花粉

春の厄介者花粉                   ~家庭で出来るひと手間対策~

春が近づくにつれ対策が必要になってくるのが…そう、花粉です!

早いところでは2月から花粉が舞い、くしゃみや鼻水の症状に悩まされている人も少なくありません。

花粉症の人の中には「家に帰るとくしゃみが止まらない」、「スーツを着ると鼻詰まりがひどくなる」と特定の状況で症状が悪化する方もいます。

これは花粉が服について家に入ってきたり、花粉が付着したスーツを着用したためだと思われます。

そこで今回はつらい症状を軽減するためにも衣類に花粉が付着することを防いだり、付着した花粉を除去する方法をお話ししたいと思います。

花粉が服につく理由

そもそも花粉が衣類に付着する原因はいくつかありますが、その中でも大きな原因となる2つについてご説明します。

静電気

衣類同士もしくは衣類と持ち物による摩擦が起こるとそこに静電気は発生します。

静電気は花粉を吸い寄せて付着量を増やしてしまいます。

特に摩擦や静電気が起きやすい場所は花粉の付着量を増えます。

同じ衣類でも静電気が発生している(帯電している)かで、花粉の付着量が倍になったりもするんですよ。

麻や綿などの植物繊維は静電気が起きにくいので、静電気対策にはもってこいの素材ですよ。

静電気の発生は衣類の素材の組み合わせでも変わってきます。

プラスとマイナスの素材の組み合わせの方が、同じプラス(マイナス)の組み合わせより静電気が発生しやすいのです。

例えば、アクリル(マイナス)ナイロン(プラス)の組み合わせとアクリル(マイナス)・ポリエステル(マイナス)の組み合わせだったら、前者の方が静電気を発生させやすくなります。

素材ごとの帯電しやすさ

衣類の素材

花粉が付着する原因として衣類の素材もあります。

もう少し細かく言うと繊維の凹凸が大きくかかわってきます。

ふわふわザラザラとした素材は花粉が付きやすくツルツルとした素材は花粉が付きにくいです。

特にウールでできた服は生地表面の凹凸の中に花粉が入りこむため一度付着すると落とすのも難しいです。

反対にポリエステルやナイロンのような生地は花粉が付きにくく落としやすいです。

綿の花粉付着率を100とした時、化繊は180、ウールは980とウールは綿の約10倍も花粉付着がしやすいとも言われています。

下のグラフは実際に各素材の衣類などを外に放置した場合の付着数を表したグラフです。

ウールのコートが群を抜いて花粉が付きやすいというのがわかりますね。

<花粉が付着しにくい衣類>
凹凸が少ない生地でできた衣類
(トレンチコート、ジャンパー、トレーナー、チノパン等)


<花粉が付着しやすい衣類>
毛羽や凹凸がある生地でできた衣類
(ウールのコート、セーター、コーデュロイのパンツ等)

花粉を付着させないために

花粉の付着は完全に防ぐことはできませんが、抑えることはできます。

下の3つは花粉付着を抑えることができる方法になります。

静電気防止スプレー
外出前、衣類に静電気防止スプレーをしておきましょう。

特にかばんや他の衣類とこすれる部分にしっかりスプレーしてあげましょう。

裾などは表だけでなく裏も忘れずにスプレーしてあげてくださいね。


花粉が付着しにくい衣類を選ぶ
化学繊維の衣類や綿などの服を選ぶようにしましょう。

スーツであれば花粉が付きにくいポリエステルのスーツもたくさん販売されているので何着か持っておくといいですね。

ポリエステルのスーツは家庭で洗えるものもあるのでそういったものを選ぶのも◎


静電気の起きにくい衣類の組み合わせにする
衣類の組み合わせも静電気発生に大きくかかわってきます。

「ポリエステル」と「アクリル」や「ナイロン」と「ウール」は静電気が発生しやすい組み合わせなので注意が必要です。

綿などの植物繊維は静電気が発生しにくいのでコーディネイトに取り入れるのにおススメです。

洗濯による花粉対策

花粉対策と洗濯は深い関係にあり、実はひと手間加えるだけで洗濯物を干す前から花粉の付着を抑えることができます。

そもそも花粉が付着するのは静電気が発生して花粉が引き寄せられているからです。

この静電気を抑えるカギが「柔軟剤」を入れることです。

市販の柔軟剤成分は、陽イオン系界面活性剤であることがほとんどです。

陽イオン系界面活性剤は、衣類の繊維を整えて肌触りを柔らかくしたり、滑らかにし、布の表面を整える効果があります。

繊維が整うことで繊維同士の摩擦が減り、静電気防止・抑止につながるのです。

洗濯機の種類別 柔軟剤の正しい投入方法

全自動洗濯機の場合】

柔軟剤自動投入口に柔軟剤を入れておくだけで、すすぎ段階で柔軟剤が自動で投入される仕組み

洗濯スタートボタン一つで簡単に柔軟処理が完了

二層式洗濯機の場合】

すすぎの水が綺麗になってきたら洗濯槽に柔軟剤を投入する

柔軟材を投入した後は2~3分ほど洗濯機を回す

手洗いの場合】

洗濯してすすぎまで終わったら、もう一度たらいに水を溜め柔軟剤を入れる

柔軟剤を良く溶かして洗濯物を3分ほど浸しておく


柔軟材のおかげで花粉が付きにくくなったとはいえ全く付かないわけではありません。

出来る事であれば洗濯物は部屋干しを心掛けましょう。

花粉付着を防ぐ重要なポイントになります。

外干しをするときのポイント

先述の通り花粉付着を防ぐためにも洗濯物は屋内に干す方がいいです。

ですが、大量の洗濯物があり屋内ではスペースが足りない時など、どうしても外干ししなければならない事もあるかと思います。

そんな時押さえておきたいポイントが以下になります。


洗濯の際は必ず柔軟剤を入れる
冒頭でもお話しした通り柔軟剤を入れるだけで静電気が発生するのを抑えられるので、花粉が洗濯物に付着しにくくなります。

屋内外問わず洗濯の際は必ず柔軟剤を入れましょう。


洗濯物はなるべく花粉が少ない時間帯に干す
夜から早朝までは1日の中で一番花粉の飛散が少ない時間帯と言われています。

夜帰宅してから朝5時くらいまでがおススメです。

反対に一日で一番気温が上がるお昼ごろは、花粉の飛散も多くなるので避けましょう。

夜に干す際は天気予報をしっかり確認して雨の降らない夜に干すようにしましょう。


取り込む際は手で軽く払う
洗濯物を取り込む際に手でサッと払う、このひと手間で付着した花粉をある程度落とすことができます。

この方法で取り込むと付着した花粉の40~60%を払い落とせるなんて言うデータもあるんですよ。

この取り込み方は決して気休めではないので、ぜひ活用してください。


乾いたら即取り込む
屋外に干す時間が長れば比例して付着する花粉の量が増えます。

予防のためにやってきたこともすべて水の泡になってしまいかねないので、乾いたと感じたらすぐに取り込むことを心掛けましょう。


掃除機を使って花粉を吸い取る
どうしても花粉が気になる際は、掃除機で外に干していた衣類やタオルなどの花粉を吸い取るのも有効です。

その際はノズルを掃除用から布団用に交換してください。

付着した花粉をすべて取り除くことはできないですが、アレルギーが特にひどい人や、花粉の飛散が多い日などはおすすめです。

このひと手間をやるだけで付着した花粉を大幅に取り除くことができますよ。

花粉症の季節のクリーニング

花粉の時期は何かと行事が多い季節。

お子さんの入学式、卒業式を始め入社式など大切な場面でくしゃみや鼻水が止まらないと大変ですよね。

そんな事態を予防するためにもクリーニングの活用をお勧めします。

メリット

綺麗に仕上がった服を着れる
フォーマルな場で着る服はご家庭では洗えない物の事がほとんどです。

洗えたとしても色落ちや型崩れのリスクがあります。

その点クリーニング店であればプロがその衣服に合った方法で仕上げてくれるので、きれいに整った衣服で行事に出席できますね。

春先はクリーニングも混みがちなので、行事直前に慌てることが無いよう余裕をもって準備しましょう。


衣類の状態にあったクリーニングで仕上げてくれる
クリーニング店では常に衣類の素材・形状・傷み具合・汚れの種類に合わせて最適な方法でクリーニングしてくれます。

もし気になる汚れや劣化がある場合は、クリーニングに依頼する際しっかりと伝えましょう。


大量に花粉が付着することが無い
クリーニングでは一日に多くの品物を仕上げています。

なので天候に左右される外干しは基本的に行いません。

清潔で温度管理のされた乾燥室や乾燥機を用い、衣類に合わせた乾燥作業を行ってくれます。

屋外に干さないことにより花粉が大量に付着することはまずありません。

クリーニングの最大の利点と言えば家庭では落とせないシミや汚れを取れることです。

クローゼットやタンスから久しぶりに出した衣類にシミができていた経験はございませんか?

特に礼服など年に数回しか着ないような服は汚れが発生していても気づきにくいものです。

そんな服もクリーニングに出せば安心ですね。

しかも先述の通り花粉が大量付着する可能性が低いので、花粉症の症状に悩んでいる人はぜひ利用してみてください!

日頃着るスーツのお手入れ

一日着用して花粉が付着したスーツのまま家に入ると、家中に花粉が舞うことになります。

花粉が付いていなかった衣類にも花粉が付着する為、家のどこにいても、どの服を着ても鼻詰まりに悩まされることになってしまいます。

それを防ぐためにもスーツについた花粉はしっかりと除去しましょう。


家に入る前に洋服ブラシをかける
外から帰ってきたとき服には大量の花粉が付いています。

花粉を家の中に入れないためにも、家に入る前の段階で洋服用のブラシをかけて花粉を取り除きましょう。

まずは、スーツを軽くはたいて花粉を落とし、それからブラシをかけます。

ブラシをかける際はまず下から上に向かってブラッシングをして、その後上から下に向かってブラシッングをします。

使うブラシは豚毛や馬毛を使った天然素材の柔らかいものがおススメです。


洗える素材であれば洗うのも効果的
多くは無いですがスーツの中にはご家庭で洗えるものもあります。

毎日ではなくても定期的に洗ってあげることで、花粉だけでなく汗や皮脂などの汚れも取り除けるので一石二鳥です。

もし、ご家庭で洗う場合は必ず洗濯表示を確認しましょう。


コロコロを使う
たたいても花粉は落ちますが、その際空気中に舞い上がってしまいます。

(なのでブラシ掛けなどは家の外でやるようにしてください!)

しかしコロコロであれば粘着部分でしっかりと花粉をキャッチしてくれるので舞う心配がありません。

但し素材によってはスーツの生地が傷むこともあるので様子を見ながら使うようにしてください。

まとめ

多くの人が春先に苦しむ花粉について、衣類に関する対策法をお話してきました。

日常の行動にほんのひと手間加えるだけで花粉対策になります。

ここで挙げた対策法は花粉だけでなく衣類の寿命を長続きさせることにも繋がるものばかりなので、花粉症の人に限らず試してみる価値ありです。


これから人の動きも多く忙しいシーズンになりますが、家庭でのお洗濯が難しい物はクリーニングに是非お任せください。

皆さんの快適な生活の一助になりますよ!

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