まだまだ寒い日が続きますが、皆さんどうお過ごしでしょうか?
この時期は毛足が長いニットや裏起毛の付いたコートが手放せないですよね。
でも、ずっと着続けていると毛玉ができてたなんてこと経験ありませんか。
毛玉ができてそのままだとだらしない印象とは思うけど、どうやって取ったらいいかわからない…。
以前自分で取ろうとして大事な衣類を傷つけてしまった…なんて人必見!
今回は冬物衣類とは切っても切れない毛玉の予防策と対処法をお話しします!
ご家庭でもできる物ばかりなので是非お試しください。
毛玉ができる原因
洋服を着ているといつの間にかできている毛玉ですが、何故できるのでしょう?
毛玉があると生活感が出てしまい見栄えも悪くなり、気分のいいものではないですよね…。
大きな発生原因としては、着用時、洗濯時の摩擦です。
生地同士がすれて静電気が発生し、生地表面の繊維が絡まってしまい、それを繰り返すことで毛玉になるのです。
毛玉は衣類同士でなくても、衣類とカバンや小物とこすれて発生することもあります。
洗濯では洗濯機で洗っている際に他の衣類とこすれることが原因で毛玉が発生します。
生地の表面の毛羽立ちが絡み合うのが原因なので、元々けば立っている短繊維からなる紡績糸の製品は毛玉ができやすいです。
冬の衣類を想像するとわかりやすいですね。
コートのもこもことした裏地やニット製品に毛玉ができやすいのはこのためです。
できやすい素材
ナイロン・ポリエステル・フェルト・アクリルなどの人工的に作られた化学繊維は毛玉ができやすいです。
理由としては、化学繊維は強度があるため生地同士の擦れでも強い摩擦が起きます。
強い繊維であるが故しっかりと表面にとどまり毛玉が取れにくいため化学繊維の衣類は大きい毛玉ができやすく目立つのです。
安くて保管時も虫食い被害に遭いにくいのが利点な化学繊維の衣類は持っている方も多いと思いますが、思いがけないデメリットがあるのです。
セーターなどを長期間クローゼットやタンスに無理に詰め込むと取り出したときに毛玉が大量にできていたということもあります。
収納の際は隙間があるからと言って詰め込まず、多少ゆとりを持たせて仕舞う方がいいですね。
化学繊維は毛玉ができやすいですが天然繊維であるウールなどの動物繊維どうでしょうか。
動物繊維は化学繊維に比べると毛玉ができにくいです。
正しくは毛玉ができても表面にとどまらず自然に落ちるのです。
これは動物繊維の強度が低く、毛玉ができても摩擦で取れてしまうためです。
また、動物繊維と同じ天然繊維である植物繊維はとても毛玉ができにくいです。
植物繊維は綿や麻、絹が含まれます。
これらの植物由来の素材は摩擦に強く、繊維同士が絡まることも少ないため毛玉ができにくいのです。
動物繊維や植物繊維は、化学繊維の製品に比べ毛玉ができにくいですが、全くできないわけではないので注意してください。
他にも「アクリル」と「綿」、「ポリエステル」と「毛(ウール)」のような混紡糸の製品も注意が必要ですよ!
できやすい場所
毛玉は脇や袖の内側など、繊維同士もしくは繊維が他のものとこすれる場所に起きやすいです。
一言で表すと「衣服に対する摩擦が大きい場所」は毛玉ができやすい要注意ポイントです。
この時見落としやすいのが、肩や背中部分などになります。
「そんな所こすれる事ないよ」と思う方もいるかもしれませんが、普段リュックサックやショルダーバッグを持ち歩く人は毛玉が起きやすい箇所なのです。
肩はベルト、背中はリュックサック本体などと当たるため毛玉を発生させることがあります。
ショルダーバッグであれば、バッグ本体部分が良く当たる腰部分も注意が必要です。
こういったカバン類だけでなく椅子や背もたれ、重ね着でも、少なからず摩擦は生じているので背中などの部分も毛玉が起きることがあるのです。
こう言われてみると皆さんのお持ちの衣類の中にも肩や背中に毛羽立ちや毛玉のできているものがあるのではないでしょうか?
そこで、次からは厄介な毛玉を作らないためにできることをお話ししていこうと思います。
毛玉を予防するには
毛玉を予防するには「洗濯」の中でできることと、「洗濯以外」でできることの2つがあります。
ここで挙げるのは、あくまで予防なので完璧に毛玉を阻止できるわけではないですが、大事な衣類の寿命を延ばすことにも繋がるのでぜひ試してみてください。
洗濯の中でできる事
裏返して洗濯…着用時に表となる部分を守るために裏返して洗濯をしましょう。
裏返しにすることで表の生地を摩擦から防ぐことに繋がります。
洗濯ネットに入れて洗う…洗濯ネットに入れて洗うことで他の衣類と絡まることを予防できます。
またネットの中で衣類が動いてしまわないようピッタリサイズの物を使いましょう。
もしネットが大きいときは余った部分をゴムで縛ってサイズを合わせてください!
パイル地のものと一緒に洗わない…パイル地を始め生地に凸凹があるものは、過度な摩擦を引き起こしてしまうので、毛玉が起きやすい衣類とは別で洗ってあげましょう。
「パイル地」とは
パイルは織り方の種類で、繊維を丸くループ状に織ったものです。
丸いループ状の糸を英語でパイルというのが名前の由来です。
質感はタオルと同じでタオル生地というとイメージしやすいですね。
※日常的に使うタオルの多くがパイル地で作られています。
適正な洗濯洗剤や柔軟剤を使う…様々な種類の洗剤がありますが、ニット専用やおしゃれ着用など洗う衣類にあったものを使ってください。
何が合うかわからないと時は、衣類のタグで使われている生地や繊維などを見て、それ専用の洗剤を探してみてください。
また、柔軟剤は繊維をコーティングして毛玉を予防する効果があります。
だからと言って入れすぎは厳禁!過度な使用は生地の劣化の原因にもなるので適量で使用してくださいね。
優しく洗うコースを使う…毛玉を予防するには手洗いが一番ですが毎回手で洗うのも大変ですよね。
そんな時は洗濯機のドライコースなど優しく洗ってくれる機能がおススメです。
※メーカーによってコース名が違うので予め説明書などでご確認ください。
他にも、毛玉予防にはクリーニングに出すのも一つの手です。
家庭洗濯(水洗い)でも洗えないことはないですが、素材や製品によっては家庭で洗うことが難しかったり、新品同様の風合いを保つことを優先するならクリーニング店(ドライクリーニング)に任せるのがいい事があります。
洗濯以外の毛玉予防
着用後はブラッシング…毛玉は起毛品、編物(ニット)などの、ひねりが甘くふわふわな風合いの糸を使用した品物に特にできやすいです。
なので、着た後は洋服用のブラシで毛並みを整えて、繊維の絡まりをほぐしてあげることが毛玉予防に繋がります。
この時に使うブラシはできるだけ目が細かく柔らかい物を選んであげる。
毎日同じ服を着ない…コート類やカーディガンなど1日着た衣類はできるだけ連続して着ないようにしましょう。
連続して着ると摩擦や繊維同士の絡まりが発生しやすくなるのですが、1日でも休めてあげると繊維の毛羽立ちが完全ではないですがおさまるのです。
毛玉防止スプレーや静電気防止スプレーを使う…静電気が発生すると繊維同士がくっつきやすくなり毛玉が発生しやすくなりますが、このスプレーを使うことで、静電気を防止して繊維同士をくっつきにくくなり、結果的に毛玉予防になります。
静電気防止スプレーと毛玉防止スプレー
静電気防止スプレーや毛玉防止スプレーは、ドラッグストアやホームセンター、スーパーなど様々なところで販売されています。
静電気防止スプレーに関しては、百円ショップにもあるみたいです。
ですが、お店によっては取り扱っていないところもあるみたいなので、店員さんに聞いてみるといいでしょう。
最近ではネット通販でも買うことができるので、冬季など店舗で売り切れが予想される時期は嬉しいですね♪
ニットをよく着る方やお気に入りのニットがある方、毛玉取りは面倒だから事前にケアしておきたい方には特にお勧めです。
ちなみにこのスプレーですが、ご家庭で簡単に作れることを知っていますか?
おうちにあるもので簡単に作れるので静電気が発生しやすい冬季などは常備しておいてもいいかもしれませんね。
自作静電気防止スプレー
材料
・ヘアトリートメント 5ml
・柔軟剤 5ml
・水 200ml
・スプレーボトル
作り方
①.ヘアトリートメントと柔軟剤をしっかり混ぜ合わせます。
②.①で混ぜ合わせたものに水を入れて薄めます。
③.スプレーボトルに移して完成です。
ポイント
・ミネラルウォーターや浄水で作るとボトル内で雑菌が繁殖しやすいので、スプレーを作るときに使う水は水道水にしましょう。
・このスプレーを作るときに入れる水の量は、ヘアトリートメントと柔軟剤を混ぜたものの20倍です。
これさえ覚えておけば好きな分量のスプレーを作ることができますね♪
市販の物、自作の物に問わず、衣服に使用する際は目立たないところに使用してから衣類全体にも使うようにしてください。
衣類の素材やスプレーによってはシミや変色、色落ちが起きる可能性もあるからです。
使い方としては毛玉を防止したい場所に吹きかけ、ブラシなどでなじませてください。
このひと手間で厄介な毛玉予防になるなら、やらない手はないですね!
もし、スプレーの香りが気になる時は、スプレーした後に風通しのいい場所で陰干ししてから着るといいですよ。
自宅で毛玉取り
予防をしていても毛玉が発生するのを完全に防ぐことはできません。
そこで次は毛玉ができてしまった時の対処法を見ていきましょう。
毛玉は生地の繊維が絡み合ってできているので、出来たら取り除けばいいというものではありません。
出来たら取り除くというサイクルを繰り返してしまうと、繊維がやせて生地が薄くなってしまいます。
これは破れやほつれの原因にもなるので絶対に避けましょう。
毛玉取り用ブラシ
予防にも使えるこのブラシですが、毛玉ができてしまった際にも活躍します。
毛玉を取ると同時に、毛玉になっていない箇所には予防にもなるので一石二鳥です。
衣類を平らな場所に置いて、毛玉ができているところを満遍なく優しくなでるようにブラッシングしてあげてください。
力を入れすぎると毛玉以外の生地を傷めることに繋がるので、毛玉の表面をなでるようにブラッシングしてあげるといいですよ。
100円ショップでも購入できるので一つは常備しておくと安心です。
化学繊維の毛より、動物の毛の方が生地を傷めにくいです。
電動毛玉取り器
電動毛玉取り器は、衣類に当てるだけで内蔵されている刃で毛玉とってくれる優れものです。
衣類の広範囲に毛玉ができている時は効率よく取り除くことができます。
毛玉を取り除く力が強い分、衣類にダメージを与えたり、穴をあけることがあるので強く当てすぎないようにしましょう。
また、毛足が長いものなどすべての衣類に使えるわけではないので注意が必要です。
電化製品を売っているお店やネット通販でも買うことができ、価格の相場は3,000円前後です。
コードレスタイプや充電しながら使えるタイプなど様々な種類のものがあるので、使用時間など自分のスタイルに合ったものを選べるのもいいですね。
T字カミソリ・食器用スポンジ
特別なものを買わず自宅にあるものでケアするときに役立つのがこの2種類です。
食器用スポンジは硬くザラザラした部分を使います。
このザラザラとした部分は「不織布研磨剤」という素材でできており、こすると化学繊維同士が絡まることで毛玉が取れるのです。
いずれも毛玉ができた部分に優しく丁寧にこすりつけます。
早く動かすと毛玉をとれずに生地を傷めるだけなのでゆっくり撫でてあげるのがポイントです。
何度も同じ場所をこすってしまうと生地が傷むので注意が必要です。
ハサミ
ハサミは毛玉を切ることできれいに取り除くことができます。
毛玉ができた範囲が狭かったり、1箇所に集中して毛玉ができていたり、ブラシや毛玉取り器では取り除けない大粒の毛玉の時はハサミが適しています。
毛玉ができている場所を軽くつまみ少しずつ切るのがコツです。
小さめのハサミを使うと取りやすいです。
一つ一つ手作業で時間と手間がかかるからと言って大きく切るのは厳禁です。
毛玉を取る際にやってはいけないこと
毛玉をむしる…毛玉に限らず「むしる」という行為は衣類に大きなダメージを与えるので絶対にしてはいけません。
無理に引っ張れば生地から繊維が引き出されてその部分だけ薄くなるなんてことも…。
ガムテープを使う…ガムテープで毛玉を取るのもNGです。
むしる行為と同じく無理に生地から絡まった繊維(毛玉)を引っ張ることになるので毛玉以外の部分にもダメージを与えてしまいます。
コロコロを使う…コロコロもガムテープのように粘着で引っ張ることになるので使用は避けましょう。
また、コロコロは静電気を帯びているため毛玉を取るどころか、毛玉の原因となる摩擦を生じさせることになります。
電動毛玉取り器の注意
先ほど電動毛玉取り器は自宅での毛玉ケアにおススメと紹介しましたが、最初から毛玉取り機に頼るのはおススメできません。
というのも、毛玉取り器は力が強いので毛玉以外の繊維も少なからず刈ってしまいます。
なので最初から毛玉取り機に頼ってしまうと、刈る必要のないところまで刈られてしまい、衣類の寿命を縮めることになってしまいます。
ですから、自宅での毛玉ケアの際は初めはブラシなどを使い、どうしても取り除けない場所などだけに毛玉取り器を使うようにしてください。
…こう聞くと毛玉ケアって面倒ですよね。
なので日頃から毛玉ができないようお手入れしてあげるのが大事です。
クリーニング店で毛玉取り
自宅で毛玉を取り除くのって時間もかかるし、道具も色々いるしで面倒と思ったそこの方にお勧めなのがクリーニング店に任せることです。
手間をかけずに衣類がきれいになるなら使わない手はないですよね。
また、衣類のプロが対応することもあり自分でやるより失敗するリスクが低いのも魅力ですね。
クリーニング店に毛玉取りを任せるべき理由は大きく3つです。
自分でやるより失敗のリスクが低い…ここまで読んでいただいたらわかる通り、毛玉取りは丁寧さと繊細さが求められます。
慣れずにやった結果、やるとかえって事態を悪化させることもあるので、最初からプロに任せた方が安心ですね。
手間がかからない…毛玉取りは量や衣類の素材によって道具を変えたりと何かと手間がかかりがち…。
根気のいる作業なので時間もかかりますし、家族の分もある方は1枚の服に時間をかけていられないですよね。
保証制度がある…これが自分で毛玉ケアしたときとの一番の違いです。
クリーニングでは毛玉取りを依頼して、毛玉が残っていたら無料で再仕上げをしてくれるところがほとんどです。
万が一衣類に傷がついていたら、賠償制度もあるので安心です。
クリーニング店に毛玉取りを任せたい場合は、衣類を預けるときにその旨を必ず伝えてください。
何も伝えなくてもサービスで行ってくれるところもありますが、指示が無ければ対応してくれないお店もあるからです。
対応してくれないお店の多くは毛玉取りがオプションとして代金が発生する為だと思われます。
仕上がりの日数はお店や品物の状態によりますが1週間~10日が目安です。
プロだからと言って家庭でやるより早く仕上がるわけではありません。
毛玉取り以外にも洗いや乾燥の工程も入るので少し時間がかかる場合が多いのです。
家庭でやるのと違い仕上がりはきれいなことが多いですが、稀にそうでないこともあります。
原因としては2つあり、1つは「それ以上やると生地にダメージを与えてしまうため」です。
クリーニング店は衣類メンテナンスのプロです。
毛玉を取るだけではなく衣類の耐久性も見つつ判断しているので、衣類にダメージを与えると判断した場合すべての毛玉が取れてこないこともありあります。
もう1つは「クリーニングの中で毛玉が発生した」可能性があるためです。
この記事の中で洗濯でも毛玉ができる可能性があるという話をしたかと思います。
それはクリーニングも例外ではありません。
もし、クリーニングから帰ってきた衣類に出す前は無かった毛玉があったらお店に伝えましょう。
仕上げ直しや「クリーニング事故賠償基準」に則った対応をしてくれるはずです。
注意したいのがクリーニングによって毛玉ができたことを利用者が立証できないと、クレームを入れても対応してもらえないケースもあるので注意してください。
クリーニング店の毛玉取りとは…
家庭でやる毛玉取りと作業自体は大きく大差がありません。
毛玉取り作業を繊維ごとによって作業内容・洗剤・道具を変えて行っているのです。
生地・繊維の汚れに合った洗剤で汚れを落とし、繊維に合わせた仕上げ材を使い摩擦を軽減する仕上げを行い、クリーニング後は繊維に合わせたブラシで表面を整えています。
家庭と違い繊維ごとに使用するブラシを変えているので、生地への負担を減らしつつきれいに繊維を整えることができるのです。
それでも残っているものは剃刀や毛玉取り器などで手作業で毛玉部分だけをカットし取り除いています。
クリーニング店の毛玉取りでは生地への負担を最小限に毛玉を取り除きつつ、新しく毛玉ができにくい加工までやってくれるのでぜひ活用してみてください。
まとめ
今の時期活躍するニットやコート類に付きがちな厄介な毛玉についてお話してきました。
中には毛玉の原因が汚れだと思っていた方もいらっしゃたのではないでしょうか。
毛玉は繊維の絡まりなので早めにケアしてあげれば重症化を防ぐことができます。
日頃から1日着たらお手入れして衣類を休ませてあげることを心掛けましょう。
服を着るうえで毛玉とは切っても切れない関係なのでお手入れ用の用品を常備しておくといいですね。
また、無理に自分で毛玉取りをやろうとせずクリーニングなどを頼るのも手です。
衣類のプロが丁寧に対応してくれるので、きれいな状態に戻してくれること間違いなしです!