日常

形や素材で名称が変わる洋服のボタン~身近な物からあまり見ない種類まで大集合!~

素材や種類によって様々な種類があるボタン。

ついているボタン次第で印象や着心地が変わることも多く、衣類にとって大切なパーツの一つです。

皆さんの今日の服にボタンはついていますか?

「ついている」という方が、多いのではないでしょうか。

でもそのボタン、何という名前で何からできているかまで知っている人は少ないのでは…?

そこで今回は数多くあるボタンの一部をご紹介します。

ボタンの種類

まずはどんなボタンの種類があるのかから見ていきましょう。

もしかしたら知らないボタンや初めて名前を知るボタンもあるかも…。

二つ穴ボタン
丸や四角ので厚みの無い素材の中心に糸を通すための穴が2つ空いているボタン。

シャツやブラウスに使用されることが多く、生地との固定が少ないため取り外しが容易な点が特徴です。

四つ穴ボタン
二つ穴と併せて最も一般的なボタンの形と言えるでしょう。

生地を固定する箇所が多い分、安定感が出てしっかり留まります。

そのためスーツやコートなど厚めの生地に使用されることが多いボタンです。

足(脚)つきボタン
「一つ穴ボタン」や「シャンクボタン」とも。

ブレザー・詰襟問わず、学生服についているボタンと言えばこの足つきボタンでしょう。

コロンとしたかわいい形で女性の洋服の飾りとして使われることも多いですね。

二つ穴や四つ穴と違い足がついているので、布とボタンの間に余裕を持たせながら縫う必要がありません。

しかも穴が一つなので取り外しがとっても簡単。

反対にボタンが動きやすく、取れやすいという点もあるので定期的に緩んでないか確認するといいでしょう。

くるみボタン
くるみボタンは生地や革などで表面をくるんだボタンです。

ボタンの中身の素材は、綿・金属・木など様々。

外側の生地も布に限らず、毛糸や皮革などがあり種類が豊富なのが魅力です。

洋服と同じ布地を用いることで、ボタンと服が一体化するというメリットがあり、服のデザインを壊すことなくおしゃれな雰囲気に仕上げることができます。

布の部分に名前やデザインなどをビーズ、糸で刺繍すれば、デザイン性が高いくるみボタンを手作りすることができます。

スナップボタン
突起の付いたパーツとそれに合わせたくぼみを持つ2つで1個のボタン。

パチンと簡単に留めることができる便利なスナップボタンは、ベビー用品や子供服、雑貨小物など様々な場面で使用されています。

以前は銀色で金属製の物が主流でしたが、最近ではプラスチック製の物も多く、アレルギーのある方でも使用できるよう工夫されています。

プラスチック製は洗濯など、水によって錆びることも無いのも嬉しい点ですね。

力ボタン

コートやジャケットのフロントボタン裏によくついている小さなボタン。

厚いコートやジャケットのボタンは布の厚みで力がかかってしまうため、そのまま使っていると穴が空いたり、糸が切れてしまうことも…。

力ボタンをつけておけば、ボタン表面で生地にかかる力を分散することができるので、洋服を傷めることがありません。

その他の少し特殊なボタン

トグルボタン
トグルボタンはダッフルコートに使われるボタンです。

英語の「toggle」で「止め木」の意味があります。

もともと北欧の漁師の仕事着だったダッフルコート。

それがイギリス海軍の防寒着になり、後にファッション界にも浸透していったそうです。

トグルボタンは防寒着に使われるボタンだったので、手袋をしていても簡単に着脱出来るように大きく掴みやすい形になったとも言われています。

二つの穴に麻や革などのしっかりした紐を通し、ボタンループも同じ紐で作ることが多いです。

トグルボタンの素材は水牛やウッド・プラスチック等があります。

パラシュートボタン
穴の形が横に幅広く2本の線のように空いているのが特徴のボタン。

これはテープやベルトなどを通すようにするためです。

軍隊の空挺部隊が着用するジャケットに使用されていたボタンが元になっており、パラシュートで飛び降りる際に負荷がかかっても取れない様にボタンにテープを通して縫い付けることで頑丈にしていたのです。

現在ではメンズのカジュアルシャツやミリタリー風のジャンパーなどによく使われています。

ドットボタン
名前を聞くと想像できない方も多いでしょうが、意外と身近なこのボタン。

金属製で凹凸2つ一組みで使用するタイプのものになります。

パチンとしっかり止まって、はずれにくいのでブルゾンやジャケット、コートなどのアウターによく使われていますね。

凸型の方は表面から見えるためブランドロゴや模様などが刻まれていることもあり、デニムをはじめ、ズボン類のウエスト部分にも使用されています。

ボタンによく使われる素材

名前や形だけでなく、素材も多岐にわたるボタン。

使われている素材によって印象や価格も大きく変わってきます。

そこで次はボタンによく使われる素材について見ていきましょう。

貝ボタン
その名の通り貝から作られているボタンになります。

高瀬貝・黒蝶貝・白蝶貝・茶蝶貝など様々な種類の貝から作られ、貝特有の上品でつややかな輝きが特徴です。

光の反射で高級感のある輝きを持つだけでなく、同じデザインが無いというのも魅力の一つ。

涼しげな印象なので春夏のブラウスやシャツに使われることが多いですね。

ナットボタン
タグワヤシの実を原料として作られた天然素材のボタン。

光沢を抑えたマッドな質感で少し木目が入っているのが特徴です。

木製素材特有の暖かみがあり、使い込むほどに色合いが変わってくる点もナットボタンの楽しみの一つ。

カジュアルな洋服と相性が良く、パンツやカーディガンに使われることが多いです。

特にカーディガンなどであれば男女問わず用いられているので、是非チェックしてみてください。

水牛ボタン
水牛の角や骨を加工して作られる水牛ボタン。

ボタンの中では一番高価でスーツ等に使われていますね。

角を輪切りにしてから、くりぬいて加工する製法や中空洞の角を切り開き圧版状にし、それをくりぬいて加工する製法があります。

水牛の種類によって色が違いますが、明るい色は数が少なく、黒よりも貴重でさらに高価になります。

耐久性があり、変色しにくく、風合いが変わることなく使い続けられるのが嬉しいポイント。

ただ洗濯や縫製、スチームプレス等でツヤ落ちが起きる事があるので、クリーニングに出す時などはお店の人に伝えてあげるといいでしょう。

ウッドボタン
木が原料のボタンで、柘植つげかば黒檀こくたん、オリーブなど材料となる種類は様々。

原料の多くは広葉樹で固さのあるものが使用され、一枚板を削ったり、手彫りして作られます。

現在よく使われるのは薄い板を樹脂で積み重ねた合板製の物で、樺やブナ、ラワンなどを1㎜位に加工した素材にフェノール樹脂をしみこませて、乾燥させて張り合わせて必要な厚さに成型します。

合板は耐久性も高く、ウッド素材の中では比較的安価です。

木目を生かして焼き加工をして焦げ目をつけたデザインの物もあります。

ただ合板ボタンはホルマリンを含んでいるので、2歳以下の乳幼児の衣類には使用しないでください。

レザーボタン
レザーボタンは牛や馬、山羊の表皮をプレスして作られるボタンになります。

革はクローム仕上げとシブ仕上げの2種類に分けられますが、ボタンに使用される革は主にシブ仕上げで作られます。

テープ状にした革をバスケットのように編み込んだ「バスケットボタン」が多く見受けられ、暖かみのある風合いを持っているのが特徴です。

コートなどに使われることが多いボタンになります。

一番手前の全体的に茶色のボタンがレザーボタン

金属ボタン
亜鉛や真鍮などを原料としたボタンで、学生服のボタンやブレザーなどに使われています。

金属で作ったボタンというと重そうなイメージがありますが、真鍮ボタンのほとんどはカシメと呼ばれる合わせボタンのタイプで、表パーツと裏パーツの2つのパーツを組み合わせて作られることが多く、中身が空洞になっているので、金属といってもそんなに重くはないです。

真鍮よりもさらに細かなレリーフを表現する事が可能な亜鉛を使ったダイカストやラバーキャストなどの製法があります。

ダイカストとは鋳造技術の一つで、溶かした金属を金型に流し込んで成形する技術で、ダイキャストとも。

安価で作れるのはメリットですが、金型のコストがかかる点はデメリットです。

一方、ラバーキャストとはゴムでできた型でで型取りする製法になります。

型代が安価で済みますが、金型ほどの耐久性はありません。

プラスチックボタン
石油を原料とした不飽和ポリエステル樹脂で作られるボタンの総称になります。

硬く、丈夫で、様々な形状に成型しやすいため、多種多様なボタンがあり、水牛、ナットなどの素材の代用品としても使われます。

大量生産可能で均一な仕上がり、染色も安価で出来るという優れもの。

一番よく使われるボタンと言っても過言ではないかもしれませんね。

最近では貝ボタンのような光沢を出せる製造技術が開発されて、貝ボタンの代用品としても広まっています。

プラスチックボタンの種類

ポリエステルボタン
スチロール樹脂を原料にしたプラスチックボタン。

Yシャツに使われているボタンと言えばピンと来る人も多いのではないでしょうか。

その他にも様々な衣類に使われており、プラスチックボタンの中でも代表的なボタンと言えるでしょう。

比較的硬く丈夫なボタンですが、中には衝撃に弱く割れやすいものもあるので一概に丈夫とは言えない点に注意が必要です。

画像引用:IRIS

ナイロンボタン
ポリアミド樹脂を原料にしたプラスチックボタンです。

耐薬品性、耐溶剤性ともに高く丈夫なプラスチックボタン。

また成型しやすくデザインの自由度が高い点もポイントです。

その一方、熱にあまり強くないのでアイロンは直接当てないようにしましょう。

画像引用:IRIS

ラクトボタン
牛乳に含まれるカゼインが原料のボタンになります。

動物性たんぱく質からできているので、毛の風合とよく合い、よくレディースの衣服に使われています。

特に生地と同色に染めて使用されることが多い印象ですね。

また、土中の微生物によって自然分解されやすい生分解性プラスチックであるため、環境に優しい素材としても注目されています。

画像引用:IRIS

尿素ボタン
ユリア系樹脂を原料にしたプラスチックボタンでユリアボタンと呼ばれることもあります。

耐光堅牢度が高いので、日光による色あせに強く、長く使える点がメリット。

一方で量産可能な分、他のボタンに比べると高級感はあまりありません。

ホルムアルデヒドを含んでいるため、2歳以下の乳幼児の衣服には使わないようにしましょう。

画像引用:IRIS

アクリルボタン
メタクリル酸樹脂を原料にしたプラスチックボタンです。

衝撃に強く透明感と光沢感がある点がポイント。

ガラスのように高い透明度をそのまま生かした物や、箔を貼ってミラータイプにした物、着色してべっ甲柄にした物など様々なデザインがあります。

デメリットとしては、硬度が低いため傷つきやすかったり、熱に弱い点が挙げられます。

画像引用:IRIS

まとめ

今回は形や素材によって様々な種類に分けられるボタンについて見てきました。

機能性重視の物もあればデザイン性を重視した物もあり、私自身とても勉強になりました。

もし次にお洋服を買う場合、ボタンにも注目してみてはいかがでしょうか。

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