以前、学生服のクリーニングについて記事を出した際、月に1度はクリーニングに出すのがおすすめと紹介しました。
ですが実際はその頻度でクリーニングに出すとなると時間の面でも料金の面でも大変ですよね…。
「家でも学生服が洗えたらな~」と、思った方もいるかもしれませんが、実は学生服は家庭でも洗うことができるのです。
そこで今回は学生服を洗う方法や綺麗に保つコツをご紹介します!
学生服は家庭でも洗える
基本的には大体の学生服は家庭で洗うことができます。
それでも、大前提として洗う前は必ず洗濯表示ラベルを確認しましょう。
洗濯表示ラベルは上着なら内ポケットや裏部分にある事が多いです。
ズボンであれば後ろポケットの中、スカートはファスナー付近の裏についていることが殆どです。
洗濯表示ラベルはどの制服にも必ずあります。
学生服は上下セットだからと思わず、1点ごとにラベルを確認しましょう。
洗いに関する洗濯表示
下記マークは「洗濯機洗いが可能」を表しています。
洗濯表示は2016年12月から変わり今では右側の「たらいを模したマーク」が主流です。
ただ、製造が変更以前の物には左側の「洗濯機を模したマーク」で表示されています。
マーク内にある数字は洗濯時の液温の上限を表しており、下の場合40℃が限度です。
また、たらいの下に線があるマークも存在します。
線が1本の場合は線無しよりも弱く、2本の場合はさらに弱い洗いが求められます。
下のマークは「手洗い可能」を表したマークになります。
手洗いマークは液温が描かれていませんが、40℃が限度とされています
変更前の物はたらいの上に「手洗イ」、たらいの中に液温が描かれてデザインの物でした。
これらのマークがある場合は、学生服を家庭でも洗うことができます。
下記のマークは「水洗い不可マーク」です。
水洗い不可は、「家庭での洗濯禁止」を表しているため、家庭では洗うことができません。
このマークがある学生服はクリーニングへ出すようにしましょう。
学生服を洗う前に確認する事
洗濯表示を確認して水洗い可能だったからと言って、普通の衣類と同様に洗濯できるわけではありません。
学生服を洗濯する前には洗濯表示だけでなく下のポイントもしっかり確認しましょう。
ボタンの状態やキズの確認
ボタンが取れかかったまま洗濯することで、ボタンを紛失する可能性があります。
洗濯機で洗う場合、外れたボタンで洗濯機が故障したり、トラブルを起こすこともあります。
ホツレなどのキズもそのまま洗ってしまうことで広がる可能性があります。
そうならないためにも、洗濯前に学生服の状態を確認して、修復可能なものは直してしまいましょう。
ポケットの中の確認
学生服はハンカチ・ティッシュ・マスク以外にも文房具や生徒手帳などが入っていがちです。
最近ではワイヤレスイヤホンなど、高価で繊細なものが入れっぱなしになっていることも少なくありません。
学生服の在中品は、濡れたりすることで取り返しがつかなくなるものも多いので、しっかり確認するようにしましょう。
汚れやすい部分が汚れていないか
汚れやすい部分である襟や袖口に激しい汚れがついていないか確認しましょう。
そのまま洗っても汚れが全て落ちない可能性があるためです。
襟や袖口に激しい汚れがあった場合は前処理するのがおすすめです。
そうすることで洗った時に頑固な汚れも落としやすくなります。
前処理の方法としては汚れが気になる部分に直接洗剤を塗って少し揉みこんでからすすぐだけです。
学生服の洗い方
学生服を家庭で洗うには洗濯機を使う方法と手洗いの2パターンがあります。
ここではそれぞれの方法を解説していきます。
洗濯機の場合
1.閉めれるボタンとファスナーはすべて留めて軽くブラッシングします。
その後、裏返して丁寧にたたみ洗濯ネットに入れます。
2.洗濯表示に表記された液温以下の水で洗いましょう。
洗濯機はドライコースや手洗いコースなどの優しく洗うコースを選んでください。
3.脱水は短めに設定して終わったらすぐに取り出します。
目安としては30秒~1分程度です。
長く脱水してしまうとシワが付きやすくなってしまいます。
脱水後は両手で挟むように軽くたたいてシワを伸ばし、形を整えます。
手洗いの場合
洗濯機で洗うより学生服を傷めにくいのが手洗いです。
たらいや洗面器を使うのが好ましいですが、無い場合は洗濯槽でも代用可能です。
1.ボタン、ファスナーを留めて形を整えて容器にためた水に満遍なく浸けます。
この時、学生服は汚れた箇所を外側にして、容器に合った大きさに折りたたみます。
2.中性洗剤を入れて擦らずに両手で優しく押し洗いを行います。
制服を両手で優しく押しつける→緩める動作を50回程度繰り返します。
折りたたんだ制服の形が崩れないように気を付けながら行ってください。
制服全体に均一で力を加えるのがポイントです。
3.すすぎも洗いの時と同じように優しく押し付ける→緩めるを繰り返し行います。
何度か水を変えながら、水の濁りが無くなるまで行ってください。
※手洗いではこすり洗いやもみ洗いをしがちですが、生地を傷める原因になるのでしないようにしましょう。
学生服洗濯時の注意点
素材に合った洗剤を選ぶ
学生服はポリエステルやウールが使われていることが多いです。
普段洗濯で使う洗剤だとアルカリ性でウールとは相性が悪いです。
そのため、中性のおしゃれ着洗い用の洗剤などがおすすめです。
また、Yシャツやブラウスを洗う時は気にしなくてもいいですが、学生服を洗う際は蛍光増白剤の含まれていない物を選ぶとよいでしょう。
水温に注意する
ウール混紡素材の学生服は30℃のぬるま湯で洗うことを心掛けてください。
ウールを構成するたんぱく質は高温に弱いので、熱いお湯につけると繊維が変質し、縮みやすくなります。
反対に20度以下の冷水だと洗剤の溶け残りが起きたりと、洗浄力を発揮しきれないことがあります。
他の物と一緒に洗わない
制服を洗う際は他の洗濯物とは分けて、必ず単品で洗いましょう。
他の物と一緒に洗うことで、糸くずなどのごみ付着や色移りの原因になってしまいます。
タンブラー乾燥は使わない
全自動洗濯機で洗う場合は洗濯のみのコースを選びます。
学生服に使われている素材は熱に弱い物が多く、乾燥機にかけることで縮んだり、型崩れを起こすことがあるためです。
シワや毛玉、詰襟パイピングにひび割れが起こることもあるので要注意です。
学生服の干し方
学生服は素材や種類を問わず、直射日光(紫外線)が当たらない風通しの良い日陰で干します。
どうしても外に干したい場合や、風通しのいい日陰が無い場合は、バスタオル等で覆って干すのも一つの方法です。
上着、ズボン、スカートごとに干し方のコツをご紹介します。
上着
学生服の上着(詰襟やブレザー)はスーツのジャケットを干す時と同様に厚みのあるハンガーを使います。
細いハンガーだと肩の形が崩れてしまうのに対して、厚みのあるハンガーは上着の肩部分をきれいな形で保つことができるためです。
ズボン
ズボンの干し方は2種類あります。
1つは丸いピンチハンガーを使いウエスト部分を挟んで筒状に干す方法です。
ズボンの裏は乾きにくいので裏返してこの方法で干すことで早く乾かすことができます。
もう1つは、ズボンを逆さまにして、センターラインに合わせて裾部分を挟んで干す方法です。
筒状に干す方が速く乾かすことができますが、こちらの方法だとセンターラインを残すことができます。
スカート
ウエスト部分が筒状になるようにピンチで挟んで干します。
こうすることで風通しが良くなり早く乾きます。
スカートも裏側が乾きにくいので裏返してから干すといいでしょう。
プリーツスカートの場合はプリーツ部分が無くならないよう注意が必要です。
干す前にスカート上下をもって、軽く引っ張りながらプリーツの形を整えてから吊るすといいですよ。
学生服のアイロンのかけ方
乾いた学生服はそのままではシワが付いてしまいます。
それを防ぐためにも重要なのがアイロンをかけることです。
この際もまずは洗濯表示ラベルを確認しましょう。
アイロンをかけるときは必ず当て布を行い、温度を表示通りに設定します。
ここからは干し方同様、種類ごとにポイントをご紹介します。
上着
制服に使われているポリエステルは、高温でアイロンをかけると溶けたり、テカリが出てしまうことがあります。
低温~中温で当て布をしてからアイロンをかけましょう。
面積の小さなところからかけ、「襟→袖→肩回り→前身頃→後ろ身頃」の順がいいですね。
詰襟のパイピングは熱に弱いため、アイロンを避け、当たらないようにしましょう。
ズボン
ズボンは腰から「膝→裾→センタープレス」の順番でアイロンをかけていきます。
腰回りはフックやボタン、ファスナーがありますが、ポリエステルやプラスチックで作られていることが多いため、アイロンが直接当たらないように注意しましょう。
また、体重がかかるお尻周辺はテカリが起きやすいです。
アイロンをかける際は、余計な力をかけず優しく抑える程度を意識しましょう。
プリーツスカート
プリーツが特徴のスカートには折り目をうまくつけることが大切です。
そのままアイロンをかけるとプリーツの折り目がずれたり、二重に折り目が付くなどのトラブルが起きがちです。
それを防ぐためにも、アイロンをかける前にベルト下から始まるプリーツを丁寧にそろえ、揃った裾を洗濯ばさみなどで固定するとよいでしょう。
特殊な装飾がある場合
学生服にはプリントやエンブレム、ワッペンがある場合が多いですが、アイロンをかけるときはこういった装飾にも注意が必要です。
これらの装飾はアイロンを当てると、その熱で剥がれや破損の恐れがあるので、アイロンをかけてはいけません。
アイロンがけの注意点
濡れた状態でアイロンがけをしない…
衣類が濡れたままアイロンがけをすると、水分が蒸発して設定温度以上の熱が加わってしまいます。
布地の縮みや変形、襟芯の剥がれなど様々なトラブルの原因にもなるので絶対にやってはいけません。
スカーフは特に高温注意…
セーラー服のスカーフの素材は熱に弱いので、直接高温のアイロンを当てると溶ける可能性があります。
アイロンをかけるときは当て布をしたうえ、低温で行いましょう。
また連続して同じところにアイロンを当てないようにしてください。
学生服の日頃からできるお手入れ
学生服は定期的にきれいにする必要があり、家庭でも洗濯できるといっても毎日洗うわけにはいきませんよね。
そこで、洗濯やクリーニングには敵わなくても、普段から学生服をきれいに保つためのお手入れをご紹介します。
ハンガーに吊るす
肩のラインを崩さないよう、洗濯時と同様に普段から厚みのあるハンガーにかけるようにしましょう。
ズボンやスカートは挟めるタイプのハンガーにかけておくといいですね。
ブラシをかける
洋服用のブラシで布目の流れに沿って軽くブラッシングしましょう。
ブラシをかけるときはいったり来たりせず、一方向にかけることを心掛けてください。
またブラッシングはホコリなどの汚れをはらうだけでなく、絡みかけた繊維をほぐすことにも繋がるので、テカリや毛玉予防にもなります。
消臭スプレーの使用
ハンガーに吊るして、ブラッシングした後は、消臭スプレーでその日についた臭いを取り除いてあげましょう。
スプレー後は風通しのいい場所で干して、乾燥させるとともにしっかりと学生服を休ませてあげましょう。
※消臭スプレーなどは毎日することで変色などを引き起こすこともあります。
毎日は使わず週末だけなどと使用回数を決め、くれぐれもかけすぎには気を付けてください。
一見当たり前にも見える事ですが、この細かい点が学生服をきれいに保つコツなのです。
習慣化することで、制服を毎日快適に着ることができますよ。
ただ、スプレーの効果はあくまでも一時的なものなので、定期的に洗濯やクリーニングに出しましょう。
こんな時は…のワンポイントアドバイス
学生服で起きやすいちょっとした出来事に対する解決策を挙げています。
先ほどの日頃のお手入れと一緒で家庭でも簡単にできる事ばかりなので、ぜひ参考にしてください。
座った時などにできたシワ…
当て布をしながらスチームアイロンをかけてあげます。
こうすることで座りジワを簡単にとることができます。
当て布をしないとテカリの原因になるので必ずしてください。
学生服が濡れたとき…
学生服は毎日着る分、雨や雪で濡れることも多いです。
そんな時は、まず乾いたタオルなどで軽くたたくようにして水気を取ります。
その後、ハンガーにかけ風を当てるか、少し離したところからドライヤーをかけて乾かします。
泥が付いたとき…
雨で濡れるということは泥ハネも起きやすいです。
もし泥や土がついたときは慌てて取ろうとするのではなく、乾燥させましょう。
これは、完璧に乾いてからでないと泥や土は取り除けないためです。
完全に乾いたらブラシをかけて泥や土を落とします。
落ちにくいと感じるときは中性洗剤を薄く溶かしたぬるま湯にタオルを浸け、固く絞ってから拭き取りましょう。
それでも落ちない時は、早めにクリーニングに出して綺麗にしてもらいましょう。
まとめ
今回は学生服を家庭で洗う方法についてご紹介しました。
家庭でも洗えるなんて初めて知ったという方も多いと思います。
少し手間はかかりますが、家庭で洗うことでクリーニングに出している暇がない時でも学生服をきれいにすることができます。
もし学生服を家庭できれいにするのにこれからアイロンを買う場合は、スチームアイロンがおすすめですよ。
ただ、すべての種類を家庭で洗えるわけでなく、どうしても落とせないシミなどもあるかと思います。
時間が経つほど、汚れは落としにくくなるものが多いので、落とせない汚れがある時は早めにクリーニングに出して綺麗にしましょう。