングに出して綺麗にしてもらいましょう。
4.洗濯機で洗う
染み抜きが終わったら浴衣をきれいにたたみ洗濯ネットに入れて洗濯をします。
洗濯はドライコースなどの優しく洗うコースを使ってください。
浴衣を入れたネットに余裕があると洗濯機の勢いで浴衣が崩れるので、畳んだ浴衣がジャストサイズで入る大きさのものを使います。
洗剤はおしゃれ着洗いができる中性洗剤を使用してください。
粉末洗剤はドライコースなどで使うと溶け切らず浴衣に付着して、色落ちなどを引き起こす危険があるので使わないようにしましょう。
脱水は短めに行い、目安は30秒~1分程度です。
浴衣はシワが付きやすいため長めの脱水はシワの原因になります。
5.洗い終わった浴衣を干す
洗濯が終わったらすぐに干しましょう。
干す時は、着物用ハンガーを使うか、物干し竿に両袖を通して干します。
場所は風通しのいい日陰で目安は半日から1日です。
この時に手で軽くたたいて、しっかりシワを伸ばしておくと、その後の仕上がりがきれいになりアイロンがけもラクになります。
退色の原因になるので直射日光はNGです。
時間帯によって日の差し方が変わってくるので気を付けましょう。
6.浴衣のアイロンがけ
浴衣が乾いたらシワを取り除くためアイロンがけをしましょう。
その際にのりスプレーを使うとパリっと仕上がります。
浴衣の洗濯表示を確認してアイロンの温度設定を行います。
浴衣は直線縫いのみで出来ているため、アイロンも直線に動かせばOKです。
サイズが大きいので家庭でアイロンがけするときは少しずつ浴衣をずらしながらかけます。
アイロンは「襟→背中→前身ごろ→そで」の順にかけると綺麗に仕上げることができますよ。
アイロンをかけシワが取れたら「本だたみ」して保管します。
その際は「たとう紙」や「着物専用保存袋」を使いましょう。
これらを使うことで、ニオイや湿気、カビから浴衣を守ってくれます。
※ただし、たとう紙は湿気を吸ってカビを発生させることもあるので、定期的に交換してください。
また、たとう紙を使って保管する場合は着物専用の防虫剤を入れて保管します。
まとめ
夏の暑い時期に活躍する浴衣のクリーニングについてお話ししました。
浴衣はコツさえつかめば家庭でも簡単に洗濯することができます。
その際は色落ちしないかしっかり確認しつつ、進めるようにしてください。
また、色落ちが心配な物や頑固なシミがあるものは無理をせずクリーニング店を頼りましょう。
しっかり汚れを落として浴衣を長く着続けていきましょう。