冬の寒い時期によく聞くのがインフルエンザなどの感染症が流行っているというニュース。
なぜ、感染症が流行っているということを冬に聞くことが多いのでしょうか?
それには明確な理由があるのです。
そこで今回は感染症で気になる点や今からでもできる対策方法についてご紹介します。
感染症についてよく聞く疑問
対策方法を見ていく前に、冬に感染症が流行る理由、冬に気を付けたいウイルスなど皆さんが疑問に思っているであろうポイントを解説していきます。
Q.なんで冬は感染症が流行るの?
A.ウイルスの最適な環境となり、人の免疫力も低下するから
冬は低温・低湿度を好むウイルスにとって最適な環境となるためです。
空気中が乾燥することで、体内の水分量が減り、鼻やのどの粘膜が乾燥するとウイルス感染が起こりやすくなります。
空気が乾燥していると…
1.ウイルスの水分が蒸発して軽くなり空気中の浮遊量が増える
2.咳やくしゃみの飛沫も小さくなるため感染範囲が拡大する
また、冬は寒くなり体温が下がることで、代謝機能や免疫力も低下します。
Q.感染症はどうやって感染するの?
A.主な感染経路は「飛沫感染・空気感染・接触感染」の3つ
飛沫感染とは、感染した人の咳やくしゃみに含まれる病原体を吸い込んで感染することを言います。
例えば、インフルエンザやマイコプラズマ肺炎などが代表的な感染症として挙げられますね。
空気感染は、空気中に漂っている麻疹・水痘・結核のウイルスを吸い込んで感染することで、感染するものはこの3種類の病気だけになります。
接触感染はタオルやドアノブ、電車のつり革、嘔吐物などに触れた手を介して口や鼻から侵入して感染することを言います。
この方法で感染する主なウイルスは、ノロウイルスやロタウイルスなどが挙げられます。
Q.冬に特に注意すべきウイルスは何?
A.風邪・呼吸器症状や胃腸炎症状を起こすウイルスに注意が必要
代表的なウイルスの名前を挙げると、インフルエンザやノロウイルスです。
ウイルスは一年を通して存在しており感染することがありますが、低温・低湿でウイルスが活動しやすい冬に流行のピークになるものが多いです。
冬に特に注意したいウイルス
先ほどのQ&Aで冬にかかりやすいウイルスを軽く紹介しましたが、もちろん他にも存在します。
ここではそんなウイルスの種類と、症状などをご説明します。
インフルエンザ
冬に流行するウイルスで一番聞き馴染みがあるであろうインフルエンザ。
38℃を超える発熱やのどの痛みを引き起こすウイルスです。
全身のだるさや関節痛などの症状がみられ、「全身症状」が強く現れるのが特徴で、毎年冬時期に流行り1~3月にピークを迎えます。
ノロウイルス
乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層に急性胃腸炎を引き起こす感染症。
長期免疫が成立しないため繰り返し感染することがあります。
主に冬場に多発しますが、年間を通して発症する感染症です。
症状としては腹痛・下痢・吐き気・嘔吐などの消化器系の物が多いです。
ロタウイルス
ロタウイルスとは胃腸炎を引き起こすウイルスの一種です。
感染力が非常に強く、ほとんどの子供が5歳までに感染すると言われています。
冬から春にかけて流行し、ノロウイルス同様繰り返し感染することがある厄介なウイルス。
また、激しい嘔吐や下痢などの症状によって脱水になるなど重症化することがある事も…。
感染症対策としてできること
冬の感染症は免疫力の低下に合わせて重症化しがち…。
自分がかかることで家族や周りの人にうつしてしまうのも心配ですよね。
そこで大事になるのが感染症対策!
日頃から簡単にできるものもあるので、実践していきましょう。
こまめな手洗い
感染症対策と言えば外せないのは「手洗い」ですよね。
手洗いは、日々の生活の中でできる、きわめて有効な感染対策です。
私たちが感染する病原体(ウイルスや細菌)の多くは、まず私たちの手に付着します。
その手で鼻や口などに触れ病原体が体内に侵入することで感染が成立します。
また、病原体が付いた手で様々なものに触れ、周りの人がそれらに触れることで、感染が拡がっていきます。
つまり、私達の手は、気づかないうちに様々な感染症を運んでいることになります。
手を洗うことで、手についた病原体が自分自身のからだに侵入するのを防ぐだけでなく、周りのひとに感染を拡げることを防ぐことにも繋がるのです。
うがいも忘れずに
うがいも感染症対策には外せない行動の一つです。
うがいをすると、口の中に水流ができます。
その水流は、のどに付着した病原体を洗い流してくれる効果があり、のどに付着した病原体を洗い流すことで、感染症を予防してくれるのです。
うがいは、帰宅時や人が多い場所に行ったとき、食事前、起床時、空気が乾燥している時に行うのが効果的。
起床時や空気が乾燥している時は口内でウイルスが繁殖している可能性があるため、しっかりうがいを行うようにしましょう。
うがいは、口を閉じたブクブクうがいをしてから、上を向いて行うガラガラうがいを2~3回繰り返すのがいいですね。
外出先でも手指の消毒
先述の通り病原体が付いた手で、何かに触れることで感染症にかかる恐れがあります。
特に目や鼻などの粘膜に触った時が一番リスクが高いです。
そのため、手洗いうがいの後はアルコール除菌などで消毒するのがおすすめ。
最近では持ち運びタイプ物もあるので外出の際は持って歩くようにしましょう。
また、家庭内でみんなが良く使うテーブルなども、こまめにアルコール除菌しておくと安心ですね。
特に免疫力が低く重症化しやすいお子様や高齢の方がいるご家庭は、しっかりアルコール除菌することが大切です。
マスクを着用する
マスクは感染症がかかっている人が着用するのはもちろんですが、対策したい人も着用することがおすすめです。
マスクには口と鼻を覆うことで咳やくしゃみの飛沫飛散を防ぐだけでなく、空気中のウイルスやほこり等を体内に侵入させない役割があります。
着用が任意になりましたが、冬は感染症対策のためにも着用するのがおすすめです。
適度な換気と加湿
冬は暖房器具を付けたままということが多いため空気が乾燥しがちです。
乾燥した環境では空気中のウイルスが増えやすくなってしまいます。
そんな時に部屋の換気をしてあげると、空気中のウイルスの数を減らすことができます。
また、インフルエンザなどウイルスは湿度が高くなると動きが鈍くなるものもあります。
そのため部屋の湿度は50~60%を目安にするといいでしょう。
まとめ
さて今回は冬に注意したい感染症についてご紹介しました。
今回お話しした対策以外にも、ワクチンや規則正しい生活も感染症対策には有効です。
自分が気を付けることで、自分だけでなく周りの人の感染リスクも下げることができるので、基本的な手洗いうがいからしっかり行って、健康に過ごしましょう!