皆さんは酸素系漂白剤と塩素系漂白剤の違いをご存知ですか?
どっちも同じような効果と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、同じ漂白剤であっても使える物や特徴が全然違います。
今回はそんな漂白剤についてご紹介します。
漂白剤とは
漂白剤と聞くと、とにかく白くしてしまうイメージで、例えば色柄物の衣服などには使用出来ないと思っていませんか?
また、黄ばみなどのしつこいシミなどの汚れだけを落とすイメージを持っていませんか?
漂白剤は、実は正しく使うことで色柄物の衣服にも使え、また梅雨時などによくある、生乾きの臭いを無くす効果もあります。
ただし、扱い方を間違うと思わぬトラブルに…。
まずは漂白剤について詳しく見ていきましょう。
漂白剤
漂白剤とは汚れやシミなどの色素を化学反応によって分解させるはたらきがある物質のことをいいます。
一言で言うと、色素を取り除いて白くさせるはたらき(漂白)があるということです。
主な用途としては、洗濯などで除去できなかった汚れやシミを落とす際に使用します。
漂白剤にはいろいろな種類や特徴のあるものが存在しますが、中には使い方を誤ると繊維などの素材を傷つけたり、人体に影響を及ぼすものもあります。
まず、漂白剤を大きく分けると「酸化型」と「還元型」の漂白剤に分類されます。
冒頭で漂白剤は色素を分解させるはたらきがあるといいましたが、分解する仕組みが違うことでそれぞれの呼び方が存在するのです。
「酸化型」とは物質に酸素を結合させる反応を利用して色素を除去し、また「還元型」とは物質から酸素を奪う反応を利用して色素を除去する漂白剤のことをいいます。
つまりはそれぞれ異なった方法で色素を違う物質に変化させたから色がなくなったということです。
塩素系漂白剤
塩素系漂白剤は漂白力が強く除菌・殺菌力も強いのが特徴です。
トイレ用・台所用・カビ用などが主な使用方法で、衣類用で使われることはほとんどありません。
ですが、トイレ用などより濃度を少し薄くした衣料用の塩素系漂白剤も存在します。
ただし、塩素系漂白剤は漂白力が強いため、色素を破壊してしまいます。
そのため白物しか使用出来ず色柄物には使用出来ない点がデメリットです。
また、代物であっても使える素材と使えない素材がはっきりと分かれています。
塩素系漂白剤が使えるかは、お洋服についた洗濯表示ラベルや下記の表を参考にして判断してください。
酸素系漂白剤
酸素系漂白剤は塩素系より漂白力は劣りますが、基本的には繊維を傷めることなく汚れの色素や汚れ自体を落としやすくすることが出来ます。
色柄物の衣服でも使用できるため、衣服自体の色は残して黄ばみや食べこぼしなど汚れだけを落ちやすくすることが出来るのも嬉しいポイントです。
そのため酸素系漂白剤は水洗いできないもの以外は基本的にどんな素材のお洋服でも使うことができます。
※粉末タイプの場合は、ウールや絹には使用できません。
そして、除菌・殺菌力もちゃんとあります。
漂白剤といえばとにかく真っ白にしてしまうイメージがあり、色柄物についた汚れには使うのを躊躇していた方も多いかもしれませんが、実は効果的に活用すれば便利な薬剤です。
酸素系漂白剤をタイプごとに使い分け
酸素系漂白剤は液体と粉末の2種類が存在します。
ニオイが気になる毎日の洗濯には「液体タイプ」、しみついたガンコな汚れには「粉末タイプ」と悩みによって使い分けましょう。
酸素系漂白剤は色柄物も漂白できる?
先述の通り、酸素系漂白剤であれば色柄物にも使うことができます。
実際の使用方法の前に酸素系漂白剤を使ううえで知っておきたいポイントを見ていきましょう。
・水洗いできない製品には使用できない
・粉末タイプの場合、毛・絹など動物性繊維には使用できない
・ボタンやファスナーなど金属があると化学反応を起こし、金属そのものがボロボロになってしまたったり、金属と触れている生地に影響を及ぼすので使用できない
・生地に金属染料が使用されていると、化学反応を起こし色が抜けたり、繊維を傷めるので使用できない
以上の4点が主な注意点ですが、1~3つ目までのポイントは、ケアラベルや実物を見るだけである程度判断出来ます。
ところが、最後の4つ目にある金属染料が使用されているかは見た目では判断出来ません。
そこで、色柄物に対し本格的に漂白処理を行う前に、衣服の目立たない箇所でテストを行う必要があります。
色柄物を漂白処理する前のテスト方法
漂白処理をする前に、湯に溶かした濃い目の液を目立たない部分につけて5分ほどおき、変色しているものや、変色していない場合でも白布をあててもんで色が移れば、漂白剤は使わないようにしましょう。
ちなみに、繊維に綿が使用されていると金属染料が使用されているケースが多い為、注意が必要です。
もちろん使用されていない物もありますよ。
全体に漂白剤を使う前に色柄物は必ずテストをしましょう!
色柄物に使う時の方法
使用上の注意も確認したので、ここからは実際の使用方法になります。
と言っても普段の使い方と大きく異なる点はありません。
手順は以下の通りです。
1.用意したぬるま湯に対して規定量の酸素系漂白剤を溶かします。
もし、気になる汚れがある場合は浸け置きしましょう。
2.成分を全体に行き渡らせるため、時々優しく揉み洗いします。
3.浸け置きが終わったら通常通りに洗濯して、よく乾かしてください。
浸け置き時間は30分から1時間が目安です。
落としたい汚れにあわせて、浸け置き時間を変えてくださいね。
酸素系漂白剤で生乾き臭を無くす方法
漂白剤といえば色素を落とすだけの役割という認識を持っている方も多いかもしれません。
ところが、除菌・殺菌効果もある薬剤ですので、梅雨時など湿気の多い時期などによく起こる「生乾き臭」を退治することが出来ます。
そもそも生乾き臭は、洗濯後でも残った汚れ(皮脂やたんぱく質)が湿気により菌の繁殖を増大させてしまうことで起きるのが原因です。
そのような理由から、生乾き臭を無くすには菌を殺す必要があり、そこで役立つのが酸素系漂白剤なのです。
ただし、これも出来るだけ効果を発揮させるには正しく使う必要があり、以下がそのポイントとして挙げられます。
酸素系漂白剤のタイプ
市販されている酸素系漂白剤には、粉末タイプと液体タイプのものが存在しますが、実は同じ酸素系漂白剤でも成分が異なります。
粉末タイプは「アルカリ性」で液体タイプは「酸性」です。
この違いにより使用出来る繊維と出来ない繊維が分かれるので注意しましょう。
また粉末タイプですが、「絹・毛などの動物性繊維の製品」には使用出来ません。
一方の液体タイプは「絹・毛などの動物性繊維の製品」でもボトルに書かれている指示に従えば使用することが出来ます。
洗濯槽をきれいにする
既に酸素系漂白剤を使用して試みているが臭いが取れない…。
こんな場合は、洗濯槽が汚れていることが考えられます。
最大限の効果を生む為にも、漂白剤をつかう前は洗濯槽を洗っておきましょう。
方法は、洗濯槽に40℃以上のお湯を入れて、粉末の酸素系漂白剤を溶かします。
10分程度撹拌したら数時間放置しておくと、洗濯槽にこびりついていた汚れやカビを落とすことができます。
40℃以上のお湯を用意する
酸素系漂白剤は、40℃以上のお湯を使わなければほとんど効果が出ないと言っても過言ではありません。
そのため必ずお湯を使うのがポイントです。
ただ、温度が高すぎると漂白の作用が急激に働き十分な効果が得られず、高温のため素材を傷める場合があるので注意してください。
まとめ
今回はどのご家庭でも重宝する漂白剤について見てきました。
酸素系漂白剤であれば色柄物にも使える上に、洗濯槽の掃除にも使えるのでとっても便利なアイテムです。
ただ、塩素系・酸素系・粉末タイプ・液体タイプのそれぞれに特徴があり、誤った使い方をすると大切なお洋服を傷つけることになります。
正しい使い方で大事なお洋服をきれいに長く着こなしましょう!