寒さが厳しくなるこれからの季節、お布団の中が恋しいですよね。
ですが、その寝具もっと暖かくできるかもしれないってご存じですか?
寝具類は素材や種類によってかけ方が異なってくるのです。
そこで今回は今日からでも活かせる、寒い時期に助かる寝具類の豆知識についてご紹介!
冬に使う寝具とその効果
そもそも寝具類にはそれぞれ役割があります。
まずは、冬に用意したい寝具類の役割や素材ごとの特徴について見ていきましょう。
掛け布団
何と言っても冬の寝具には外すことのできない掛け布団。
ただ一口に掛け布団と言っても様々な素材の物があります。
特徴も少しずつ違うので、それぞれ見ていきましょう。
羽毛布団
羽毛布団はボリュームふわふわで暖かいのが特徴。
保温性抜群なのに通気性がよく軽いため、一枚あるだけで冬の寝床がとても快適です。
正式にはダウン50%以上の物を「羽毛布団」、フェザー50%以上の物を「羽根布団」と呼びます。
また、良質な羽毛布団には全日本寝具寝装品協会が発行する「GFマーク」などの各種ラベルが付いているので選ぶときの参考にするといいでしょう。
ダウンとフェザーの違い
ダウン(羽毛)は、羽軸を持たずたんぽぽの綿毛のようにふわふわとしています。
フェザー(羽根)は、湾曲した羽軸があります。
赤い羽根や緑の羽根募金の羽根を想像するとわかりやすいですね。
ダウンは1羽の鳥から採れる量がとても少なく大変貴重です。
吸湿発散性に優れていて軽く、空気をたっぷりと含むことができるので暖めるのが大事な布団やアウターに用いられます。
一方、フェザーは湾曲した羽軸を持っているため弾力性があり、ある程度は型崩れもしないので枕やクッションに使われることが多です。
羊毛布団
名前の通り羊の毛を用いた布団で、ポリエステルが混ざったタイプも販売されています。
良質な羊毛布団にはGFマークがついており、羊毛100%の物には国際羊毛事務局による「ウールマーク」がついているので購入時はチェックしてみてください。
羊毛の繊維は「捲縮」と呼ばれる天然のカールを持ち、伸縮性や弾力性に富んでいます。
また、水分を吸収して発散する作用が非常に高いため、睡眠中もさらっとした使い心地を保つことができます。
羊毛布団は羽毛布団の次に保温性があるので、寒い時期にはぴったりです。
綿布団
植物の綿から採れる繊維を用いた布団で保温性の高さは羊毛布団に続きます。
綿の品質は「かさ高」や色合いなどによって特級・一級・二級・ポリエステル混に分類され、良質な綿布団にはGFマークなどがついています。
古来日本では綿布団が嫁入り道具の一つとされていました。
定期的に「打ち直し」と呼ばれるリフォームを行えば長く使用できるというのも特徴の一つです。
吸湿性が高く適度なクッション性と硬さがあり、天日干しをすれば「かさ」が回復する点もメリットです。
真綿布団
真綿とは蚕が作る繭を薄く引き伸ばしたもので、かつて「わた」と呼ばれ防寒具などに使用されていましたが、植物の綿花(綿)が流通したことから「真綿」として区別されるようになりました。
天然素材の中では最高級品で、吸湿性や放湿性、フィット性、軽さなどに優れています。
保温性は布団の厚さによって羽毛や綿よりも高い効果を得られることも…。
真綿布団は「シルク布団」とも呼ばれ、国産の繭を使用したものには大日本蚕糸会による「日本の絹マーク」がついています。
合繊布団
合繊とは「合成繊維」の略で、ポリエステル製の綿を用いた布団を指します。
保温性は綿布団に劣りますが、耐久性と弾力性があり、軽くて扱いやすく価格も手頃な点がメリットです。
抗菌や防ダニの加工が施されているタイプもあり、繊維からホコリが出にくいため衛生面も心配が少ないです。
ポリエステルは水分を吸収しませんが「透湿」と呼ばれる作用で繊維の間にたまった水分は発散されます。
良質な合繊布団にもGFマークがついているので確認してみてくださいね。
厚い敷布団
掛布団や毛布などで上から温めても敷布団が薄くて底冷えするようでは快適に寝ることができません。
厚めの敷布団で下からの冷気もしっかりシャットダウンしたいところ。
敷布団も掛布団同様に、素材によって保温性能だけでなく硬さや反発力も変わってきます。
予め自分の中で好みのタイプを決めてからお店に行くといいですね。
また、冬は外で布団を干すことがなかなかできないので、コインランドリーでも洗いと乾燥ができるなどお手入れ面も気にかけて選びましょう。
毛布
寒い冬を布団だけでしのぐのは大変…、そんな時に活躍するのが毛布です。
冬の寒さに負けないために毛布の保温力は必要不可欠です。
主な役割は掛布団だけでは足りない保温性を補うこと。
基本的に厚みがあるほど保温性も高くなるため選びがちですが、その分重くなってしまい寝苦しくなっては元も子もないですよね。
自分が使っている敷掛布団との相性を考えながら選びましょう。
もし、毛布選びに困ったら湿気を吸うと発熱する「吸着熱機能」に優れたウール素材の物がおすすめ。
他にも用意しておきたいアイテム…
電気毛布…
寒さが厳しく中々布団が暖まらないという方は電気毛布がおすすめ。
体の保温力を補ってくれて寒い寝床もすぐに温めることができます。
ただ電気毛布は温度をの設定を上げ過ぎると、寝汗をたくさんかいて逆に体温を下げてしまうことになるので、温度の上げ過ぎには注意が必要です。
布団に入る前までつけておいて、いざ布団に入るという時に電源を切るといいでしょう。
保温性の良い敷パッド…
電気毛布を使うのでなければ保温性の良い敷パッドで寝床を暖めたいところ…。
吸湿発熱タイプや遠赤外線タイプ、マイクロファイバー素材など様々な種類があるので自分の肌や求めている条件に合うものを選びましょう。
寝具を選ぶときのポイント
寒さ対策は掛布団や毛布などを意識する人も多いと思いますが、敷布団もしっかり用意しましょう。
実は敷布団は掛布団よりも熱が逃げていくのです。
掛布団だけでなく敷布団にも保温性の高い物を利用することが冬の安眠のポイントになります。
保温性の高い素材の寝具を用意したり、起毛の温かい敷パッドなどを用意するといいでしょう。
また、シーツはガーゼ等の柔らかい物を選ぶのがおすすめ。
ほわほわとした起毛や柔らかい肌触りは感触的にも温かく、繊維の間に空気の層が生まれることから保温性に優れている。
掛布団は温かくて軽いものがおすすめです。
重いと寝返りがしづらく、安眠を妨げる原因になってしまいます。
また隙間風が入りこまないようにフィット性が高いものを選ぶのもポイント。
軽さ・保温性・フィット性を考えると一番おすすめは「羽毛布団」になりますよ。
寒さ対策としてできること
ここまで寝具類の特徴や選び方について見てきましたが、今ご家庭にある物でも少し工夫するだけで暖かく過ごすことができるのです。
早速その方法を見ていきましょう!
布団の素材を変える
一口に掛布団と言っても様々な素材の物があり、それぞれ効果が異なります。
単に何枚も重ねても重くなるだけで暖かさは見込めません。
例えば薄いタオルケットを使用している場合は、まず掛布団を厚手のものに変えてみましょう。
綿毛布で寒いときはウール毛布、化繊の布団で寒いときは羽毛布団など素材の保温性も考慮しながら用意しましょう。
天日干し・乾燥機
冬であっても就寝中は汗をかくため布団は水分を含んでいます。
またつぶれて弾力の無くなった布団では保温性を望むことはできません。
寒い季節でも晴れた日は布団を干し、水分を飛ばしてふわふわに仕上げましょう。
冬に布団を干す場合は天気が良く、できるだけ湿度の低い日を選び、時間帯は10~14時頃の間にします。
天気が悪いときは布団用の乾燥機を使用するだけでも気持ちよく仕上げることができるので、ぜひお試しください!
※素材によって直射日光を浴びたりや乾燥機を使うことで傷むものもあるので、乾燥機にかける前にはラベルや素材を忘れずに確認しましょう。
敷布団の改善
冬の快適な眠りのため、敷布団にも目を向けてみましょう。
「フローリングの床に直接布団を敷いている」、「敷布団は薄い布団1枚しか敷いていない」などの場合は床にマットレスを敷いたり、複数枚の布団を重ねて敷いてみるだけでも、体感温度を上げることができます。
敷布団の上に起毛のシーツや薄手の毛布を敷いて寝るのもおすすめです。
電気毛布の活用
布団だけで寒いときは電気毛布やあんか、湯たんぽをプラスするといいでしょう。
電気毛布は掛布団の下に敷き、寝る30分ほど前に高めの温度で設定しておき、布団に入ったら電源を切る方法をおすすめします。
電気あんかや湯たんぽを使う時は同じ場所に長く使用するのではなく、時々位置を変え火傷に気を付けて使用しましょう。
睡眠環境を整える
温かい布団を用意しても室温が低ければ寒さを感じますよね。
快適に眠るための室温の範囲は13~29℃とされています。
室温は15℃で、湿度は50%程度を目安にするといいでしょう。
また、入浴は寝る2~3時間前に済ませ暖かいパジャマを着て、寝る直前までは靴下をはいて足を暖めておくなどの習慣も取り入れると暖かいまま布団に入ることができます。
※足が汗で蒸れたり、血液循環の妨げになるので就寝中は靴下を脱いでください。
どうしてもは着たい場合は足首ウォーマーや脱ぎやすい靴下を履くといいでしょう。
毛布は一番上にかけた方がいい?
「毛布を布団の上にかけて寝ると暖かい」という話を聞いた事がある人も多いのではないでしょうか?
確かに毛布を上にかけた方が暖かくなることもありますが、全ての場合に当てはまるわけではありません。
実は毛布を布団の上と下どちらにかけるかは使う布団の素材によって変わってくるのです。
掛け布団が羽毛布団の場合
羽毛布団は直接肌に密着させた方が保温力を発揮するのです。
というのも、羽毛は体温を感知することで膨らみ暖かい空気をたくさん含みます。
さらに羽毛布団は吸放湿性に優れているため、快適な睡眠に必要な湿度も保ってくれる効果があるので、体と羽毛布団の間に毛布を入れてしまうと、せっかく羽毛布団を使っているのに最大限の効果が発揮できないということが起こってしまうのです。
掛布団が羽毛布団以外の場合
羽毛布団以外の掛布団(化繊、羊毛、綿布団など)の場合は毛布を掛けてから布団をかけるのがベストです。
その理由はこれらの布団は羽毛布団に比べてフィット性能が低く、布団をかけたときに体と布団の間に隙間ができやすいため。
毛布にはその隙間を埋めて暖める効果があります。
他にも気を付けるポイントが…
重い毛布は却ってよくない…
羽毛布団をかける際であっても厚手だったり重い毛布は上に掛けない方がいいでしょう。
重い毛布を羽毛布団の上にかけると、羽毛布団がつぶれ暖かい空気を含むことができる隙間が無くなってしまいます。
これでは羽毛布団の保温効果が薄れてしまうので、羽毛布団を使う時は軽い毛布を選びましょう。
毛布でなくタオルケットをかけるのでも保温効果が見込めますよ。
毛布の素材にも注目…
ウールやカシミヤなどの天然素材で出来ている毛布は、羽毛布団と同じく吸放湿性が高いので羽毛布団の下に入れても問題ありません。
むしろ布団の上にかけても、熱を逃さないように蓋をする効果が見込めません。
化学繊維を使った毛布は熱をしっかり閉じ込めてくれるので、羽毛布団の上にかけるなら化学繊維の毛布がおすすめ。
布団と毛布 おすすめの掛け方
先ほど必ずしも毛布を上にかけるのが暖かく寝るためのコツではないとご説明しました。
それでは冬はどう布団を重ねればよいいのでしょうか。
室温に合わせて重ね方の例をご紹介!
もちろんこの通りにしなければいけない訳ではないので、個人の肌触りや温かさに応じて変えてみてください。
室温が5~10℃
室温の低い部屋で寝るときは「天然繊維+羽毛布団」、または「天然繊維の毛布+肌掛け布団+羽毛布団」の組み合わせがおすすめ。
羊毛や綿など掛布団を使用するときも天然繊維の毛布を下に掛けますが、布団がふっくらしている場合は合成繊維の軽い毛布を上にかける方法でも良いでしょう。
室温が10~15℃
一般的な室温で寝るときは、「天然繊維の毛布+羽毛布団(または羊毛や綿などの掛布団)」の組み合わせがおすすめです。
布団がふっくらとしている場合は合成繊維の軽い毛布を上にかける方法でも良いでしょう。
室温が15~20℃
やや暖かい部屋で寝るときは綿毛布または「タオルケット+羽毛布団(または羊毛布団や綿などの掛布団)」でも十分暖かく寝ることができるでしょう。
むしろ毛布などを足してしまうと暑くて寝苦しかったり、寝汗をたくさんかいてしまい体を冷やすことがあります。
まとめ
今回は寒い冬を乗り切るためにできる寝具類に関する豆知識をご紹介しました。
毛布と布団の掛ける順番など初めて知ったことも多いのではないでしょうか?
暖かい寝具を使うのも大事ですが、人によっては肌に合わない方もいると思うので、自分の肌質ともしっかり相談することが大事です。
自分にあった寝具類を暖かく活用して、寒さに負けず過ごしましょう!