皆さんは「清明」という言葉を聞いたことありますでしょうか。
春先に聞くけど、どんなものかよくわからない方も多いかと思います。
そこで今回の記事では、清明の時期やどんな意味を持つのか詳しくご紹介します。
清明とは

清明は、二十四節気のひとつで、春分と穀雨の間に位置する節気です。
二十四節気とは、1年を太陽の動きに合わせて24等分し、それぞれに季節の名前をつけた暦のしくみ。
古代中国で生まれ、日本にも伝わって今日まで使われ続けています。
「清明」という言葉の由来は、日本の暦の解説書である「暦便覧」に記されている「清浄明潔」という四字熟語です。
これは「すべてのものが清らかで明るく、生き生きとしている」という意味。
「清」は水や空気が澄み渡り、穢れのない状態を表し、「明」は太陽の光が差し込み、万物を明るく照らす様子を示します。
この二文字が合わさることで、春の自然が一斉に輝き始める情景が目に浮かぶようですね。
2026年の清明は4月5日で、期間にすると二十四節気「穀雨」の前日である4月19日まで。
たくさんの花が咲き風が心地よく感じられる清明は、入園式や入学式が行われ、新年度の始まる時期で、まさに季節感ぴったりです。
心地よい天候の理由

清明の晴れた日、外を歩いていると「気持ちが良いな」と感じた事がある方も多いのではないでしょうか。
清明のころの平均気温は、九州から北海道は11月上旬~11月下旬(沖縄は11月下旬~12月上旬)と大体同じで、冷たさを感じるくらいの空気感です。
ただ、清明のころと11月上旬~11月下旬では、太陽の高さが大きく違います。
太陽の高さは季節とともに変化し、夏至(6月21日頃)に最も高い位置を通り、冬至(12月22日頃)に最も低い位置を通ります。
清明の頃の太陽は、冬至が近づく11月上旬~11月下旬に比べて高い位置を通るため、平均気温は大体同じでも、日差しはずっとまぶしく、強く感じられます。
”冷たさを感じるくらいの空気”と”強い日差し”、このアンバランスさが清明の明るく清らかな季節感を作り出しているようです。
また、冷たい北風の吹く季節が終わり、南東からの穏やかな風が吹くようになります。
そのため清明のころは本格的な春の訪れを感じさせてくれるのです。
清明の花「ソメイヨシノ」

清明の時期に見ごろを迎える代表的な花は「ソメイヨシノ」です。
九州~東北にかけての広い範囲で、順に見ごろを迎えます。
日本各地でお花見シーズンとなりますが、昼間は紫外線への対策を忘れずに。
また、夜は冷えてきますので、ブランケットや座布団など準備しておくと安心です。
清明の時期に旬を迎える食材

生命力あふれるこの時期は、旬を迎える食材が豊富に揃います。
そのため、食卓にとっても恵みの季節です。
春の野菜
たけのこ
清明を代表する春の食材です。
地面から顔を出したばかりのたけのこは、シャキシャキとした触感とほのかな土の香りが魅力。
若竹煮や炊き込みご飯など、シンプルな調理法で素材の旨みを存分に味わえます。
新玉ねぎ
新玉ねぎは収穫後すぐに出荷されるため、通常の玉ねぎより水分が多く、辛み成分である硫化アリルが少ないのが特徴です。
生のままスライスしてサラダにしたり、カツオのたたきに添えたりすると、みずみずしい甘みが際立ちます。
アスパラガス
何と言っても穂先の甘みとシャキッとした歯ごたえが魅力。
サッと茹でてシンプルにいただくだけで、素材の良さが際立ちます。
定番の肉巻きやパスタ、春巻きの具にもおすすめですよ。
山菜(ふき・こごみ・ぜんまいなど)
春といえば山菜の美味しい季節。
ほろ苦さや独特の香りは、他の食材では味わえません。
天ぷらやおひたしで楽しむのが定番ですが、意外と洋風の料理にも合う食材が多いです。
山菜の野趣あふれる風味は、食卓に春の里山の空気を運んでくれます。
海の幸

初ガツオ
カツオといえば春の海の味覚を代表する魚です。
黒潮に乗って北上してくる3~5月頃のカツオは、脂が少なく、赤みのさっぱりとした上品な味わいが特徴。
たたきにして薬味とポン酢でいただくのが定番の食べ方です。
サワラ
「春を告げる魚」とも呼ばれる白身魚で、塩焼きや西京漬けとの相性が抜群です。
あっさりとした味わいの中に、上品な旨みが感じられます。
桜えび
桜えびもこの時期が旬。
鮮やかな赤桃色と香ばしい風味は、かき揚げや炊き込みご飯で存分に楽しめます。
その彩の美しさも、春の食卓を飾るのにぴったりといえるでしょう。
果物
はっさく・デコポンなど
国産の柑橘類は、爽やかな香りと甘酸っぱさが春らしい果物です。
そのまま食べるのはもちろん、魚介料理のマリネなどに活用すると、全体をさっぱりとまとめて仕上げてくれます。
いちご
いちごは12月頃から出回り始めますが、旬を迎えるこの時期のものは特に甘みが増すのがポイント。
鮮やかな赤色は食卓を華やかに彩り、デザートとして大活躍します。
ヨーグルトに添えたり、スムージーにするのもおすすめです。
沖縄の清明祭

清明のころ、沖縄では「清明祭」というお墓参りをする行事があります。
これは中国の四大伝統節日のひとつ、自然が活気を取り戻す季節に先祖をしのぶ日として続いてきた「清明節」が伝わったものです。
沖縄の方言では「清明祭」を「シーミー」と発音します。
お墓の前に親戚が集まり、重箱につめた料理や酒、花をお供えしたあと、皆でお供えしたごちそうをいただきます。

重箱は餅重が2箱、料理が2箱で1セットと決まっており、1組はご仏前に向けてお供え、もう1組は手前に並べます。
料理の中身はカステラかまぼこや紅白かまぼこ、揚げ豆腐、天ぷら、田芋、昆布、ごぼう、こんにゃく、皮付きの三枚肉の9品が基本です。
お墓の前で重箱を広げ、ごちそうをいただく様子は、まるでピクニックのようで、皆のふれあいの場となっています。
沖縄の人々にとって、清明祭は、お盆、正月と並ぶ三大行事のひとつ。
二十四節気の「清明」は特別な季節なんですね。
まとめ

清明は、冬の終わりを告げ、すべての命が清らかに輝き始める、特別な春の節気です。2026年の清明は4月5日から約15日間にわたります。
澄んだ空気を取り込んで、新しい生活への一歩を踏み出しましょう。
また清明の時期は、このタイミングでしか楽しめない食材のオンパレードです。
ぜひ、食卓に取り入れて春の訪れを五感で味わってみてください。