皆さんは普段の洗濯で柔軟剤を使っていますか?
なくても困らないですが、あると普段の洗濯をよりよくしてくれる優れものです。
実はこの柔軟剤多くの人が使い方を間違えているものでもあるんです。
今回はそんな柔軟剤の使用上の注意やメリット・デメリットにも触れていくのでぜひご覧ください。
柔軟剤の効果
そもそも柔軟剤は海外で生まれたことを知っていますか?
海外は硬水の地域が多いため、洗剤だけで洗濯物を洗うとごわごわしてしまうので、柔らかく仕上げるため生み出されたのです。
それに対し日本は軟水の地域が多いので柔軟剤は「絶対に必要」ではないのです。
身近なものでいうと、柔軟剤はヘアケア用品の「リンス」のような役割を果たしています。
洗濯の際に使わなければ、汚れが落ちないというわけではないので、使用するかは個人の好みというところも似ていますね。
他にも種類が豊富な柔軟剤は香りのラインナップが多いことも魅力の一つです。
自分好みの香りを選びつつ、洗濯物の嫌なニオイを防止できるのはいいですよね。
柔軟剤は油の膜で繊維をコーティングすることで毛玉やほこりの吸着、静電気の発生防止、肌触りをよくしてくれるなどの様々なメリットがあります。
ですが、生地によっては肌触りが硬く感じたり、吸水性が低くなることがあるので注意が必要です。
(パイル地の製品、タオルなどが該当します)
また、洗剤と違いすすいでも洗濯物に残るように設計されているのが柔軟剤です。
なので、正しく使わないと肌トラブルや衣類の寿命を縮めることがあります。
柔軟剤のメリット・デメリット
次は柔軟剤のメリットとデメリットを見ていきましょう。
いい点と悪い点を網羅しているので柔軟剤の事をもっとよく知りたい方は必見です。
メリット
柔軟剤には様々な良い効果があります。
それは衣料品に関わるものだけでなく、人にも嬉しい効果もあります。
そんな効果について詳しく見ていきましょう。
衣料品がふんわりとした仕上がりに…
柔軟剤を使わないと繊維が絡み合いごわつきが出てしまいます。
柔軟剤を使ってあげれば繊維がコーティングされるので、ふわふわで肌触りがいい仕上がりになります。
素肌に触れる衣類にも使えるので、この効果を体感したことがある人も多いのではないでしょうか。
いい香りに仕上げる…
柔軟剤には衣類に良い香りをつける効果があります。
洗剤の香りとは違う香りを楽しみたい方にはぴったりです。
最近では組み合わせることで自分好みの香りを作れる柔軟剤もあるのもいいですね。
また、柔軟剤は香りづけだけでなく消臭・防臭効果のある製品も多いです。
柔軟剤無しで洗うと洗濯物の匂い残りを感じやすくなりますが、柔軟剤を使うことでニオイの原因となる菌が増えるのを防ぐことができます。
洗濯物が乾きにくい冬や梅雨時期は嫌なニオイが残りやすいのでおすすめです。
静電気防止…
柔軟剤には静電気や花粉の付着を抑えてくれる効果がある事を皆さんは知っていますか?
柔軟成分で繊維をコーティングしてくれるので、静電気が起こる原因である摩擦を減らしてくれます。
静電気を防止できるのでこれからの季節厄介な花粉の付着も予防することに繋がるのです。
静電気や花粉症で悩んでいる方は是非柔軟剤を使ってみてください。
速乾効果がある…
柔軟剤を使った洗濯物は、洗剤だけの洗濯物と比べ速く乾きます。
洗濯の回数が多いご家庭や洗濯物の量が多いとき、なかなか外干しできない天気の時など、洗濯物を速く乾かしたい時は柔軟剤をプラスしてあげるといいですよ。
衣類が速く乾けばその分嫌なニオイも発生しにくいですし、時短にもなるのでうれしい効果ですね♪
衣類の寿命を延ばす…
柔軟剤にはたくさんのメリットがありますが、あまり知られていないのがこの効果です。
柔軟剤に含まれる成分が繊維を覆うことで、衣類をダメージから守り長持ちさせてくれるのです。
具体的には繊維同士の伸びや毛羽立ち、繰り返し着ていると起きがちな袖口や襟元のヨレなどを予防してくれる効果があります。
デメリット
ここまで柔軟剤の良い所に焦点を当ててきましたが、残念ながら悪い点も存在します。
しかも、柔軟剤のデメリットは意外と多いのです。
ですが柔軟剤を全く使わない方がいいというより、頻度を控えるだけでも解決する問題もあるので試してみてください。
肌荒れが起きることも…
柔軟剤には肌への刺激が強い「界面活性剤」が含まれています。
この界面活性剤は人によっては肌荒れやかゆみを引き起こすことがあります。
特に敏感肌の方や赤ちゃんは柔軟剤による肌荒れのリスクが高いです。
また、いい香りを付けたいからと多量に入れると、洗濯しても成分が繊維に残りかぶれの症状が出ることもあります。
界面活性剤とは…
界面(物質の境の面)に作用して性質を変化させる物質の総称が界面活性剤です。
1つの分子の中には水となじみやすい「親水性」と、油となじみやすい「親油性」の越の部分があります。
この2つのおかげで本来では混じりあわない水と油を混ぜ合わせることができ、汚れを落とす洗浄の働きをします。
洗剤の他にも、医薬品、化粧品、食品などの成分として広い分野で使われています。
素材劣化や機能の低下…
メリットの方で柔軟剤は衣類の寿命を延ばしてくれると言いましたが、素材によっては逆効果の場合があるのです。
タオルなどは吸水性を落としてしまったり、柔軟剤のコーティング効果で汗を吸汗、撥水する力が弱まってしまいます。
羊毛やシルク、化学繊維などの素材は型崩れを起こしたり肌触りが悪くなったりすることがあります。
柔軟剤を使用しないことで劣化を防ぎ、吸水性を維持できることもあるので、生地や素材によっては柔軟剤を使わない方がいい物もあります。
悪臭やカビの発生…
洗濯物に香りが残っているということは洗濯機にも柔軟剤が残っていることになります。
コーティング効果のある柔軟剤を毎日使うことで洗剤成分が入りにくくなり汚れ落ちが悪くなることがあります。
また、すすぎなどを行うため洗濯槽にも柔軟剤が付着します。
洗濯槽に汚れが蓄積することによって雑菌が繁殖しニオイの原因になることがあります。
この結果、衣類の生乾き臭や洗濯槽のカビ繁殖が起きるのです。
洗濯機の掃除を楽にしたい人やきれいな状態を保っておきたい人は柔軟剤の使用を控えるといいでしょう。
コストをかかる…
柔軟剤は洗濯洗剤より値段が高いことが多いです。
柔軟剤を買わないだけでランニングコストが抑えることができるので、節約したい人は買わないという選択肢も出てきますよね。
コストは気になるけど柔軟剤を使いたいという方は柔軟剤入りの洗濯洗剤を使ってみるのはいかがでしょうか?
こちらであれば洗剤と柔軟剤が1本で済むのでコスパがいいですよ。
柔軟剤使用における注意点
ここまでで柔軟剤の良い点・悪い点を見てきました。
こんな効果があったのかと初めて知ったこともあったのではないでしょうか?
次は実際に柔軟剤を使う上で注意が必要なことを説明します。
間違えてやっている方も多い物もあるので、普段の柔軟剤の使い方があっているか見てみてください。
洗剤と混ぜて使わない
普段の洗濯でやりがちですが、洗濯洗剤と柔軟剤は絶対に混ぜて使わないようにしましょう。
専用投入口が無いからと言って、一緒に洗濯槽に入れたり、同じ投入口に入れるのもNGです。
洗剤と柔軟剤は逆の性質を持っているので、一緒に入れることでお互いの効果を打ち消しあってしまい効果を発揮しきれないためです。
洋服洗剤も柔軟剤も同じ「界面活性剤」からできていますが、性質が違います。
多くの柔軟剤は陽イオン界面活性剤(プラスの性質)であるのに対し、多くの洗剤は陰イオン界面活性剤(マイナスの性質)なのです。
この二つを同時に混合して使うと異なる成分同士が結合することで、水に溶けにくい物質に変化してどちらも本来の機能を失ってしまうのです。
全自動洗濯機やドラム型洗濯機の場合は自動投入口に入れるだけでいいですが、二層式洗濯機の場合はタイミングをずらして別々に自力で投入する必要がある点も注意が必要です。
下の図は縦型自動洗濯機において、洗濯槽に洗剤と柔軟剤が入るタイミングを簡単に図で表したものです。
見ての通り洗剤と柔軟剤は全く別のタイミングで洗濯槽に入っているのです。
なので洗剤と柔軟剤は別々に投入することが大事です。
使用量を守る
柔軟剤は量が多いと吸水性が落ちたり、香りが強すぎるなどの悪影響が出ます。
逆に少ない分量だと効果があらわれにくいです。
香りを強くしたいからたくさん入れる事だけではなく、香りを抑えるために少ない量で洗濯するのも実はダメなんです。
洗濯物を入れすぎない
洗濯物の入れすぎは洗濯物が十分に回らず柔軟剤も均一にならず効果を発揮できません。
洗濯物は洗濯槽の6~7割程度入れるのがベストです。
目安としては縦型洗濯機であれば洗濯槽の銀色部分が5㎝程度見えるくらいがベストです。
脱水後すぐ干す
洗剤や柔軟剤に抗菌効果があっても、洗濯槽に放置しておくと菌が増殖してしまいます。
ここで発生する雑菌は嫌なニオイの原因になります。
洗濯物を干す際はバサバサと何回か振って、洗濯によって倒れた繊維を立ち上がらせてから干しましょう。
天日干しの際は長時間干していると紫外線や風などで、柔軟剤の良い匂いが飛んでしまうので乾いたらすぐ取り込むことも心掛けてください。
乾燥モードの使用は避ける
洗濯機の乾燥は外気を入れ替えて温風で乾燥しているので香りが飛びやすいです。
また、熱を加える事でも柔軟剤の香り成分が消えやすいです。
もしどうしても乾燥モードを使いたい時は、乾燥機用の柔軟シートを使いましょう。
こちらにも静電気予防効果がある便利ですよ。
乾燥機や乾燥モードの他にも、長時間の脱水やお急ぎモードなどでも柔軟剤の香りや効果が無くなってしまう場合があります。
まとめ
香りや性能も様々で、愛用しているものがあるご家庭も多いであろう柔軟剤の話をしてきました。
思わぬ間違いをしていた方も多かったのではないでしょうか?
使い方ひとつで効果に大きく違いが出たり、思わぬトラブルを引き起こす原因にもなるので気を付けたいところですね。
とはいえ正しい使い方をしていれば頼もしい味方であるのも確かなのが柔軟剤です。
特に冬から春は重宝すること間違いなしなので、皆さんもぜひ活用してください!