日常

子供の服は安全性を大事に!~服についている紐で思わぬ事故が!?~

皆さんはお子様の服どうやって選んでいますか?

「子供の趣味に合わせて」、「流行りのデザインの物を」という方も多いかと思います。

子供服は快適性やデザイン面から”ひも”がついている物が多くあります。

実はこのひも、思わぬ事故につながることがあるのです。

安全に”絶対”はありませんが、事故を防止するためにも、より安全な服を選ぶためのポイントを紹介します。

着ている服で子供が事故に?

皆さんの身近では着ている衣服によって小学生以下の子供が事故に遭ったり、危ない目に遭ったりする経験はありませんか?

東京都が平成18年(2006年)に行った調査によると、着ている衣服が原因で子どもがけがをした・危ない目に遭った・ヒヤリとした経験がある親は全体の77%に上ります。

さらに、実際に衣服が原因で子どもがけがをした経験がある人は6人に1人、子どもにけがはなかったが危険な目に遭った経験のある人は、5人に3人の割合となっています。

子ども服による事故でよくあるのが、ひもやベルト、フードなどが遊具や家具、ドアノブなどにひっかかったりはさまれたりすることで、転倒してけがをしたり、宙吊りになって窒息したりする事故です。

アメリカやヨーロッパでは、服に付いていた“ひも”に起因する死亡事故が発生したことを受け、子ども服の“ひも”についての公的な安全基準が制定されました。

日本では、各メーカーにおいて、洋服の安全性について配慮されていましたが、安全基準がバラバラだったため、平成27年12月、新たな安全基準「JIS L4129」が制定されました。

衣服が関係した事故の例

首まわりのひも
・滑り台の枠に引っ掛かった

・ブランコの鎖に引っ掛かり、降りるときに転倒した

ウエストや腰まわりのひも
・上着の紐が自転車の車輪に巻き込まれた

・長いひもを自分で踏んだ

・スクールバスのドアに挟まれた

ズボンの裾のひも
・電車のドアに挟まれた

・エスカレーターに挟まり転倒した

フード
・ドアノブに引っ掛かり、首が締まった

・引っ張りあって転倒した

この様に衣服が原因の事故は何気ない日常生活の中で起きています。

日本ではこれまでの所死亡事故は確認されていませんが、欧米では死亡例の報告があり、日本でも十分な注意が必要です。

安全性の高い子供服を選ぶには?

大人が子供服を選ぶ際、色や形などファッション面でのデザインや着心地、脱ぎ着のしやすさなどの他に安全性についても十分に考えて選びましょう。

子供がその服を着てどのような行動をするか―――走ったり、飛び跳ねたり、勢いよくしゃがんだりなど様々なシーンを考え、その際に周囲の凹凸につまずいたり、衣服が引っ掛かったりしないかどうか想像してみてください。

例えば下図のような点について点検して、なるべくリスクの低い服を選ぶことが大切です。

今ある服でできること

既に持っていたり、誰かから送られたりした子供服、またはリサイクルショップで売られている古着などに不安な点があった場合は次のような工夫を考えてみましょう。

・紐を抜くか切って短くする

・紐を適度な長さで衣服に縫いつけ、周囲の突起物などに引っ掛かりにくいようにする

・ポンポンを切り取る

・子供の体格に合った服を着せる
(サイズが大きすぎることで周囲の突起物に引っ掛かったり、裾を踏んでしまったり、子供が動きにくくなり事故が起きる可能性が上がるため)

・時と場合に応じた服を着せる
(子供が激しく動くことが予想される場合や大人の見守りが無い場面では、あらかじめ紐やフードなどひっかける可能性がある服を避ける)

子供服の安全基準

子供服に起因する事故を防ぐため、平成27年12月に子供服安全に関する「JIS L4129よいふく)」が制定されました。

JISとは日本工業規格の事で、メーカーにとってはお手本となる教本のようなものです。

JISに強制力はありませんが、関連事業者にとって子供服関連の一定の方針として役立っています。

この「JIS L4129」では、子供服の紐について、年齢層別・身体部位別に紐の有無や長さなどについて示しており、概要は次のようになっています。

JIS L4129で定められた安全基準の例

これらは、13歳未満が着用する子供服が対象になります。

・頭や首周りから垂れ下がる紐はつけられません

・背中から出る紐はつけられません

・丈の長い上着やズボンの裾など、またより下に裾がある場合、垂れ下がった紐をつけることはできません

こんな場合は対象外です

次のような衣服は、ほとんどの場合、子供の世話をする者の監視下で限定された期間着用されるため、JIS L4129の対象外とされます。

・民間儀式、宗教儀式または祝祭で着用する祝賀衣料
七五三の衣装など

・専門のスポーツ衣料
競泳用の水着など

※いずれも普段着として一般に着用されたり、監視者がいない状態での着用が想定されるものは対象となる。

子供の服の紐に関する国内統一の安全基準が定められたことにより、今後は今まで以上に安全性に考慮された子供服が広がっていくことが期待されています。

ただし、子供服メーカーは非常に数が多く、日本全国全てのメーカーにこのJIS情報が行く渡っていないかもしれません。

また、JIS規格は任意の規格で強制力はないため、JIS規格制定後も、規格外の商品が生産、販売される場合もあります。

販売店や製造元に確認することもできるので、皆さん一人ひとりが「この服は安全か」という意識を常に持って子供服を選ぶようにしましょう。

まとめ

今回は子供服の安全性に関する内容をご紹介しました。

子供は思わぬ行動をとることが多く、日常生活でも事故の危険性がたくさんあります。

どうしても、四六時中目が届く範囲にいるわけではないので、少しでも事故を防ぐために身に着ける衣服から、安全性を意識していきましょう。

暗くなるのが早いこの季節は反射板が付いたジャンパーや明るい色の服を着用することでも事故防止に繋がります。

これらの内容は子供だけに関わらず大人の衣類にも言えることです。

お洒落を楽しむのも大切ですが、安全面に気を付けて衣類を選ぶのも心に留めておいてください!

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