今や、衣類以外にも家具や雑貨・プレミア商品まで多種多様な買物ができるフリマアプリ。
商品の購入先としても、実店舗での購入・インターネットでの購入と同じようにフリマアプリでの購入が当たり前になっています。
しかし、個人間売買が故にトラブルが起きてしまうことも…。
ここではフリマアプリ利用時におけるクリーニングについて考え、トラブル回避の参考としていただきたいと思います。
フリマって何?

利用されている方も多いであろうフリマアプリの「フリマ」とは「フリーマーケット」の略称です。
フリーマーケットは再利用可能な中古品をご近所同士で交換・売買したことが始まりで、徐々に規模が大きくなったと言われています。
現在では個人間売買や、その場を提供することの総称としても使われることも多いです。
ちなみに、フリーマーケットの‟フリー”について、現在は「自由に何でも取り扱える」という意味を持たせ「free market」と表すことが多いようですが、もともとは「蚤」を意味する「flea」だったとか。
商品を見に来るお客さんを蚤に例えたり、蚤がわくような商品を売っていたなど…語源は諸説ありますが、そこから「蚤の市」という言葉が生まれました。
フリーマーケットの対面とアプリによる違い

フリマは大きく2パターンに分類されます。
1つは公園やイベント会場で行う対面式、もう1つはアプリなどで行う非対面式です。
この2つにはどのような違いがあるのでしょうか。
2つのフリーマーケット最大の違いは、「消費者が商品を実際に手に取ってみることができるか」という点でしょう。
同じ中古品でも公園やイベント会場で行われいるフリーマーケットでは消費者はその場で品質の確認が可能です。
そのため、商品を納得したうえで購入できます。
ただ、フリマアプリを利用では実際に商品を手に取ることができないため、購入してから後悔するといったケースも多いようです。
フリマアプリによるトラブル

フリマアプリは、気軽に個人間売買ができるとても便利なツールです。
フリマアプリが普及したことで、出店者は商品を店舗に持ち込まず自分で価格を決めて販売ができ、消費者はお店に出向かずに商品を購入できるようになりました。
しかし、購入時に実際に商品を手にとって商品を見ることができないが故に「思っていた商品(色や触り心地など)と違った」、「偽物かもしれない」といったトラブルが起きていることも事実で、その件数は利用者数と比例して年々増加しています。
さらにトラブルの中には、出品者と消費者との「感覚の違い」が原因のものも多くあるようです。
そのため、フリマアプリのトラブルは出品者側の悪意の有無は関係ないものも多く存在します。
店舗で購入したものはブランドが責任を持って対応してくれますが、フリマアプリでの売買で起きたトラブルについては「個人間で解決する」ということが基本です。
もちろんアプリの運営事務局が相談に乗ってくれる場合もありますが、フリマアプリは「個人間売買の場を提供しているアプリ」であるため、感覚の違いに関するトラブル解決には限界があります。
トラブルが起きた場合の対応は、アプリによって多少異なりますので必ず運営規約を確認するようにしましょう。
しかし「トラブルになった時にどうするか」よりも、フリマアプリの利用者として最も大切なことは「トラブルを未然に防ぐ」ということです。
衣類を販売する場合は、様々な情報をできるだけ正確に正直に伝え、消費者に理解していただいた上で購入してもらうことが大切。
また、衣類を購入する場合は、気になるところを購入前にきちんと確認し、状態や劣化などきちんと納得した上で購入することが重要です。
両者の配慮によってトラブルは未然に防ぐことができます。
フリマアプリ利用時は、「利用者の自己責任で取引する」という特性を忘れないようにしましょう。
出品者側と消費者側それぞれ気を付ける点はこの後詳しくご説明します。
出品者側の注意点

フリマアプリで出品する時はどんな点に注意すればいいのでしょうか?
1つずつ見ていきましょう。
出品時は洗濯表示の画像も投稿する
不特定多数の消費者に対して家庭用品品質表示法の対象となる商品を販売する時には、商品に品質表示(洗濯表示)を付ける事が法律で義務付けられています。
つまり、衣類だけでなくカーテンや毛布・クッションなどの自宅で洗濯が難しいものにも洗濯表示は付いているということです。
自宅での洗濯の可否に関わらず、出品するものに洗濯表示が付いていた場合には、商品と一緒に投稿するようにしましょう。
洗濯表示は、記号だけでなく洗濯に関わる注意点が文章で付記されている場合があるので、その場合は付記用語も含めて投稿してください。
万が一、洗濯表示を切り取ってしまったり、付いていても表示が薄くなってしまったりしている場合には、その旨もお知らせすると親切です。
クリーニングに出してからの出品が安心
そもそもフリマアプリに出品する際は、必ずクリーニングをしなければいけないというルールはありません。(※特定のアイテムを除く)
特に着用回数の少ないものなどで自宅での洗濯が可能な商品は、出品前に自宅での洗濯だけでも十分だと思います。
しかし、シミや汚れが付いている商品や長期間保管されていたものは、クリーニングを済ませてから出品する方が安心です。
その他にも形状が独特・特異なデザインの衣類、においの付きやすい靴・帽子・ぬいぐるみなどはクリーニングしてから出品するのが無難でしょう。
特異なデザインの衣類は例え清潔な状態であっても、形状が変わった状態で消費者に届くとトラブルの原因になりますので要注意です。
(ふんわりスカートを買ったのに、ペチャンコの状態で届いた…など)
世代間のギャップに注意
フリマアプリの利用者は若年層をイメージする方が多いと思いますが、実は50代以上の利用も多くなっています。
「捨てるのにもお金のかかる」、「思い入れがあり捨てにくい」、「老後に向けた片付け」などその理由は様々ですが、スマホで簡単に出品できるという利点は多世代が利用しやすいと言い換えることが出来るのです。
ファッション業界ではトレンドが繰り返されることもあり、50代以上にとっての「懐かしい」が若年層にとっての「かわいい」であることもしばしば…。
つまり同世代間での売買だけではなく、多世代間での売買が成立することも珍しくありません。
そこで、注意したいのは「美品」や「数回着用」などの概念は、出店者側と消費者側での世代間ギャップがあり、そのギャップがトラブルを招く場合もあるということです。
出品する時も、購入する時も「相手が自分と同世代とは限らない」ということを念頭に、トラブルはできる限り未然に回避するように心がけましょう。
出品予定の物をクリーニングに出す際の注意点

出品する商品をクリーニングに出す際は「これから販売するもの(商品)である」ということを必ず伝えましょう!
商品であると伝えることにより、例えば仕上りの状態(畳んだ状態・つるした状態など)を指定できたり、完全に落としきることができなかったシミや汚れの程度を受取り時に把握できたりします。
クリーニング店によっては、クリーニング後に商品を密閉した袋に入れるお店もあり、その場合、自宅で商品を広げて確認するためにはその袋を開けねばならず、クリーニング店から返却された状態のまま出品することができなくなってしまいます。
対応できる範囲はクリーニング店にもよるので、まずはクリーニングに出すタイミングでお店に相談してみましょう。
またフリマ出品商品以外にも伝えてほしいことが…。
それはクリーニングに出す品物に「プレミア価格」がついている場合です。
ハイブランドがカジュアルブランドやアニメとコラボしたり、何年も前のスニーカーにプレミア価格がついたり、見た目だけではわかりにくい高価な商品が増えています。
また、テレビや雑誌に取り上げられたことで一気に価値が上がる場合もあり、クリーニング店がそれら全ての価値を理解した上で商品を預かることには限界があるのも事実です。
ですから、高価なものをクリーニングに出す時には「プレミア価格がついたものである」と伝えるようにしましょう。
大切なことは価値を理解した上でクリーニング処理してもらうということ。
同じ理由から、代々伝わる親族の形見や年代物、高価なブランド品もお店側にしっかりと伝えてください。
消費者側の注意点

ここまでで出品者側の気を付けた方がいい点は知っていただけたかと思います。
実は消費者側も気を付けた方がいい点がたくさんあるのです。
早速見ていきましょう。
洗濯表示がついている商品か?
出店者側の注意でも触れましたが、不特定多数の消費者に対して家庭用品品質表示法の対象となる商品を販売する時には、商品に品質表示(洗濯表示)を付ける事が法律で義務付けられています。
そして、消費者はその洗濯表示を基に洗濯や保管を行うことになります。
つまり、せっかく購入した商品でも洗濯表示が付いていなければ洗濯やケアができずその衣類は長く着用できないと言えるでしょう。
特にプレミアがついたものや年代物は、正しくケアをしなければすぐに劣化してしまいます。
これはフリマアプリや店舗、新品や中古にも関わらず、商品を購入する際には常に注意したいポイントです。
「新品・未着用」は安心?
「新品」や「未使用品」と言って出品された商品であっても、その商品がもともとアウトレット商品だったり、長い間保管されていた商品であったりしたらどうでしょうか。
投稿された写真がブランドのサイトから拾われたものや、製造されたばかりの時に撮影されたものであった場合、出品されている商品が実は劣化しているという可能性も否定できません。
また、保管されていた場所やその環境によっても衣類の状態は大きく変わります。
表面はきれいに見えても、裏面や中側にカビが発生している可能性もあったり…。
不安な場合は、保管されていた環境を確認したり、タグから製造年を調べたりして、購入前に不安を払拭しましょう。
劣化は「着用から」ではなく「製造時」から始まっているということを理解した上で購入することが大切です。
出品前のクリーニング
既述の通り、出品前のクリーニングは必須ではありません。(※特定のアイテムを除く)
しかし、実際に届いた商品を開けてみると写真ではわからなかった出品者自身や防虫剤のにおいが付いていたり、きれいに畳まれなかったことでシワがある状態で届いたりしたら…。
届いた商品を見てがっかりしてしまうと同時に、購入後すぐに着用することは難しそうですよね。
例えば、既にクリーニング済の3,000円のセーターとクリーニングしていない2,500円のセーターが出品されているとします。
金額だけ見ると後者のセーターの方がお得に感じますが、においが気になって着用前にクリーニングに出すとなるとどうでしょうか。
クリーニング代は着用する限り購入者が負担するものです。
例え販売価格が多少高くても、クリーニング代が商品代金に含まれていることが理由である場合には、購入後すぐに着用できる可能性が高いのでむしろ安心材料と言えるでしょう。
本物そっくりな偽ブランド品
「偽ブランド品」というと海外ブランドやハイブランドの商品をイメージしやすいと思いますが、実は身近なブランドやカジュアルブランドの衣類や靴の偽物も作られています。
「良いものが安く買える」というイメージもあるフリマアプリですが、この様な偽物商品の場合は金額も高価な(本物の販売価格に近い)ほど本物と思い込みやすいという消費者心理を利用し、逆に値段を上げている悪質な出品者もいるかもしれません。
高価なものや本物か疑わしいものを購入する時には、購入時期や購入場所など、できる限り出品者に確認を取りましょう。
加工をせずに撮影した写真や指定角度からの写真を送ってもらったり、購入した際のレシートなどを確認させてもらったりして、トラブルを回避しましょう。
まとめ

今回は昨今、需要が高まりつつあるフリマアプリについてご紹介しました。
トラブルなく利用する為には、出品者・消費者双方の確認や気遣いが必要不可欠です。
注意点で挙げたポイントを意識して利用しましょう。
また、クリーニング店からのお願いです。
出品前にクリーニングする際は、お客様からお預かりした商品をお客様と同じ想いでケアさせていただくためにも、価値や状態を必ずお伝えいただきますようご協力をお願いします。
そのご協力一つで様々なトラブルを回避することができます。
クリーニングを上手に活用し、トラブルのないようにフリマアプリ生活を楽しみましょう!
