日常、私たちはさまざまな場面でタオルを使用しています。
汗を拭く、お風呂上がりに身体を拭く、トイレ・キッチンなどでの手拭き用など、日々の生活に欠かせないものですが、使用したタオルを何日も放置していませんか?
そこに潜む雑菌の数…それを知ってしまった今、溜めたタオルは週末にまとめ洗い!の習慣を変えざるを得ないかもしれません。
洗濯したのになぜか臭う…
タオルを干す時や取り込もうとした時など、臭いが気になったことはありませんか。
洗顔後のタオルが臭っていると、なんだか残念な気持ちになります。
他の洗濯物は臭ってないのにタオルだけが臭い…「洗濯したのになぜ…?」と思ってしまいますが、タオルには菌が繁殖しやすい理由があったのです。
使用したタオル、濡れたままのタオルをカゴの中に放置しませんでしたか?
菌はその環境がとても好き。
放置されたタオルに付着している汚れを栄養にどんどん繁殖し、その数6億個!
1日放置しただけでここまで増殖してしまうそうなので、想像しただけでゾッとしませんか。
臭いの原因は菌の排泄物
あの不快な生乾き臭を発生させていたのは「モラクセラ菌」です。
人間の体や生活空間に常在している菌で、直接的な害や臭いはないものの、”菌の出す排泄物”が臭いを放っていたのです。
微量だと臭いが気になることはほとんどありません。
しかし、人の汗や皮脂をエサに栄養を取り込み、臭いの元となる排泄物を出しながら増殖してしまうと…
洗濯しないまま5時間以上放置されたものは菌が急増、伴って排泄物も急増、そこからあのクサい匂いが放たれていたのです。
菌は湿った環境を好むことから、”湿気”と”汚れ(栄養)”の好条件が揃う「使ったタオル」は格好のすみかとなります。
特に夏場は気温や湿度も高く、雑菌が繁殖しやすい状態で、タオルに付着する皮脂や汗の量も増加するため、注意が必要です。
また、”お父さんのタオル”や”旦那さんのタオル”が特にニオイやすいと感じることはありませんか?
それは汚れのつきやすさに関係しています。
皮脂や角質が多く付着しているほど臭いが強くなり…
男性はお風呂上がりに体をゴシゴシ拭きがちで、角質が剥がれてタオルに付着しやすいことや、子どもや女性に比べて皮脂量が多いことが原因となっているようです。
しっかり洗った身体でも、誰もが汚れや雑菌は残っていて、タオルの表面に付着してしまうのです。
このように増殖していくモラクセラ菌は、活性化させる前の対策がカギとなりそうです!
すぐに洗濯できない時にやっておくこと
使用後のタオルはなるべく早く洗濯することが一番ですが、生活スタイルによってはなかなか難しい方もいらっしゃると思います。
そんな時の対策としてできることは、一旦通気性の良い場所に干し、水分や湿気を飛ばすために乾燥させておくこと!
モラクセラ菌を増やさなければニオイの発生は抑えられるため、洗う前に増やさないようにしましょう。
ニオイを抑えるためにすること
臭いの発生は、モラクセラ菌が増殖してしまうことから起こります。
モラクセラ菌が好む環境を作らないことや、なるべく早く乾かすことが大切です。
・洗濯後はすぐに干す、乾燥機を利用するなど、湿ったままの状態の時間をなるべく短くする
・干す時はタオルが重ならないよう間隔を開け、空気が通るようにするなど工夫する
・扇風機などを使用し、風を当てると早く乾かすことができる
・洗濯機自体が汚れていると、そのよごれがタオルに付着するため、定期的に掃除し、洗濯槽のカビや雑菌を除去する
・お風呂の残り湯には多くの雑菌や汚れが含まれニオイの原因になるため、すすぎには使用しない
柔軟剤に頼っていませんか…?
気になるタオルの臭い、「柔軟剤でいい香りに!」と思ってしまいがちですが、逆効果になってしまいます。
柔軟剤は繊維をコーティングする役割を持つため、タオルに付着した汚れが落ちにくくなってしまうのです。
さらに…繊維がコーティングされると吸水性が落ち、水分を吸いにくくなってしまいます。
柔軟剤でごまかさず、臭いの元から撃退していきましょう。
ここで気になるのが柔軟剤を使わない仕上がりですが、洗い方や干し方のちょっとしたコツでふわふわに仕上げることができます。
タオルを洗う時はたっぷりの水で泳がせるように洗い、干す時はバサバサと10回くらい振ってから干すことで、パイルが立ってふんわりと仕上がります。
実践してみてくださいね。
付いてしまったニオイを取ることはできる?
洗濯だけでは臭いの原因となるモラクセラ菌を取ることはできません。
また、乾燥や紫外線に強い特性を持ち、一度繁殖した菌は天日干しをしても死滅させることはできないのです。
何度洗濯しても、天日干しをしてもニオイが残ってしまうのはこのためだったのですね…
しかし、モラクセラ菌の弱点は高温!
60℃以上の温度で死滅するので、タオルに付着した臭いをリセットするには以下の方法をお試しください。
高温または酸素系漂白剤で撃退!
沸騰させたお湯で殺菌(煮洗い)
60℃以上のお湯で20分程度煮ることで菌が死滅します。
コインランドリーの乾燥機で殺菌
家庭用乾燥機に比べ、高温(70℃以上)のため、菌を死滅させることができます。
スチームアイロンで殺菌
高温の水蒸気を出すスチームアイロンを活用。
表面をアイロンがけすることで菌を死滅させることができます。
その後、洗濯をすることで死滅したモラクセラ菌を除去することができます。
※タオルの生地によっては、アイロンの熱を当てることでパイルを寝かせてしまい、フワフワ感がなくなってしまうので気を付けてくださいね。
酸素系漂白剤でつけ置き
酸素系漂白剤(粉タイプ)を使用し、一番効果を発揮してくれるという50度くらいのお湯に1時間程度つけ置きすることで除菌することができます。
タオルの寿命
タオルは年一回の買い替えを推奨されていることをご存知ですか?
使用頻度が少なくもっと長く使っているという方、頻繁に使っているけど年一回は替えていないという方もいらっしゃると思います。
タオルの買い替え頻度を調査した結果では、”一年での買い替え”が最多のようでした。
タオルの寿命は「肌触り」「吸水力」「ニオイ」の3つを判断基準としましょう。
一般的には約1年で寿命と言われているタオルですが、濡れたまま放置することでさらにタオルの寿命を縮める原因にもなってしまいます。
繁殖した雑菌が繊維を傷つけてしまうことで肌触りがゴワゴワする、嫌なニオイが取れなくなるなど。
(お湯や酸素系漂白剤でつけ置きしても消えない)
これらが気になってきたら買い替えのタイミングです。
寿命を超えてタオルを使い続けることで、肌に悪影響を及ぼすことがあります。
吸水性の落ちたタオルで肌を拭くと、強くこすってしまいがちなことから肌の角質層を傷つけ、乾燥や雑菌から守る役割を持つ角質層の保護機能が低下してしまいます。
思いきって買い替えてみてはいかがでしょうか!
抗菌タオルのおすすめ
毎日使うタオルに抗菌タオルを取り入れてみることも、清潔に過ごせるアイテムの一つとなりそうです。
そもそも抗菌とは…?
抗菌加工製品ガイドラインによると、製品の表面の細菌繁殖を抑えることと定義されているものです。
”抗菌タオル”や”抗菌防臭加工”と表記されたタオルは、繊維上の細菌の繁殖を抑制する加工が施されていて、部屋干ししても雑菌が繁殖しにくいなどの効果が期待できます。
抗菌・防臭機能に優れたタオルは、洗面台やキッチンなどの水回りやスポーツシーン、寝室など清潔感が気になる場所での使用におすすめされています。
その効果の持続は、加工の方法によって異なります。
完成したタオルを薬品に浸して抗菌加工を行ったものは、洗濯することで徐々に効果がなくなっていくようです。
しかし、抗菌防臭効果のある糸を織り込んでいるものは、繰り返しの洗濯にも強く、100回洗濯しても効果が持続するなど、長く使うことができそうです!
あの不快なニオイを防いでくれるので、気持ちよく使うことができそうですね♪
薄いタオルのおすすめ
すぐに乾く薄手のタオルは菌の繁殖を抑え、清潔に使うことができます。
夏場は湿気も多く、汗や皮脂など菌が好む条件揃い!
厚手のタオルはニオイの原因になる雑菌をあっとゆう間に繁殖させてしまうことも…
洗濯しやすく、乾きやすいというメリットを持つ薄いタオルはおすすめです!
粗品でいただくことのあるあのタオル、薄手ですぐに乾くものが多く意外と重宝します。
ご自宅にたくさん眠っているという方は、この機会に封を開けてみてはいかがでしょうか☺️
まとめ
タオルに潜むモラクセラ菌は湿気や皮脂などの汚れ環境を好みます。
使ったタオルはできるだけ早く洗濯する、洗濯後はなるべく早く乾かすなど、とにかく湿っている時間を短くすることが雑菌を増殖させないポイントとなります。
いつも清潔で気持ちの良いタオルを使うことができるよう心がけていきましょう!