洗濯物を乾かすのに便利な乾燥機ですが、皆さん活用はしていますか。
正しく使わないと大切な衣類の縮みや傷みに繋がります。
そこで今回はどんな服が縮みやすいのかから、縮みの予防と改善方法まで丸っとご紹介します!
乾燥機で縮む理由
乾燥機にかけて服が縮む理由は2つあります。
「熱による繊維の収縮」と「回転による繊維の目詰まり」です。
熱による繊維の収縮
乾燥機は60~80度の熱風を当てながら洗濯物を急速に回転させています。
これによって水分が蒸発し衣類が乾くという仕組みです。
そのため熱に弱い素材だと熱風によって繊維が収縮するのです。
これが縮みの原因です。
回転による繊維の目詰まり
熱風をしっかり当てて水分を蒸発させるために、乾燥機の内部では洗濯物が激しく回転しています。
その回転の圧力で布地の繊維のすき間が詰まってしまう「目詰まり」が発生し衣類が縮むのです。
乾燥機に強い素材と弱い素材
同じように乾燥機にかけても衣類の素材や加工によって縮むもの縮まない物があります。
熱や圧力の耐性が弱いものに関しては1回乾燥機を使っただけでも縮むことがあります。
乾燥機をうまく活用するために知っておきたい縮みやすい素材と縮みにくい素材をまとめました。
乾燥機に弱い素材
天然素材
綿や麻、ウール、シルクなどの天然素材は一般的に熱に弱く、乾燥機にかけると熱風によって衣類が縮みやすくなります。
天然素材と化学繊維の混紡でも天然素材の割合が多い衣類の時は縮むことがあるので要注意です。
ナイロン・ポリウレタン・レーヨン
化学繊維は熱に強いというイメージがありますが、一概に強いわけではありません。
ナイロン・ポリウレタン・レーヨンの3種類は熱への耐性が弱く天然素材と同様、乾燥機にかけると縮むことがあります。
ナイロンはウィンドブレーカーやマウンテンパーカー、ポリウレタンは合皮のレザージャケットなどに多用されることが多いので乾燥機にかけるときは事前に確認しましょう。
また絹に近い質感のレーヨンはブラウスやカットソー、ワンピースに使われていることが多いです。
強撚糸を使った素材
強撚糸は通常よりも糸の「撚り」が強い素材の事です。
撚りが強いほど繊維の強度は増して水分の吸収性が高くなります。
他にもさらさらとした心地いい肌触りなのが特徴です。
撚りの強さによって「クレープ」や「ちりめん」など様々な種類に分けることができます。
いずれの場合も乾燥機にかけると型崩れを起こしやすい傾向にあります。
生地が薄い衣類や目が粗い衣類
薄い生地の衣類は回転の圧力に弱いため乾燥機にかけることで傷んでしまう可能性があります。
また、ニットなどのように目が粗い素材も乾燥機の高速回転で目詰まりを起こし縮む恐れがあるので注意です。
ラバーなどのプリント加工
表面にラバープリントなどの加工がある衣類は乾燥機内の摩擦や熱で加工部分がひび割れたり剥離する可能性があります。
プリントTシャツなどであればTシャツの生地そのものは乾燥機OKなことが多いですが、プリント部分の劣化が不安なら乾燥機の使用は避けた方が無難です。
ビーズや刺繍などの装飾がある衣類
ビーズやスパンコール、細かい刺繍なども乾燥機には弱いです。
他の衣類との摩擦や乾燥機の回転で破損することがあります。
乾燥機に強い素材
乾燥機にかけても縮みにくい素材もあろます。
100%縮まないとは言い切れませんが、次のような素材の衣類は縮みにくいので参考にしてみてください。
ポリエステルやアクリル
ポリエステルは熱や摩擦に強く乾燥機に入れても縮む心配がありません。
アクリルも縮みにくいですが、摩擦によって静電気が起きやすいという性質があります。
静電気が気になる人は柔軟剤を入れるなどして対応しましょう!
また、縮む可能性がある素材でもタオルやシーツなどであればあまり縮みは気にならないでしょう。
「多少の縮みであれば許容できるよ」という方は、人の目に触れることが少ない部屋着や下着にも乾燥機を使っていいでしょう。
乾燥機NGな衣類の見分け方
乾燥機に対する素材ごとの耐性を紹介しましたが、それだけで乾燥機の使用を判断するのは危険です。
天然素材と化学繊維をどちらも使った衣類や特別な加工がされている衣類もあるためです。
乾燥機にかけても大丈夫かはそれぞれの衣類の洗濯表示をチェックすることが大事です。
洗濯表示には「自然乾燥」と「タンブル乾燥」がありますが、乾燥機の使用方法に関しては「タンブル乾燥」のマークを確認しましょう。
※洗濯表示マークは2016年の11月から新しいものに変更され、それ以前の製品にはタンブル乾燥マークの表示がありません。
四角の中に丸が描かれたマークで、コインランドリーの洗濯機のようなデザインです。
細かく見ていくとタンブル乾燥マークには下記の3種類があります。
縮み防止方法
洗濯表示が変更以前の衣類や手作りの衣類だと洗濯表示がないこともありますよね。
また、洗濯表示のマークがあっても乾燥機にかけても大丈夫か不安なものもあったり…。
そんな大事な衣類の縮みを予防する方法を2つご紹介します。
乾燥機で乾かす時間を短くする
縮みが心配な場合は乾燥機で乾かす時間を短くするのが効果的です。
乾燥機で最後まで衣類を乾燥させるのではなく20~30分で取りだしてください。
熱風にあたる時間や、回転の圧力がかかる時間が減ることで縮みも低減できるためです。
最後まで乾燥させていないので衣類は生乾きの状態ですが、温まっているため通常通り干すより早く乾かすことができます。
乾燥機からはすぐに取り出す
乾燥機に衣類を入れたままにしない事も大事です。
乾燥させた衣類は乾燥機内で冷えていく過程でも縮んでしまいます。
なので乾燥が終わった衣類はすぐに取り出すようにしましょう。
取り出した衣類は形を整えてハンガーにかけておくのがおすすめです。
衣類にまだ熱があるうちに形を整えることでシワを減らすこともできますよ。
洗濯物が縮んでしまった時
間違って縮む素材の服を乾燥機に入れた場合や注意して乾燥機にかけたのに縮んでしまった場合に使える方法をご紹介します。
完全に元通りにならないこともありますが、改善が期待できるので試してみる価値ありです。
再度濡らして形を整えて干す
縮んだ衣類に霧吹きで水をかけるか、アイロンのスチームを使うかして十分に湿らせましょう。
次に衣類を引っ張りながら形を整えてください。
強く引っ張りすぎないように少しずつ元の形、元の大きさに近づけるようにして形を整えるのがポイントです。
この時に強く引っ張っりすぎてしまうと型崩れの原因になるので注意してください。
最後に形を崩さないようにして日陰で乾かすと縮みが改善します。
濡れると膨らむ性質のある綿素材の衣類などは特に効果が期待できる。
トリートメントを使う
ヘアケアに使うトリートメントには「ジメチコン」と呼ばれるシリコン成分が含まれており縮んだニットを戻すはたらきがあります。
ぬるま湯を張った洗面器にトリートメントを1プッシュ程度入れて溶かします。
しっかり溶けて混ざったら縮んだニットを入れて全体を液に浸してください。
その後、手で軽く押して水分をきります。
形を整えて風通しの良い所で平干ししましょう。
ジメチコンはすべてのトリートメントに含まれているわけではないので使用前に成分をしっかり確認することが大事です。
まとめ
素材や注意点など乾燥機に関するお話しをしました。
乾燥機を利用する際は素材と洗濯表示をチェックすることが大事ですね。
縮みの予防方法や縮んでしまった時の対処法なども併せて、日々のお洗濯に生かしてみてください!
衣類に適した乾燥方法で大事な衣類を守りましょう!