これからの季節気になってくるのが紫外線による日焼けです。
実は服も人と同じで日焼けするって知っていましたか?
気付いていないだけであなたの服も紫外線による変色が起きているかも…。
特に汚れが目立つものや、ベージュなどの服は変化に気づきにくいです。
そんな時は服の裏地やポケットの中などの普段光が当たらない場所を見てみるといいですよ。
もし色が違っていたら一目瞭然です。
でも、どうして日に当たることで服の色が変わるのでしょうか。
今回はそんな紫外線による変色のメカニズムと対策について解説していきます。
紫外線による被害
紫外線は太陽から届く光線に含まれていて目には見えません。
ですが、紫外線は様々な化学的作用を引き起こす力を持っています。
4月から9月にかけて強く差し、1年で浴びる紫外線の70~80%はこの期間に浴びているそうです。
紫外線を浴びると日焼けしたりシミの原因になります。
ひどい時はがんの原因にもなるため、多くの人が日焼けクリームや日傘、サングラスを使って身を守っていますよね。
このように紫外線は行き過ぎれば人体への健康被害が出ます。
健康被害が注目されがちですが、他の分野にも影響を与える強い力を持っており、いろいろなところで対策されています。
たとえば、お酒や炭酸飲料などの瓶が透明でなく色付きなのは紫外線による味の変化を防ぐためと言われています。
化粧品も光に当てすぎることで品質が落ちる物が多いので、容器の種類ごとに紫外線対策が施されています。
では、衣類の方はどうでしょうか?
昨今の服は消費者のニーズに合わせ、カラーバリエーションが幅広いです。
これは様々な色の染料が普及してきたためともいえます。
実はこの染料が紫外線から影響を受けることで「変色」や「退色」などの変化を起こす原因と言われています。
基本的に化学物質である染料は化学的作用によって衣服の繊維に染色されます。
紫外線の目に見えない光のエネルギーが投射されることで化学的に結合していた繊維の分子が分解されます。
これによって発色機能が果たせなくなったり、繊維から色が脱落したりしてしまいます。
紫外線による変色や退色では、特に青系や緑系の色に注意が必要です。
他にも蛍光増白剤によって白さを際立たせているものが多い白地の服も気を付けましょう。
紫外線によって蛍光増白剤が劣化してしまい黄色く見えることがあります。
また、ウールやナイロン系素材は繊維そのものが変色するので紫外線に当たりすぎないようにしましょう。
紫外線以外の変色の原因
紫外線以外にも変色を引き起こす原因があります。
中には紫外線と組み合わさることで症状がさらに進行する厄介なものも…。
下にまとめているので普段の生活の中でも気にかけてあげるといいですね。
汗との化学変化
変色などのダメージは衣類に付着した汗との化学変化でも起きることがあります。
汗には水分の他にも塩化ナトリウムや尿素など様々な成分が含まれています。
これが紫外線と組み合わさることで襟や脇などに汗染みができるのです。
蛍光灯からも紫外線が!?
紫外線と言えば「太陽でしょ」と思う方も多いと思います。
ですが照明に使われる蛍光灯からも紫外線が出ているのを知っていますか?
もちろん太陽に比べたら紫外線は少なく(太陽の100分の1)、人体には影響が殆どありません。
しかし、蛍光灯からの紫外線も衣類にはダメージを与えるのです。
少しの間掛けておく分には問題ありませんが、長期間・近距離で紫外線が当たると変色が起こります。
また多く見られるのがカーテンのレールに服をかけているご家庭です。
太陽と蛍光灯からの紫外線Wパンチで一気に変色が進みますので絶対にNGですよ。
紫外線によるダメージを減らす干し方
衣類が一番紫外線からのダメージを受けるのは洗濯物を干している時と言っても過言ではありません。
そこで、ダメージを減らしつつ、しっかり衣類を乾燥させる方法をお教えします。
裏返して干す
裏返して干すことで紫外線のダメージを抑え変色を防ぐことに繋がります。
この方法は少し面倒に感じますが、実は他にもいい事があります。
それは殺菌効果がある事です。
服は裏側の方が汗や皮脂が付きやすいため雑菌が繁殖しやすいです。
裏返して干すことで雑菌が繁殖しやすい部分に太陽の光が直接当たり、殺菌効果が期待できます。
夏は特に汗をかきやすいので裏返して干すことがおすすめです。
部屋干しする
もちろん屋内に干すことでも紫外線を防ぐことができます。
そもそも衣類の洗濯表示を確認してみると陰干しした方がいい物が意外と多くあります。
外で干した方が気持ちがいいというのもわかりますが、衣類の寿命を延ばすためにも洗濯表示に合った干し方をしましょう。
部屋干しの際は蛍光灯のあるところでは意味がないので、照明の当たらない場所で陰干しして下さい。
この方法の場合、太陽の光が直接服にあたらないので多少乾燥までの時間が長くなります。
サーキュレーターや扇風機の活用で素早く乾かすことができます。
また、部屋干しの際は干幅にも注意が必要です。
干幅が狭いと空気の通りが悪く中々乾かないので、最低でも服同士の幅を1㎝開けて干すことを意識しましょう。
乾燥機を使用
乾燥機を使えば紫外線によるダメージもなく、一番楽に乾燥させることができます。
天気や気温に左右されないのは忙しい人にとっては頼もしい味方ですよね。
但し乾燥機を使う時は必ず衣類の洗濯表示を確認してください。
ウールやカシミヤといった天然素材は熱に弱い物が多く熱風で縮む恐れがあるので使用は避けましょう。
レザーなども風合いが変化する可能性があるので乾燥機の使用はNGです。
夜に洗濯をする
服の変色を防ぐために夜のうちに洗濯をしてしまうのも効果的です。
暖かい季節であれば夜のうちに干すことで昼前には乾き紫外線が一番多い時間帯を避けることができます。
紫外線による服の変色は日光に5時間以上当たることで発生するケースが多いです。
なので夜のうちに干すことで日光に5時間以上当てることなく乾かすこともできます。
夜に外干しするときは天候をよく確認し風などで飛ばされないよう注意しましょう。
洗濯物保護カバーを使う
「服の色が変わるのは嫌だけど、どうしても外に干したい」なんてことありますよね。
そんな時にぴったりなのが洗濯物保護カバーです。
洗濯物保護カバーを使えば紫外線だけでなく、雨濡れ、花粉対策、虫よけにもなります。
様々な形状とカラーバリエーションがあるのでご家庭の状況とあった使用方法ができる物を選びましょう。
※形状や色によって対策できる物や使用方法が異なるので、予め説明書などでよく確認してから使用してください。
まとめ
紫外線が衣類にも思わぬダメージを与えているということを知っていただけたかと思います。
しかも気付かないうちに変色が進行していることも多く、気づいたころには大部分の色が変わっているなんてことも…。
そんな事態を防ぐためにも日頃から衣類はきちんとクローゼットなどに入れて保管しましょう。
「もうすでに色あせちゃったよ~」なんて服はあきらめる前にクリーニング店に相談してみるといいですよ。
染色補正などでお直しできることがあります。
そもそも変色が起こさないことが一番なので、肌だけでなく洋服の日焼け対策もしっかり行って大事な服と長く付き合っていきましょう!