タイトルから想像できることはありますか?
私たちは毎日なにか服を着て生活しています。
普段着、お出かけ着、学生服、仕事の制服…いろいろな場面でいろいろな服を着ていますが、なかでもお気に入りの服を着た日、明るい服を着た日はなんだか気持ちも上がっているはず!
「服が人に与える力」…着るものを少し変えただけでなぜか気持ちも動く。
ファッションには気分を上昇させる力があり、不思議なパワーを持っていると実感します。
そして近頃「介護✕美容」などというものも目にするようになりました。
美容の力で高齢者の方々に笑顔と生きがいをもたらすというもの。
”福祉ネイル”などあまり聞き慣れない言葉でしたが、そういったものもメンタルの部分に連動してくるということ。
どう連動してくるのかを見進めている時に、服も美容も人に与えるものは大きく…それらの持つ力について触れていきたいと思います。
服が人に与える力
気に入った服を見つけたとき、それを着た時どんな気持ちになりますか?
春が近づき明るい色を着たとき、気分が変わりませんか?
着たことのないような服を着たとき、新しい自分と会えたような気持ちになりませんか?
ワクワクし「〇〇に着ていこう!」、「早くこれを着て出かけたい!」などと、好きな服を着たり、好きなものを身に着けたりしていると気持ちが上がりますよね。
逆にイマイチな服装で出かけてしまったりすると、なんとなく気持ちが乗らないこともあると思います。
洋服へのトキメキはメンタルヘルスの維持・向上に欠かせないとても大切なものです。
心理学でも装いが心理的効用に与える影響は大きいと言われています。
明るい服を着る これってメンタルにいいの?
春が近づくと自然と明るめの色を着たくなる。
これとは逆に気分が落ちている時にあえて明るい色を着てみる。
明るい色を着ることはメンタルに良いのでしょうか?
結論は…とても良い!
何かで落ち込んでいるとき、自身が持てないとき、明るい色の服を着てみると、まるで魔法にかかったように気持ちが明るくなり、気持ちが上を向くことも!
ここからは流れが変わっていく何かを実感できるはずです。
これは服だけでなく、小物やアクセサリーやネイルでも同じ効果が。
こんなエピソードも…
これは日本で初めてパーソナルスタイリングを手掛けた政近準子さんがスタイリングしたケースです。
※スタイリストはテレビや雑誌、広告などでタレントさんやモデルさんのファッションをコーディネートする仕事ですが、「パーソナルスタイリスト」は著名人だけでなく、主婦や会社員、学生など一般の方のスタイリングを手掛ける仕事です。
ひきこもりで何ヶ月も家から出れない女性の母親が、洋服を買ってあげたら外出するのではないかと思い、政近さんのもとに相談に行きました。
政近さんは一緒に買い物に出かけ、明るめのかわいい服を選び…ひきこもりの女性はその服を着て一人で外出し、そのあともちょくちょく出かけるようになったそうです。
ひきこもっていた子供に明るい服をスタイリングしたしたことで外出が楽しくなり、ひきこもりが改善されたこの話。
服がきっかけで気持ちが前を向いたことからも、心を動かす不思議なパワーを感じます。
なぜ色が心に影響するのか?
色は光で、電磁波の一種です。
電磁波には赤外線・紫外線・X線などがありますが、人の目に見える色(可視光)も電磁波の一種なのです。
目から入った色の刺激は、脳の視床下部に届きます。
この視床下部が司令塔となり、自立神経系やホルモンバランスなど内分泌系の調整機能を引き受ける役割をします。
神経系や内分泌系は人の精神と深く関わっているため、色で気持ちをコントロールすることができるのです。
無気力・不安・イライラ…さまざまなストレスからも色が力を貸してくれます。
ファッションがメンタルに良い3つの理由
①気分がポジティブになる
「明るい服を着ると気分が明るくなる」、これには心理学的にも説明がつき、服が「仮面」の役割をします。
医者が白衣を着ると気持ちが切り替わるというように服がメンタルに影響を与えます。
明るい服を着ていればポジティブになり、落ち着いた服を着れば気持ちが落ち着きます。
②自己肯定感が上がる
自分が気に入った服を着ることは「自己表現」になります。
「似合ってる!」「私はこういう服が好き」「流行ではないけど私はこれが好き」自分の在り方を表現する感情、自己肯定感がUPします。
③自分自身を変えられる
”服装は行動を変える” ”自分の殻を破る”
心が弱っている時やメンタル疾患の治療中に、ファッションがきっかけで、メンタルを改善させていく事例が多々あるように、ファッションは人、気分、雰囲気(その服を纏うことにより出されるオーラのようなもの)を変える力があります。
・ファッションを変えてみることで気分が変わる→人に会いたくなる→外出の頻度が上がる→コミュニケーションも積極的になれる→自身がつく
・ヘアスタイルを変える→メイクにも気を使う→ヘア、メイクに合うファッションをしたくなる→ダイエットを始める→運動や食生活に気を使う→うつが改善
いつもの自分から少し何かを変えてみることで、行動も変わっていく!
そんな流れが自然と舞い込んでくる気がします。
身近でも、服もメイクもあんなに好きだったのに面倒になった…うつ状態が酷かった時は服を着替えることすら苦痛で興味がなくなった…ということを聞いたことがあります。
そこから気持ちを上げていくのも本当に大変なのだとも…。
回復してきた今は、回復してきたからファッションが楽しめる気力が出てきたとも感じ、ファッションが楽しくて回復が早くなっているとも感じるようです。
人はちょっとしたことで気持ちが動きます。
そうゆう自分に気付けることも、その一歩のきっかけづくりも大切なのかなと思います。
ネイルパワーで日常に彩りを
ネイルアートがもたらす心理的な効果をご存知でしょうか?
ネイルをすることで気持ちが上がることありますよね!
常に視界に入る指先がキレイな状態にあることは美だけでなく、リラックス効果や、脳の活性化など、メンタルにも良い影響を及ぼします。
ネイルアートと聞いて浮かぶのは若い人たちの指先✨
ですが、高齢の方に向けたネイルサービスが注目されているということを知りました。
福祉ネイリストという資格を持った方が、高齢者や障がい者の方々にネイルで癒しや元気、希望を届けるというもの。
ネイルを施すことでいつも目に触れる指先がキレイになりとてもよい刺激になるのです。
こんな一例も…
介護施設に入所している認知症のおばあちゃん。
昔はおしゃれをして出掛けることが大好きでしたが、施設に入ってからはなかなかそんな機会もなく…。
どんどんおしゃれから遠のいた日常を送っていましたが、そんなおばあちゃんにネイルをしてあげたところ、みるみる表情が明るくなり顔つきが変わっていったそうです。
身だしなみに気をつけるようになったり、問題行動が減ったり、色を覚えたり、他者との関わりに変化が出るなど、認知症の症状が軽減される場面も多くみられ、このおばあちゃんが元々持っていたおしゃれ好きな部分(心)がまた動き出し、心の活性化にもなっているのかな…✨と想像できました!
ワクワクする気持ちが病気を予防したり、認知症にも効果があることは研究結果でも実証されています。
ネイルも服と同様、色の影響力は大きく、メンタルの部分では「気分が上がる」「気持ちがポジティブになる」「倦怠感の軽減」など。
そして生体に及ぼすものでは、ストレスによる脳血流の増加を抑え「心理的ストレスを軽減」させることも。
”キレイになることで心が動く”ここに着目したこのサービスは、気持ちを上げることでさまざまな良い効果をもたらし、日常に彩りを与えてくれる本当に素敵な取り組みだと感じました。
まとめ
自分を飾るなにかは心と連動し、日常に彩りを与えてくれます。
「”彩り” ローマ字にすると ”IRODORI” 前から読んでも後ろから読んでもイロドリと読め、また元に戻ることから、さまざまなことは繋がり、また元に戻るという発想もできる」と、これを書いている今、ラジオから流れてきました。
今回のひきこもりの女性のエピソード、介護施設で生活する認知症のおばあちゃんの話も、まさに自分を取り戻すことに繋がって、日常に彩りを与えられたのかな✨と思えました。
「生きてる!」と実感でき、そんな気持ちにさせてくれる方法のひとつにファッションがあるのかもしれません。