普段身につける人も多いであろうネクタイですが、定期的にクリーニングに出していますか?
スーツに合わせることでスタイルをしっかり決めてくれるネクタイですが、実はとっても汚れやすいアイテムなのです。
そこで今回はネクタイにはどんな汚れがついて、どうしてクリーニングに出さなければならないのかを徹底解説していきます。
クリーニングした方がいい理由
まずはネクタイをクリーニングに出した方がいいのかから見ていきましょう。
他にも理由はありますが、大きく分けると下の3つになります。
意外と汚れやすい
シャツやスーツと違い色や柄のせいで汚れが目立ちにくいが、一日つけたネクタイは様々な汚れが付いています。
ネクタイを付ける首周りは汗や皮脂が多い場所です。
他にもホコリに食べこぼしや飲み物、タバコのヤニなどが付着することが考えられます。
他にも食事や生活の中で付いニオイも汚れの一種で、定期的にお手入れしないとシミやカビの原因になってしまいます。
素材に適した方法のためダメージが少ない
何と言ってもクリーニングした方がいい一番の理由はこれです。
デリケートな素材や天然素材から作られることの多いネクタイは、家庭で洗う難易度が意外と高いアイテムです。
クリーニングに任せれば風合いや質感が損なわれたり、アイロンがけを失敗してしまう事もないので安心ですね。
頑固なシミも落としてもらえる
先ほどもお話しした通りネクタイは汚れていても気づきにくいです。
そのため、汗や汚れが蓄積・酸化して落としにくいシミができやすいアイテムでもあります。
定期的にクリーニングに出すことで汚れをリセットすることができる上、頼むことでプロが染み抜きを行ってくれるので気になる汚れも一発で解決できますよ。
コスト
ネクタイをクリーニングに出した方がいい理由をご説明しましたが、実際どれくらいの料金や時間がかかるのか疑問な方も多いはず…。
そこで次はネクタイをクリーニングに出す時にかかるコストについてご紹介します。
料金
店舗型のクリーニングであれば大体300~600円になります。
宅配クリーニングは個別料金かパック料金かで値段が変わります。
個別料金であれば660円程度、パック制であれば1,000円前後になります。
宅配クリーニングは送料などが含まれるためお店より高くなりますが、他の衣類とまとめて出す場合などは店舗型のクリーニングに出すより安くなる場合があります。
また、シルクなどの高級素材の時やシミ抜きなどの加工をするときは別途料金がかかることがあります。
宅配クリーニングだとシミ抜きが無料サービスな所もあるので依頼する前にどういったサービスを行っているかまで確認するといいでしょう。
日数
ネクタイのクリーニングは3日~1週間が平均ですが、即日仕上げなどもっと早く仕上げてくれるお店もあるようです。
宅配クリーニングの場合は最短7~の所が多く、お急ぎの場合には向かないです。
少し時間がかかる分、店舗型でも宅配型でもまとめてクリーニングに出す場合は、戻ってくるまでの間に着用するものがなくならないよう気をつけましょう。
下の表は店舗型と宅配型のメリット・デメリットを簡単にまとめたものになります。
ぜひ参考にしてみてください。
他にも仕上がりに満足がいかなかったときの再仕上げを無料で行ってくれるか、再仕上げはいつまで可能かなどを調べるのも大事です。
クリーニング頻度
クリーニング店では素材や衣類の種類、品物の状態に合わせて洗い方を分けています。
そんな中で、ネクタイの洗いは基本的に「ドライクリーニング」です。
ドライクリーニングは衣類を水ではなく有機溶剤で洗う手法になります。
汗や皮脂などの油汚れに強く、水洗いよりも衣類にダメージを与えにくいです。
また、水に弱いシルクなどの素材も優しく洗うことができます。
そんなドライクリーニングであっても、頻度が多すぎれば衣類にダメージが蓄積します。
何本かのネクタイを日替わりで使用している場合は使用頻度が多いので、3か月に1度が望ましいです。
1シーズンに1度と覚えておくといいでしょう。
また、冠婚葬祭のネクタイは1回着用したらクリーニングに出すのがおすすめです。
使用頻度は少ないですが1回の着用でも汚れは付着しており、そのまま保管するとシミやカビが発生して使えなくなることも…。
季節によって使用しなくなるデザインや生地のものは、衣替えのタイミングで他の衣類と一緒に仕舞洗いをするのもいいでしょう。
クリーニングの回数が多すぎると却って生地を傷めてしまいますが、目立つ汚れやシミがある場合は、上記のタイミング以外でもなるべく早くクリーニングに出しましょう。
クリーニングに出す前に…
素材や細かな装飾をチェック
クリーニングに出す前には素材を確認しておきましょう。
クリーニング店でも点検はしますが、シルクなどの高級でデリケートな素材の場合は取り扱っていないこともあります。
また、高級素材や細かい刺繍や装飾があった場合、クリーニング代とは別に別途料金がかかることがある点にも注意です。
こういったポイントも頭に入れつつ事前にチェックしてお店に問い合わせてみるのがベストです。
汚れやほつれが無いか点検
クリーニングに出す前にしっかりチェックをしましょう。
汚れやキズに気が付かないまま出すと、汚れがそのままで帰ってきたり最悪落としづらく変異する可能性があります。
ほつれやキズも広がったり破れになる可能性があります。
ネクタイの状態を事前にチェックして気になる点はお店の人に受付時に相談しましょう。
家庭でネクタイを洗う方法
クリーニングに出すのがおすすめですが、一応家庭でも洗うことはできます。
ただ失敗のリスクがあるので自宅でのクリーニングは緊急時のみ行うようにするのがいいでしょう。
【用意するもの】おしゃれ着用洗剤・洗面器やバケツ・清潔なタオル
1.ネクタイの素材確認
ネクタイを洗濯する前に、素材を確認しておきます。
シルク100%、刺繍入り、柄がプリントされているタイプのネクタイは、素材を傷めたり色落ちを起こす可能性が高いのでクリーニング店へ依頼してください。
また、洗濯表示に手洗い可能マーク、水洗い可能マークがあるか確認しましょう。
マークが無い場合は、こちらもクリーニングへ出す必要があります。
2.シミを落とす
ネクタイに目立つシミ汚れがある場合は洗濯前に落としておきましょう。
おしゃれ着洗剤をシミ部分につけて優しい力で揉み洗いし、汚れを取り除きます。
3.ネクタイをつけおきする
シミが落ちたら洗面器もしくはバケツに水(または40℃以下のぬるま湯)を貯め、おしゃれ着用洗剤をよく溶かします。
洗濯液ができたらネクタイを静かに浸け、5~10分程度放置します。
4.ネクタイを泳がせ洗いする
つけ置きが済んだらネクタイを水の中でゆっくり泳がせるように洗います。
10往復くらいを目安にそっと洗ってくださいね。
5.ネクタイをすすぎ洗いする
泳がせ洗いが済んだら水を変え、再度泳がせるようにして優しくすすぎ洗いを行います。
この時、洗剤をしっかり取り除こうとして、ネクタイをぎゅっともむのは生地を傷めてしまうのでNG。
やさしくやさしくすすぐことを心掛けましょう。
6.ネクタイをタオルドライ
すすぎ終わったネクタイは、清潔なタオルで包みこんでタオルドライを行います。
ポンポンと優しく両側からたたき、水分を移すイメージで作業してください。
7.ネクタイを陰干しする
洗い終わったネクタイはハンガーにかけて陰干しします。
風通しのいい場所を選んでしっかりと乾燥させましょう。
ネクタイのアイロンがけ
洗い終わったらアイロンがけも大事です。
これは普段のお手入れの時でも使える方法なので覚えておくといいですね。
※アイロンがけもシルクをはじめとしたデリケートな素材を使ったネクタイには行わないようにしましょう。
ネクタイの中に入っている芯がぺちゃんこになり、膨らみがなくなったり生地にテカリが出てしまったりする恐れもあります。
【用意するもの】アイロン・当て布
1.ネクタイをアイロン台に乗せ、軽くシワを伸ばす
ネクタイのシワは軽く伸ばすようにしましょう。
力を入れすぎると伸びてしまったり状態を悪化させる恐れがあるので気を付けてください。
ネクタイのシワを軽く伸ばしたら当て布をします。
2.ネクタイの裏側をアイロンする
ネクタイのアイロンがけは裏側から行います。
アイロンは130~160℃の中温に設定し、アイロンを浮かせながらスチームのみをあてるようにして、シワを伸ばしていくイメージです。
アイロンを直接充てるとテカリがでるので、必ず当て布をして蒸気だけを当てるようにしましょう。
3.ネクタイの表側をアイロンする
裏側が終わったら表側と同じようにネクタイの表側にもアイロンをかけます。
ネクタイの柄がよれてしまわないように、丁寧にアイロンがけを行います。
全体のシワが取れたらハンガーにかけ涼しい場所で熱を冷まして完了です。
ネクタイの保管方法
きれいにしても保管中にシワができていたら悲しいですよね。
それを防ぐためにもシワのできにくい保管方法をご紹介します♪
平置き
持っているネクタイの数少ない人にオススメです。
ゆるめに二つ折りしたネクタイを横に並べて保管するだけです。
ネクタイのデザインが一目見てわかるので、サッと選べて便利ですよ。
丸めておく
ネクタイを多く持っている人にオススメな方法です。
ネクタイを二つに折り、きつくなりすぎないようゆるめに巻いて棚などに収納します。
この方法でたくさんのネクタイを収納するとお店のショーケースみたいにきれいで、テンションも上がること間違いなしです。
吊るしておく
ネクタイをたくさん持っていて収納場所が足りない人におすすめなのがこの吊るす方法です。
さらにネクタイ専用ハンガー使えば、省スペースでたくさんのネクタイをしまうことができます。
ただ、吊るす方法は生地が延びる可能性があるので、ニットやシルクなどの柔らかい素材のネクタイはやめておいた方がいいですね。
着用後ネクタイのお手入れ方法
着用後毎回クリーニングに出すわけではないネクタイですが、着用後のひと手間できれいを保つことができます。
1.使ったネクタイはブラッシング
ネクタイは1日着用しただけでもかなり汗を吸っているので、汗を乾かすためにも着用後は干すようにしましょう。
この時にサッとブラッシングしてホコリなどの汚れを落とすことも忘れずに行ってください。
ブラッシングはネクタイの中心部から剣先に向かって優しくするのがコツです。
2.シワは吊るして自然に伸ばす
ネクタイは伸縮性がいいので、手でシワを伸ばそうとすると伸びやヨレに繋がります。
シワができたときは2~3日ハンガーにかけ陰干しします。
こうすることでシワが自然に伸び、生地を休ませることもできるのでダメージ軽減にもなります。
3.吊るしまたは平置きで保管
丸めて保管するのもいいですが、癖がついてしまう事があるので吊るしか平置きで保管するのがおすすめ。
使用頻度が高いとネクタイの結び目にシワができ、締め心地が悪くなります。
そんな事態を避けるためにも5~6本程度替えを用意してローテーションするといいです。
まとめ
ネクタイは意外と汚れやすく適度にクリーニングが必要なアイテムです。
自宅で洗濯することが全くできないわけではありませんが、色落ちや型崩れなど品質を損なうリスクが高いためクリーニングに出した方いいでしょう。
またクリーニングもビニールを外したり、正しい保管方法を行わないと別の衣類トラブルに発展するので気をつけましょう。
清潔なネクタイでスタイルをビシッと決めましょう。